プロパン・ブタンニュース

総合面

ガス安全小委、次年度高度化計画で他工事事故対策に重点

次年度高度化計画 取り込み状況踏まえ

産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会ガス安全小委員会(委員長=澁谷忠弘・横浜国立大学教授)は10日、第31回会合を開いた。ガス安全高度化計画2030の今年度の取り組み状況を日本コミュニティーガス協会、日本ガス石油機器工業会(JGKA)、ガス警報器工業会(GKK)、日本ガス協会が報告した。経済産業省ガス安全室は、25年度の重点確認項目にガス事業者による他工事事故への対策体制の整備を盛り込んだ。

  • JLPA検査事業者委員会、不具合事例の収集と配信さらに強化
  • アストモス、部門横断チームがCNLPガス普及に力 認知度向上へPR
  • 三愛オブリ、日本格付研究所(JCR)から格付けA 収益力、財務体質を評価
エネクル、草加商工会議所と協定 

災害時にはGHP導入の新会館を活用

左から堀川雅治・堀川産業社長、野崎友義会頭、宮本康正・エネクル社長

堀川産業グループの直売会社エネクル(本社・草加市、宮本康正社長)は
11日、草加商工会議所と旧草加市保健センターで「災害時におけるLPガス等の供給協力に関する協定締結式」を開いた。4月から業務開始する商工会議所新会館は防災機能と地域交流機能を併せ持つ環境配慮型の新産業拠点というコンセプトの下、災害時の帰宅困難者や周辺住民の一時避難場所としての活用も想定し、LPガス仕様電源自立型GHPと災害対応バルクを導入した。協定により災害時でも最大限の機能を生かした会館運営を行うのが狙い。

GHP室外機と災害対応バルク

4月から業務を開始する草加商工会議所新会館

  • ニチガス、門倉商店を子会社化 「共創」具現化へ
関東東計会 全国 11 地区の幕開け

効率化事例やデータ分析 業界発展に活用を

東洋計器(本社・松本市、土田泰正社長)は7日、東京・新宿区の京王プラザホテルで「第43回関東東計会」を開き、今年も全国11地区の東計会が幕を開けた。LPWA端末「IoT―R」を高度活用した業務効率化事例や、LPガス使用量のビッグデータ分析から得られた需要開拓の知見などを報告。過去最高の623人が出席し、最新のエネルギー情勢に熱心に耳を傾けた。

橋本庸輔氏

冒頭に、世話人の橋本庸輔・橋本産業社長があいさつし「この数年間でLPWAは急速に普及した。主流の通信方式LTEカテゴリーM1はIoT―Rによってもたらされた。LPガス業界では料金体系の構築が最重要課題。IoT―RとPR型メーターで得た用途別、時間帯別のガス使用量データを活用するのが有効だ」と強調した。
ウェブ明細「ガスるっく」をはじめ、プリペイドサービス、高齢者元気情報サービスなどのさまざまなコンテンツも確実に定着してきたと評価し「改めて東計会の存在意義を強く感じる。東洋計器の研究内容をビジネスに取り入れて、ともにガスの時代をつくっていこう」と呼びかけた。
報告は土田泰秀代表取締役会長と土田社長が2部に分かれて行った。

土田泰秀氏

土田泰正氏

首都圏版

日本ガス興業、次世代対応の本社竣工 

働きやすさを最優先

JR東海道本線・原駅から撮影した新本社

日本ガス興業(本社・沼津市、遠藤茂美社長)は10日、新本社社屋の内覧会を開いた。昨年12月25日に旗艦拠点、原基地を擁する本社敷地に竣工し、静岡全県ネットワークのうち東部6営業所を集約した。鉄骨造3階建てで2階建て倉庫棟を併設、築40年が経過した旧社屋は解体し駐車スペースとする。

GHPエグゼアⅢ計70馬力で全館空調する

 

