総合面
岩谷産業、LPガス IGW新社を軸に
100年企業へ10年戦略 水素事業と2本柱で飛躍へ
会見する間島寬岩谷産業社長
LPガス
IGW新社を軸に
岩谷産業 100年企業へ10年戦略
水素事業と2本柱で飛躍
岩谷産業の間島寬社長は10日、東京・港区の東京本社で開いた21年3月期中間決算発表会で今期迎えた創業90周年を総括し、100周年までの10年間の方針について説明した。脱炭素の追風に乗る水素事業、基幹事業であるLPガス事業を柱に据え、イワタニゲートウェイ(IGW)をフックに既存事業形態のブラッシュアップと新サービスの構築を進めていく決意を表明した。
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<平成、そして新時代へ>I・T・O 内海二郎社長
ガス業界の底力に期待
治のざっくばらんに 〜平成、そして新時代へ〜
I・T・O 内海二郎社長
ガス業界の底力に期待
内海二郎社長が「戦前、戦後」と称するI・T・Oの分岐点になった1976年。時に自動切替調整器のトップメーカーとして成長軌道にあったが、調整器の欠陥問題が発生した。全国紙が大きく報道し同社は倒産の憂き目に遭う。会社更生に舵を切り当時は製造部長だった内海社長をはじめ、全社員が一丸となり対応した。その後、顧客との強い信頼関係や高い商品開発力と販売力もあり不死鳥のごとく再建。今や売上高118億円に達する世界的供給機器メーカーである。
上場企業の9月中間決算
輸入価格低推移が減収に
新型コロナウイルスの影響が続く見通しのなか、上場企業の2021年3月期中間決算(4~9月)の発表が進み、主なLPガス関連企業の決算も開示された。LPガス事業については工業用や業務用が低調なものの家庭用で微増し全体では堅調という傾向が継続しているものの、輸入価格の低位での推移が市況に影響して減収の要因となった。ニチガスはエネルギー小売事業者としての強みを見せ増収増益を継続、一方ミツウロコグループホールディングスやシナネンホールディングス、サンリンは電力や新規事業が収益に貢献した。
首都圏版
エナキス、基本料金ゼロの電気料金新プランを展開
ガス料金も値引きに
電気基本料金ゼロを謳った「EPOWERでんき」のチラシ
電気料金新プラン
基本料金ゼロで展開
エナキス ガス料金も値引き
エナキス(本社・上田市、長瀬吉夫社長)は今夏から、長野県内の低圧需要家向けに基本料金ゼロの電気料金プラン「EPOWER(イーパワー)でんき」の提案を展開している。EPOWERの代理店であるLPガス会社や都市ガス会社の需要家なら「スーパーONE(ワン)」プランとして、さらに電気料金単価を1㌔㍗時0・4円下げ、ガス基本料金も最大350円値引く。電気とのセット割でLPガス顧客の開拓を図り、経営への影響が少ない料金低廉化の道を探る。
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地方版
北海道=リボンガスが札幌の回転すし店に「ユカカラ暖房」設置
道内普及に弾み
床暖パネルについて説明する内海代表
ユカカラ暖房
札幌の回転すし店に
リボンガス 道内普及に弾み
リボンガス(本社・熊本市、内海久俊代表)が人気の回転すし店「根室花まる南郷店」(札幌市白石区)に「ユカカラ暖房」を設置した。ユカカラ暖房は温水床暖房で、発生する遠赤外線が室内を均等に暖める設備。札幌圏では延床面積140平方㍍超の規模に施工するのは今回が初めてとなる。
北海道=帯広の道道151号線に「プロパンアンダーパス」
付近に事業者が点在
「プロパンアンダーパス」
帯広の道道151号線
付近に事業者が点在
帯広市内を縦貫する北海道道151号幕別帯広芽室線の西23条南1丁目に「プロパンアンダーパス」=写真=がある。1990年度に完成した立体交差の名称だ。
交差路を挟む形で、エア・ウォーター・テクノサプライ帯広センターをはじめとするLPガス関連の工場が点在していることが名前の由来だと思われる。
東北=カメイ物流とガスパス東北が合同訓練実施
バルク相互配送で協定
写真㊤充填を行うカメイ物流サービス社員㊦保安点検を行うガスパル東北社員
バルク相互配送で協定
カメイ物流とガスパル東北
カメイ物流サービス(本社・多賀城市、遠藤良一社長)とガスパル東北(本社・仙台市、伊藤忠社長)は5日、塩釜市のカメイ塩釜ガスターミナルを拠点に初の合同訓練を実施、カメイ物流サービスがローリーを出動させ、ガスパル東北の供給先のバルク貯槽に充填を行った。両社は車両トラブルなどでバルクローリーを運行できなくなっても供給が滞ることがないように、互いにバルク配送を助け合う協定を締結している。
