プロパン・ブタンニュース 3425号
総合版
- 6月サウジCP、プロパン35ドル高の530ドルに 原油価格上昇など影響
- シナネンHD、今年度の重点施策に「グループの連携推進」収益拡大と効率化追求へ
首都圏版
- TOKAI東京本社、予約制でサマーフェア開催 37会場で関東に加え西日本でも
- <賢者の英断>ある地場卸の決断③、契約は飛躍のスタート地点
地方版
- 北海道=事業環境変化に対応 道協地方支部で相次ぎ総会
- 東北=5県協が総会 事故撲滅へ保安に重点 山形県協は新会長に金山知裕氏
- 中部=フジプロ(知立市)、2年ぶり春の大感謝祭 コロナ対策し集客分散化
- 近畿・四国=<なにわ短信>価値というもの
- 中国=コミュニティーガス協会中国支部総会、安定供給と保安軸に
住設・新技術
- 岩谷産業、冷凍食品の一般向け販売に参入 まずカット野菜3種
- パナソニック、マルチ通信の企画拡充 sXGPシステムを追加
- 富士工器、容器・バルク値上げへ 7月出荷分から約10%
<特集>大阪支社開設65周年 別建て9~18面
9面 持続可能な未来に向けて
石油化学新聞社大阪支社は今年、開設65周年を迎えた。業界草創期からプロパン・ブタンニュースを通じ近畿・四国業界とともに歩み、市場の変遷を報道し続けてきた。今、LPガス業界は人口減や脱炭素の流れによりかつてない厳しい状況にある。だが長年培った地域とのつながりを生かして現状打開に挑む事業者は近畿・四国地区に大勢いる。歴史の荒波を乗り越えてきたLPガス事業者が知恵と勇気を発揮すれば必ず新たな展望を切り開き、持続可能な経営が生まれるはずだ。本特集は現場報道の立場から、未来を切り開こうとする事業者の姿をさまざまな角度から取材した。
地域と生きる事業者
「鞍馬炭」復興を支援
茶炭生み出し全国に
東山 京都市
牛若丸が天狗を相手に剣術に励んだ山里の鞍馬。その名を冠した「鞍馬炭」の復興に取り組む人々を東山(西村隆一郎社長)は支援している。鞍馬からさらに峠を越えた広河原を拠点に炭を焼く「広河原薪炭再生集団」を訪ねた。 京都市左京区の広河原は区内にある京阪電車のターミナル、出町柳駅から路線バスで約2時間の山深い土地だ。古来、林業が盛んで集落中に炭焼き小屋があり、焼き上げた炭は鞍馬に運び京都の町に出荷した。だがエネルギー転換で20年前に伝統が途絶えてしまう。危機感を持った5人が立ち上がり、広河原再生集団を結成した。
古民家再生 街おこし
若手経営者組合を結成 事業創成を促進
南紀ガス 田辺市
「街が栄えないとエネルギー事業者は栄えない」。南紀ガス(鈴木慎次社長)の鈴木大輔専務(39)はこう強調する。同世代の異業種と連携し古民家を再生。地域住民と観光客の交流の場をテーマに「始まりの場所」を意味するゲストハウスとカフェバーを設けた。新型コロナウイルス感染症により環境が大きく変わったが、設立時の理念を忘れず地域の活性化に奔走している。
10面 「人財」育成 余念なく
LPガスは品質規格が定められ保安規制があるために、ともすると消費者によっては「どこで買っても同じ」と言われてしまうこともある。そのため差を生むのが「誰から買うか」という価値判断だ。人手不足への対応、上司と部下の人間関係を含めた社員教育、ダイバーシティー(多様性の確保)の実現、働き方改革への取り組みは地域を越えた事業者共通の悩みでもある。人材を「人財」に変えるべく取り組む事例を紹介する。
・上原成商事=総合営業職女性第1号の道家氏、「ありがとう」にやりがい
