プロパン・ブタンニュース

総合面

ガス機器の12月生産が大幅減 経済産業省がまとめ

コロナ禍の部品調達難が影響

経済産業省がまとめた2021年12月の暖房・調理装置の実数表で、ガス機器の生産・出荷が大幅に減少した。「ガス温水給湯暖房機・風呂がま」の生産は前年同月比37・2%減、「ガス湯沸器」は同23・7%減、「ガスこんろ」は同23・6%減だった。昨秋から続く品不足の影響が数字に表れた。機器メーカー各社で、品不足の要因の一つである関連部品の調達ソースを拡大するなど増産に努めているが、特に給湯器関連は納期回答ができず2~3カ月待ちの状態が続いている。

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2020年の出火原因で「こんろ」が3番目(消防白書) 

失火抑制へ啓蒙徹底

総務省消防庁は1月18日、「2021年版消防白書」を公表した。出火は減少傾向にあるが住宅火災死者数(放火自殺者など除く)は横ばい。原因で3番目に「こんろ」が多くなっており、取り扱い業界として注視すべきだ。
こんろによる火災の損害状況(各年中)
白書によると、10年以降の出火件数は、おおむね減少傾向となっている。20年の出火件数は、3万4691件で10年の出火件数4万6620件の74・4%。死者数も減少傾向にあり、20年中の死者数は、1 3 2 6 人(対前年比160人減、同10・8%減)で、10年の1738人の76・3%となった。

<賢者の英断>理想の事業継承を目指して fundbookの挑戦

未来をともに考える 会社の歴史を理解し尊重

「M&Aや事業承継は、企業を存続させていくための手段で、選択肢の一つに過ぎません。今や事業承継はネガティブなものではなく、それそのものが、わが国の産業構造を支える重要な役割を担っており、あらゆる企業にとって他人事ではない問題です。私たちは、理想の事業承継をカタチにする。譲渡する企業と譲受する企業、双方にとってベストな英断が何かをとことん考える。企業にとっての未来を一緒に考えていくパートナーでありたいと考えています」(渡邊和久・fundbook業界再編戦略本部ディレクター)

首都圏版

コバプロ(横浜市)、検針票のお知らせをSMSで送信へ 

コスト減、情報に幅

小林健一社長

コバプロ(本社・横浜市、小林健一社長)は、顧客に毎月発送する「ガス使用量のお知らせ」をショートメッセージサービス(SMS)での送信に順次切り替える方針を決めた。従来は圧着はがきやメールで周知してきたが、今後はFunFusion(同・東京、林和之社長)が提供するSMSサービス「fonfunSMS」を利用して検針票を送信する。
SMSはメールよりも高い到達率と開封率が強み。加えて、コスト削減と効率化も期待できる。「1通送るのに、圧着はがきだと、はがき代63円とプライバシー保護シール代が11円必要。SMSなら15円で済む。発送作業も、従来は4人日かかったものが送信ボタンを押すだけで完了する」と小林社長は説明する。

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地方版

北海道=道協胆振支部、地震や噴火に備え災害対策が着実に進展

保安委員拡充し体制強化

前田智宏・道協胆振支部保安委員長

北海道LPガス協会胆振支部(濱中實支部長)の災害対策が着々と進んでいる。4年前に発生した北海道胆振東部地震を契機とし、緊急連絡網の再整備や災害時の集合場所の確認など、災害への対応力を高めようと支部の保安委員会(前田智宏委員長)が中心となり、支部全体を牽引する。
災対力強化を急ぐ背景には今後発生する確率が高いとされる日本海溝地震がある。発生した場合、室蘭、苫小牧、登別、伊達の各市をはじめ支部の大半の自治体が太平洋に面しており、甚大な津波被害が予想されているためだ。
2020年度には地震を含めあらゆる災害に備えて、保安委員を倍の10人に増員したほか、8月には緊急時の集合場所として室蘭、苫小牧、伊達、白老にある卸・販売事業者の本支店敷地5カ所を集合場所と決めた。災害発生時の応援ルートの確保にも動いており、過去の災害を参照しながら検討を重ねる。

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東北=八戸液化、キクラゲ栽培を拡大 

4倍増産で販売も

七戸営業所横の太陽光発電施設の一角で取り組むキクラゲ栽培。パネル下に棚を組み立て菌床を並べた(昨年6月撮影)

