プロパン・ブタンニュース 3457号
総合面
中間報告、市場縮小リスクに対応
全国LPガス協会(秋元耕一郎会長)は18日、オンラインを利用して記者会見を開き、全L協LPガスカーボンニュートラル対応検討会(座長=赤松幸雄・香川県LPガス協会会長)が12月24日にまとめた中間報告を説明した。報告全体を通し、グリーンLPガスの開発には時間がかかる見込みで、その間に競合エネルギーや電源の脱炭素化、エネルギー全体の電化動向次第ではLPガス市場が大幅に縮小あるいは消滅するリスクもあるという問題意識に貫かれている。まとめでは、2030年までの移行期に「エコジョーズやエネファームや燃転の省エネ機器拡販等で、需要を守り、太陽光・蓄電池普及、ハイブリッド給湯器の普及等、リフォーム事業、電力販売事業、都市ガス事業へ進出し、総合エネルギー企業としてオール電化の流れを防ぐことが必要である」と訴えた。
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オリジナル重視の紙面づくり 新常態に向けた対応強化
依然とコロナ禍で先が見えないなか、本紙は徹底した感染予防対策のもと、国民生活に不可欠な生活インフラの一翼を担うLPガス産業、止まることのできない販売事業者の〝今〟を追い続けます。記者の足による従来からの物理的な取材に加え、ウェブを介したデジタル取材とアナログ・デジタル両面で現場に密着した報道に徹します。
困難な状況にあっても、時代の流れは止まりません。エネルギー自由化の波が拡大する一方、政府が打ち出したカーボンニュートラル(CN)政策により炭素系エネルギーを供給するLPガス産業もこの激流を泳ぎ切るために大きな変革を余儀なくされています。LPガス元売5社によって設立された「日本グリーンLPガス推進協議会」はグリーンLPガスの開発に着手、民間個々の取り組みでもバイオ由来LPガスの開発、CO2排出権付与などのカーボンオフセットLPガスの輸入もスタートしており、リテール分野でもこれらの採用、CO排出削減に向けた省エネ機器普及の取り組みも加速しています。
さらに次世代技術の取り込みも急務で、コロナ禍で加速するDXへの対応、特に次世代集中監視の旗手となっているLPWA(省電力広域)による自動検針・集中監視の普及は急加速しています。毎日検針で取得したデータを元に配送最適化システムの構築、ウェブ検針や顧客ポータルの構築によるペーパーレス化など、従来の業務フローを省力化・デジタル化する潮流は、LPガス事業者の事業発展のためにも重要事項となっています。
これら山積する課題や氾濫する情報を、LPガス事業者は足を止めずに取捨選択に向け相対しなければなりません。本紙はガス体エネルギー専門紙で唯一の全国を網羅する支社・支局のネットワークをフルに活用し、あふれる情報や課題を精査、詳しく解説し紙面でお届けするとともに、現場で生まれる課題の解決に役立つ〝知の集約〟に貢献する役割を果たしていきます。
■オリジナル重視の紙面づくり
本紙の強みである全国を網羅する東京本社、大阪支社、札幌・仙台・名古屋・広島・福岡の各支局ネットワーク・機動力を生かし、現場の〝今〟を正確かつタイムリーに報道、地域で発生した情報や事象をいち早く反映させた紙面作りに止まらず、問題提起を含め読者のソリューションに寄与する独自の紙面を目指します。
また、独自取材の記事を充実させ、現場の声を丁寧に反映させていきます。本紙の強みの一つは、全国ネットワークを駆使した災害報道であり、〝災害にも強いLPガス〟を広報面から支援するための紙面作りに尽力します。自然災害のみならず、コロナ禍でもたくましく前に進むLPガスの最前線を伝えます。
本紙のもう一つの特徴は、テーマやジャンルごとの特集紙面や有益な情報媒介の役割も果たす多彩な広告です。販売事業者の商売に役立つ、異業種を含めた広告紙面は、商売の拡充へのヒントも含んでいます。
広くLPガス業界のソリューションに貢献するメディアとしての役割を、さらに強化していきますのでご期待下さい。 好評の全国MAP(本紙付録)、別冊特大号(夏・冬、雑誌)に加え、定番の紙面特集、新規特集を通じて販売事業者へのヒントを提供していきます。
■新常態に向けた対応強化 コロナ禍がもたらした新常態に対応するべく、ウェブセミナーに対応するプラットフォームを構築するとともに、コロナ収束を視野に、デジタル・アナログ双方に対応した新たなセミナーを企画します。新事業や基盤強化に役立つマッチングセミナー、LPガス事業者でのカーボンニュートラル対応に寄与できる総合セミナーを企画するとともに、支社・支局の地域性やアナ・デジ双方に対応するタイムリーなセミナーも企画していきます。
また、テレワーク対応や情報の迅速な伝達を目的に、紙媒体の紙面に加え、電子版週刊プロパン・ブタンニュースの提供もスタートしました。時間や場所に捉われず本紙の情報を見ることが可能になりました。ぜひとも、ご利用下さい。
■今期事業
出版事業では好評の「LPガス資料年報vol・57(2022年版)」「GAS21(GHPとコージェネの本)vol・21」など定期刊行物を発行するとともに、当社として60周年を迎える海外事業ではコロナの状況を視野に入れながら、世界LPガス協会主催の世界LPガスフォーラム・ニューデリー大会への視察団派遣も検討していきます。
また、当社創業者である故・成冨健一郎のお別れの会を5月13日(金)に都内ホテルで開催する予定です。
首都圏版
特価で需要深掘り
ミライフ(本社・東京、塚越二喜男社長)は8~9日、水回りリフォーム専門のショールーム4店で新春イベントを同時開催した。所沢はオープン1周年記念祭、他の3店は開運初売りリフォーム祭として企画。3~7割引の特価品をセット販売などで訴求し、巣ごもりや在宅勤務で高まる住宅リフォーム需要の掘り起こしを図るとともに、リフォーム需要の地域特性を分析する材料とする。