  • 軽井沢ガス、バルク供給網を強靭化 ローリー2台体制に
<次代の信念>伊勢崎佐波ガス事業協同組合・田島里史理事長

技術力でニーズ充足 ガス回帰の流れ促進

田島里史理事長

田島里史氏(田島商店)は昨年8月、伊勢崎佐波ガス事業協同組合の5代目理事長に選任された。52歳。「組織ブランド」「社会貢献」を念頭に地域と次世代に寄り添う事業を展望。さらなる認知度の向上を目指す。LPガスのほか住宅設備、水道工事、一般土木にも精通し、技術的な知見を生かして住まいの要望に的確に応える。
組合は伊勢崎市や群馬県玉村町で公営団地のコミュニティーガス事業と一部容器でのLPガス販売を担う。1971年の設立から都市ガス拡大の歯止めの機能を任されてきた。
1050戸ほどの供給先のうち、最大の地点群は約3割を占める保泉ニュータウン。住民の1割強がオール電化だが、田島理事長は「2000年代のブームと違い価格や特徴で対等に戦えるようになった。ガスに戻す流れは来ている」と話す。
住宅に関するトレンドとして「設備の場所にもこだわる人が増えている」と実感している。特にLPガス容器が人目に付かないようにとの要望が多い。配管が伸びれば捨て水が増えるが、団地の集中配管なら問題ない。 人気のアイランドキッチンでは排気の課題に着目する。IHこんろは油煙が上昇気流で逃げていかず、ガスの方がレンジフードの設計が単純で静音性に優れる。「個人の要求を満たすこだわりの家づくりこそ、ガスの良さを伝えられる」。換気のプロとしてPRし、ガス衣類乾燥機の相談につなげたい考えだ。
目指す組織ブランドには、シリンダーで個別供給もできることを知ってもらう目的もある。団地以外の認知度を上げるため、LPガスやリフォームに関する発信を強化する。昨年度は県内のコミュニティーガス防災訓練を主導、地域の安全に果たす役割も訴求する。

地方面

北海道=美唄市、小中学校4校にLPガス仕様GHP設置 

猛暑に対応し冷房を

美唄市(桜井恒市長)の市立小中学校4校にLPガス仕様のGHPが設置された。文部科学省の学校施設環境改善交付金を活用しての設置で、昨年8月末には工期を終えている。LPガスは美唄ガス(坂東久男社長)が供給する。

校舎正面に設置した室外機

設置したのは市内に点在する中央小学校、東小学校、美唄中学校、東中学校の計4校。各校ともこれまで冷房システムはなく、冬場は燃油による暖房だった。冷房設置への機運が高まったのは2021年8月。同市観測史上最高の35・6度Cに達したのをはじめ3日間連続の真夏日を観測するなどかつてない高温に達したのがきっかけだ。
23年夏に、胆振地方の小学校で熱中症が原因の痛ましい事故が発生したのを受け、保護者から冷房設置の要望が寄せられたのも後押しとなった。年度内には、この事故を受けるかたちで小学校2校の図書室など4教室にEHPによる初めての冷房システムが入ったこともあり、市教育委員会が本格的に教室の冷房導入に向けた検討に入った。

GHPを設置した美唄
中学校

  • 北海道=<秩序とルール>ドウネン(芦別市)・道島悠太社長、地域の声も聴いて
東北=カネダイ(気仙沼市)、別ブランド「なっとく家」でリフォーム事業開始

東日本大震災きっかけに

古民家を改装したオフィスで取材に応じる千田店長

カネダイ(本社・気仙沼市、佐藤俊輔社長)はリフォーム事業を本格的に展開するため別ブランド「なっとく家」を立ち上げ、昨年9月、最初の店舗を宮城県利府町に設けた。仙台圏を中心とした水回りリフォームを足がかりに営業エリアやリフォーム分野を拡大させる考えだ。
人口減少などを背景にしたLPガス需要減に対処するため、リフォームで事業領域を広げることが目的。LPガス販売の延長線上では片手間仕事の領域を出られないと考え、思い切って別ブランドでリフォームを展開することを決断した。
検討の発端は東日本大震災。

  • 東北=南相馬市のコミュニティーガス団地へ水素混合LPガス供給へ(相馬ガス・今津社長)
中部=ミライフ西日本、珠洲店の充填所再開 

奥能登復興の象徴に

補修工事が完了した珠洲店の20㌧タンクを背に左から輪木正明金沢支店長、中川進弘社長、八島和成店長ら関係者

ミライフ西日本(本社・大阪市、中川進弘社長)は能登半島地震で被災した珠洲店(八島和成店長)の20㌧タンク補修工事を完了、3月から充填を再開した。被災後の機能停止から約1年2カ月ぶりとなる。昨年8月に全国LPガス協会を通じ内閣府指定の災害救助法適用地域として工事費用に「2023年度LPガス流通合理化対策事業費補助金」を申請。冬前の完成予定が工事の遅れで後ろ倒しとなり、24年度中の再稼働を目指していた。中川社長は3日に現地を訪れ、奥能登のライフラインを支える珠洲店は「希望であり復興の象徴だ」と再出発に向けて抱負を語った。

  • 中部=クリーンガス福井、衣類乾燥機サブスク展開 電化客もファンに
近畿・四国=エネアーク関西、中央支社を一新 

北河内地域の中核に

竣工式に出席した関係者

エネアーク関西(本社・大阪市、荒木孝昌社長)は3日、中央支社新社屋の竣工式を大東市の現地で行った。旧社屋の老朽化に伴い隣接地に建設。労働環境や効率性を重視した設計で、北河内地域の重点拠点に生まれ変わった。
敷地面積を2209・75平方㍍広げ6419・75平方㍍に拡大した。鉄骨造地上2階建てで建築面積462・13平方㍍、延べ床面積は962・5平方㍍。旧社屋と比べて建築面積で約2・1倍、延べ床面積で約1・4倍と大幅にスケールアップした。関西ビジネスインフォメーションが設計、鴻池ビルテクノが施工した。