・南紀プロパンガス=マンパワーで地域貢献 熟練の技を次代へ新卒採用を再開
・加藤商会=販路開き商圏を拡充 営業部松田氏、部下に経験・ノウハウ伝授
・フジタグループ=自分重んじ他者大切に 多様性尊重 管理職の4割超が女性
11面 ウィズコロナ虎の巻/接点活動の未来探る
「顔の見えるお付き合い」や「勝手口から入れる関係」がLPガス業界の強みと言われてきた。だが、新型コロナの流行により従来通りのイベントや営業活動は困難になった。事業者は工夫を重ね、試行錯誤しながら突破口を見いだそうとしている。ドライブスルー販売やデジタルマーケティングなどコロナ下の接点活動の可能性を探る。
・井本産業(南あわじ市)=飲食業をサポート 地域で存在感強く
・クサネン(草津市)=ウェブ対応が奏功 機器販売の伸び継続
・中島商事(東近江市)=ドライブスルーで進化 燃料先売り好評
・マインドガス(高知市)=新企画続々 モテる会社目指す
12-13面 サービス拡充 本業核に次代開く
10社トップが戦略語る
LPガス業界はエネルギー供給を通じ、地域社会の産業と生活を支えてきた。近年はエネルギーの垣根を越えた電力販売や都市ガスショップ運営、住生活関連のリフォームから宅配水まで業界が扱う商品とサービスは幅広い。本業を核に得意分野を伸ばして新時代に立ち向かう10社のトップに戦略を聞いた。
・伊丹産業(伊丹市)=信頼ベースに機器拡販
・キョウプロ(京都市)=ビジネスモデルを変革
・イワタニ近畿(大阪市)=水素化見据えFC普及
・福井商会(奈良市)=認定生かし営業圏拡大
・エネアーク関西(大阪市)=顧客満足度向上へ全力
・大丸エナウィン(大阪市)=住宅全般のニーズ充足
・四国岩谷産業(高松市)=IGWで付加価値高く
・宮崎商事(徳島市)=暮らし支え地元に活力
・エナジー・ワン(松山市)=業界一の清潔感めざす
・朝日ガスホールディングス(新居浜市)=新築宅向け料金を提案
14面 近畿・四国LPガス消費実勢マップ(2021年3月単月)
15面 近畿・四国業界で提案に拍車
体育館GHP標準化へ
分散型エネ本領発揮 箕面嚆矢に機運拡大
市町村で採用続々 泉佐野、3年で18校に 和歌山は17校中7校で完了
LPガスで強靭化 各県の動き全国に
2018年、大阪府箕面市の小中学校全20校の体育館にLPガス仕様GHPと非常用発電機が導入されたのを契機に体育館空調の必要性とLPガスの利点が再認識され、有事を見据えて体育館の環境を整備する動きが全国に波及した。折しも箕面市では導入直後に西日本豪雨水害や台風災害が発生。避難所として機能したほか、猛暑対策として効果を上げた。コロナ下で避難所の環境が改めて問われるなか、近畿・四国の動きを再確認する。
17面 アイデア光る個性派販売店
LPガス業界の最前線で顧客との接点を支える販売店。大企業にないフットワークの軽さや地域との濃密なつながり、アイデアマンの社長による他社にない切り口などキラリと光る事業者は各地に存在する。本企画は大阪支社の記者たちが日々の取材で出会った個性派販売店に登場を願う。LPガス業界の活力の源泉は販売店にこそあるはずだ。
・油藤商事(滋賀県豊郷町)=バイオ油を生産販売 「環境」背景にフル稼働
・鈴木住宅設備(四国中央市)=SNSでファン作り LPガスや機器訴求
・エルピー(甲賀市)=災対バルクで地域貢献 衣類乾燥機の標準化に挑戦
・和田プロパン(高松市)=美容・健康商品切り口にライフスタイル提案