八戸液化ガス(本社・八戸市、平野薫社長)は新規事業開発を目指して昨年、太陽光発電パネル下でのキクラゲの実証栽培に挑戦した。その結果、目標を上回る収穫量を得てパネル下栽培が可能なことが分かったため、今年は栽培規模を4倍に拡大するとともに、商品化と販売にも取り組む。
事業多角化を目指す同社は、農業分野にビジネス開拓余地があると見込み、また、自社の太陽光発電施設を有効活動できるとも考え、パネル下でのキクラゲ栽培に取り組んだ。七戸町の七戸営業所横の太陽光発電施設の一角で行った。パネルの下に菌床を並べる棚や散水設備などを設け、242の菌床を育てた。6~10月の間に一つの菌床から複数回収穫し、計274㌔㌘を収穫した。目標としていた242㌔㌘を超えることができた。

中部=ミライフ西日本金沢支店、電力とリフォームをアピール

民放TV番組で

石川テレビの生活情報番組「みるこっちゃ」に出演した泉俊祐氏(右)と辻村元司氏。1月26日に収録、31日に放送された

ミライフ西日本金沢支店(輪木正明支店長)は、1月31日に放送された石川テレビの生活情報番組「みるこっちゃ」(放送時間=10時50分~10時55分、放送エリア=石川・富山・福井県)に出演し、現在キャンペーンを展開中のミライフでんきを紹介したほか、リフォームを提案した。
番組はリポーターの柴田夢叶さんの問いかけに答えるかたちで、金沢店の泉俊祐氏がミライフでんきの①契約期間の縛りなし②解約金なし③保証金なし④全く電気を使用しなかった月の電気料金はゼロ円―といった四つの魅力を紹介。パネルで金沢卸担当の辻村元司氏がPRした。

近畿・四国=油藤商事(滋賀県豊郷町)、独自のSDGs推進 

障害者雇用で三方よし

障害者を雇用するSSは廃食油の回収拠点でもある

油藤商事(本社・滋賀県豊郷町、青山裕史
社長)は「中小企業にしかできないSDG
s」を推進している。イノベーションと地域
貢献に加え、障害者雇用で地域の人材を育成
する。
SSとLPガスが柱の同社は廃食油リサイクルのスキームを構築、バイオディーゼル燃料(BDF)を製造販売し環境対策や地域社会との共生を進めてきた。初めてSDGsを知った時、青山社長は「当社がやってきたことと同じ」と感じた。国連が掲げる17目標に対し中小企業ができることは何か。青山社長は三つの方向性をまとめた。

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九州=福岡県立の特別支援学校3校にGHP

他6校の体育館へも導入が決まる

福岡県立特別支援学校3校の体育館にLPガス仕様の電源自立型GHPと災害対応バルクの設置が決まった。県立学校体育館へのLPガス空調設置は福岡県では初の事例で、県内各市町村への波及に期待がかかる。
導入を決めたのは、いずれも福岡県立の福岡特別支援学校(新宮町)、大宰府特別支援学校(太宰府市)、田主丸特別支援学校(久留米市)の3校で、2021年度予算に基づき既に着工済み。ただしコロナ禍の影響で製品供給に遅滞が生じている関係で、現在のところGHPの納期が見通せない状況という。

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住設・新技術

21年のバルク生産9%増の1万5391基 

容器は188万本に迫る

2021年のバルク貯槽・LPガス溶接容器の生産は、バルクが前年比9・3%増の1万5391基、LPガス容器が同3・2%増の187万9021本、自動車用容器が同3%増の9184本だった。日本溶接容器工業会(野村實也会長)が生産実績をまとめた。
バルク20年告示検査に伴うリプレース需要の増加を受けバルク、容器ともに堅調な生産を維持している。

藤井合金、業界とともに1世紀 

安全・安心高度化余念なく

1960年当時の機械工場

大正~昭和初期のガス栓

藤井合金製作所(本社・京都市)は14日、創業100周年を迎えた。1922年の創業以来、ガス業界とともに歩んだ同社の歴史はガス栓の進化の歴史でもある。安全と品質を何より重視し、画期的な商品を世に送り出した同社。今後はガス栓だけでなく温水コンセントなど湯回り商品の拡大も図る。老舗企業の4代目社長、藤井康孝氏に節目の想いと将来の展望を聞いた。
ガス栓提供ひと筋
康孝社長の祖父に当たる創業者の藤三郎氏は1896年、兄の彦次郎氏とともに、叔父が営む東京のガス器具メーカーで修業。7年後に京都に帰り2人でニビー商会を設立した。1922年に独立、個人で藤井製作所を起こしガス栓を製造したのが始まりだった。その後、藤三郎氏の長男、利雄氏(後の2代目社長)も加わり、事業を大いに発展させた。
藤三郎氏の次男、康孝社長の叔父である良雄会長は3代目社長として39年間指揮を執った。良雄氏は「注意すべきは製品事故。材料や使用環境を考えねば良いガス栓は作れない」と強調する。

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