事務室をワンフロア化するなど快適性と効率を高めた中央支社の新社屋

  • 近畿・四国=<なにわ短信>浴暖の魔力に感嘆
中国=三愛オブリガス中国、改正省令対応へ

取引先集めセミナー

清水幸一社長

三愛オブリガス中国(本社・倉敷市、清水幸一社長)と中国三愛ガス会(柴田脩司会長)は2月7日、広島市のTKPガーデンシティ広島駅前大橋で「Obbli改正省令対応セミナー」を開いた。4月の改正省令本格施行を前に関係情報を共有し、今後の経営のあり方を検討してもらうことを目的とした。
清水社長はあいさつで「会員のみならず日ごろ取引のあるお客さまにも声をかけ、オープンなかたちで開催した。広島では1月に県協会主催で改正省令に関する研修会が開かれた。どう対応していくかを非常に考えさせられる内容だったとも聞いている。事業運営は変化への対応が何よりも重要。将来を予測しながら準備しなければならない。今回のセミナーが皆さまの事業運営の道筋を考える一助になれば幸いだ」と述べた。

九州=宮崎プロパン、高原町と協定 

災害時に飲料水供給

協定書を掲げる金本豊社長(左)と高妻経信町長

宮崎プロパン(本社・宮崎市、金本豊社長)は2月19日、宮崎県高原町(高妻経信町長)と「災害時における飲料水供給協力に関する協定」を締結した。高原町役場で調印式を行い金本社長と高妻町長が協定書を取り交わした。災害時、避難所にウオーターサーバーと飲料水ボトルを設置し避難住民に提供する。
高原町で災害が発生、または発生が予想される場合、同町の要請に基づき避難所に設置する。飲料水の代金は町が負担しウオーターサーバーは宮崎プロパンが無償で提供する。飲料水の配送・供給に使う車両は優先車両として通行できる。
調印式には宮崎プロパンから金本社長と峯崎健二常務、原口法雄氏(都城支店営業課)、坂本美樹氏(宮崎本社営業課)、高原町から高妻町長と横山安博副町長、末永恵治総務課長、横田秀二総合政策課長、酒匂政利建設水道課長が出席した。ウォーターネット(本社・東京、佐藤英夫社長)の馬場井正二郎取締役営業本部長と竹原良彰九州エリアマネージャーが見届けた。

住設・新技術

岩谷産業、「遠野町屋のひなまつり」を下支え 「IGW」活用、スタンプラリー企画も

地域の伝統と振興を担うイベントで岩谷産業とイワタニゲートウェイ(IGW)が貢献した

2月21日から3月5日まで岩手県遠野市で開かれた「第26回遠野町家のひなまつり」で、岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)が展開する独自のIoTプラットフォーム「イワタニゲートウェイ(IGW)」が活躍した。
遠野町家のひなまつりは期間中、遠野市内の家庭や店舗に代々伝わるひな人形を飾り、遠野に春の訪れを告げる恒例のイベント。今年は同社が協力企業として参加し、子供や高齢者の見守りサービスで協業するotta(同・福岡市、山本文和社長)の「見守りシステム」とIGWを組み合わせたデジタルスタンプラリーを企画、市内周遊を促進するイベントとして実施した。 参加者は、ottaの専用お守り型見守り端末を持ち歩くだけで、市内の複数個所に設置されたIGWがチェックポイントとして参加者の訪問と滞在時間を自動的に記録できるため、気軽に参加できるようになった。チェックポイントの数に応じて参加者は抽選会に参加でき、抽選で遠野市内のホテルペア宿泊チケットやイワタニオリジナルグッズなどの豪華景品も用意。デジタルスタンプラリーは、地域の魅力を再発見し楽しく巡れるイベントとして多く参加があり、大好評だった。

  • 偽サイト、昨年3万件通報 警察が対策ガイドライン
  • CSクリエイト、LINEプロモサポートでコンテンツやサイト作成

特集記事 <ガス警報器工業会創立50周年記念対談>

ガス警報器工業会(GKK)は今年で創立50周年の節目を迎える。そこで2024年11月27日、都内で「ガス警報器工業会創立50周年記念対談」を開催した。同会・髙橋良典会長と警報器の第三者検定機関である高圧ガス保安協会(KHK)の近藤賢二会長との対談を企画した。50年を振り返って、現状の両機関の取り組みと連携、将来への展望―などについて両会長の熱い思いを語り合ってもらった。事故撲滅には警報器が必要不可欠、国内はもとより海外まで普及させなくてはならない、今後とも協力関係をより強いものとするなど意見が一致。ガス警報器の社会的役割を見つめ直す契機となることを期待したい。

最近の記事一覧プロパン・ブタンニュース一覧