中部=岩谷産業、伊勢LPGセンター完成
南勢地区最大の基地に
年間8000㌧の充填に対応
岩谷産業
伊勢LPGセンター完成
南勢地区最大の基地に
岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)は伊勢市内にあった旧充填所をリニューアル移転し、新たに年間約8千㌧超の充填規模を有する三重県南勢地区最大規模の「伊勢LPGセンター」(伊勢市左八町)を完成した。4月の着工開始から約6カ月をかけ9月末に完成し、10月12日から本格稼働した。同センターの充填業務は、岩谷産業の100%子会社であるホームエネルギー東海伊勢センターが担い、配送業務はホームエネルギー東海伊勢センターとJA全農がそれぞれ行う。
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住設・新技術
新コスモス電機、三密回避へ「換気予報」発売
空間の混雑状況を警告
3密回避へ「換気予報」
新コス 空間の混雑状況警告
新コスモス電機(本社・大阪市、橋良典社長)は10日、3密ソリューション「三密おしらせシステム 換気予報」を発売した。エンコアードジャパンが提供する「コネクトCOセンサ」と「コネクトセルラー」を活用する。新型コロナウイルス対策として密閉、密集、密接の3密を避けるため、換気のタイミングを可視化して適切な換気を促すとともに、その場の人数を簡易計測し混雑状況を知らせる。
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- <LPガス×クラブネッツ>大浜燃料、顧客基盤拡大へ導入
<特集>コミュニティーガス特集 事業・協会設立50周年記念
地域を支えて半世紀 新たな日常暮らし優しく温かく
簡易ガス事業は1970年4月の改正ガス事業法施行で公益事業に位置づけられた。以後、その供給方式の簡便性、需要に対する迅速性などが高く評価され、都市近郊の活発な街づくりとともに全国に普及し地域の発展に貢献してきた。2017年4月の改正ガス事業法の施行でガス小売全面自由化がスタートして簡易ガス事業は法律上ガス小売事業となり、協会が中心となって「コミュニティーガス事業」の呼称の認知度向上に取り組むなか、今年度に50周年を迎えることとなった。『コミュニティーガスはコミュニティーを支える暮らしの炎です』。このキャッチフレーズの下、コミュニティーガスは▽小規模な導管供給による需要に即応できるエネルギーインフラ▽災害時にも迅速な対応が可能な小規模ネットワーク▽地域コミュニティーに密着したエネルギーサービス▽クリーンで可搬性と貯蔵性に優れ、幅広い用途に利用可能なLPガス―の特徴をさらに磨き上げて後世につなぎ、コロナ禍の新たな日常の中でも優しく温かく地域の暮らしを炎で灯し続ける事業であり続けたい。
鴇田勝彦会長=事業価値向上へ全力 新サービスで商機拡大
ルポ/コミュニティー団地のいま
・スタン(徳島市)=顧客に人気の感謝祭 要望に応え今年も実施
・仙台プロパン(多賀城市)=展示スペース併設 地域に開放し料理教室開催
・イワタニ島根(大田市)=暖房需要掘り起こしでファンヒーターの季節レンタル好評
・高崎市ガス事業協同組合(高崎市)=全戸に集中監視設置 LPWAに順次切り替え
・松江ガス供給(松江市)=高齢者支援で困り事全般に即応 暮らし・警備サービスも
・房州ガス(館山市)=観光・経済復興に力 学校GHPは幼稚園含め9件に
・日本海ガス(富山市)=機器別料金で利用促進 老後の生活も快適に
業界リーダーが語る成長戦略
・北ガスジェネックス・杉岡正三会長=ニーズに即応体制 「ソーシャフル」活動開始
・大丸エナウィン・吉野晃社長=環境商材の訴求強化 浴室・衣類乾燥ガス化提案
東京ガスエネルギー・安岡省会長=電力や生活周り拡充 顧客のベストパートナーに
・東邦液化ガス・石原克典社長=デジタル接点の創出模索 保安と防災余念なく
・堀川産業・堀川雅治社長=暖房割で電化対策 新築割の導入検討
・広島ガスプロパン・泉博之社長=30年ビジョン実行元年 増版へサービス向上
アーカイブ50年史/あの日あの時
・コミュニティーガス事業・協会50年の歩み
・コミュニティーガス協会2020年度事業
・全国コミュニティーガス事業マップ 都道府県別現勢