越谷市の越谷ショールーム店(鹿野公亨店長)は併設のリテール「越谷店」と一体的に運営。システムキッチンやシステムバス、トイレ、洗面化粧台などメーカー10社から選りすぐりの計24台を一堂に揃え、使い勝手を比較できる。鹿野店長を含め営業5人体制でヒアリングから施工管理まで一貫対応し、工事費込みの明瞭価格と短納期、充実したアフター対応と工事保証を約束する。
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地方版
札幌の焼肉チェーン本社に
いちたかガスワン(本社・札幌市、佐藤勝治社長)は、北海道初となるカーボンオフセットLPガスの供給を11日から開始した。札幌を中心に焼き肉店を展開する梨湖フーズ(木勉社長)の本社ビル(札幌市豊平区)に第1弾として供給するもので、年間のCO2排出量10・1㌧が削減できる見込みだ。
1月の検針分から供給を開始した。海外の温室効果ガス排出権の一つのボランタリークレジットを活用したカーボンオフセットLPガスを供給する。本社ビルは、年間約1530立方㍍のLPガスを消費しているが、すべてこのカーボンオフセットガスに置き換わる。
常磐共同ガス(本社・いわき市、小野寺智勇社長)は11日、小名浜港とその周辺で地域インフラとして水素を利活用するシステムが実装できるのかの実現可能性調査を今月から来年2月まで行うと発表した。
国のグリーン成長戦略の実現に向けた技術開発や実証、実装を支援する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査事業「福島県小名浜港の大規模受入基地の基本検討及び利活用トータルシステムの実現可能性検討調査」の公募採択を受けて行う。
カーボンニュートラル(CN)への取り組みを産業の成長につなげるグリーン成長戦略では、港湾部でのCNへの取り組みが項目の一つに挙がっている。先行モデル地域をつくり、それを全国の港湾に広める計画で、小名浜港は全国6カ所の先行モデル地域の一つ。
エネ事業を太陽光軸に総合化
マルエイ(本社・岐阜市、澤田栄一社長)は今年も攻めの経営を貫く。「エネルギーはLPガス、太陽光発電、電気とすべてができる体制に持っていく」(澤田社長)構想を推進して積極的に事業拡大を図り、なかでも太陽光発電に注力する。9月には本
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リハビリ型デイサービス開所
大和協同ガス(本社・奈良県広陵町、阪本正人社長)は2月1日、同町大塚にリハビリ型デイサービス事業所「リハプライド広陵」を開設する。内覧会を1月13〜14日に実施し、ケアマネージャーや一般消費者を含めて48人が施設を見学した。新たに介護事業に乗り出し、LPガス、宅配水「ウォーターネット」に次ぐ地域貢献事業として注力していく。
地域貢献に拍車
阪本社長は介護事業について「女性の平均寿命は84歳、男性が79歳で人生100年時代と言われる今、私自身も人生の計画を立てる際に将来を楽しく過ごすため『健康』が一番大事と強く感じる」と話す。地域貢献の新事業を模索したところ、リハプライドで全国200店舗を展開するリハコンテンツ(本社・千葉県船橋市、山下哲司社長)に出合った。
エネや衣食住関連も
愛媛県のLPガス販売事業者有志5社は11日、南海放送でラジオ番組「ガスラジ!」の放送を開始した。番組ではLPガスのPRにとどまらず衣食住にかかわることすべてを採り上げ、幅広い年齢層に情報を発信する。
番組に協賛する有志はエナジー・ワン、フクセン、向井燃料、門田ガス、白石一商会の5社。放送は毎週火曜日午後9時から30分間。前半の約20分を向井燃料の向井佑輔社長が1人でパーソナリティーを務める。後半の10分間は四国で活躍するユーチューバー「シコクパンク」と進行する。番組のサブタイトルは「キニナルラジオ」で、向井社長が身の回りの気になる話題や疑問、暮らしに役立つ情報を抜粋して発信する。
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住設・新技術
「グッとびく ん・M」内蔵 易施工で安定通信
東洋ガスメーター(本社・射水市、水越靖社長)は8日、同社が販売中のLPガス用超音波式ガスメーター(E型保安ガスメーター)への一体化が可能なIoT対応NCU「TR―LT1」を発売した。NTTテレコンの通信ボード「グッとびくん・M」を内蔵したもので、2019年5月発売のソフトバンク対応モデル(同LS1)に続きラインアップを拡充した。
TR―LT1はドコモ携帯網とセンターシステムを使用し、IoT機器向け無線通信規格「カテゴリーM1」によるLTEネットワークで全国を網羅する。独自の設置構造( 実用新案・登録済み)で電波の放射エリアが向上、従来機種より安定した通信が可能になった。
AZスカイプラットフォームでCN支援PF実現
パーパス(本社・富士市、木裕三社長)は、次世代化に向けたソリューションとして提案する「AZスカイプラットフォーム(AZSPF)」の新機能として、LPWAの毎日検針データにAIエンジンを活用し配送最適化を実現する「AI最適配車サービス」、より詳細な軒先情報照会で最適な配送を実現する「スマホ配送システム」など、LPガス物流プラットフォームを今春リリースする。これら物流系新機能を通じてLPガスのカーボンニュートラルを物流面で支援するグリーン・デジタルプラットフォーム実現を目指す。
LPガス物流PFは、将来の拡張性とコスト効果を勘案、「ルート配送」→「LPWAデータ活用」→「チーム制配送計画」→「全数交換」と最適な物流コスト低減を段階的に提案していく。