プロパン・ブタンニュース

総合面

宮城・福島で震度6強 

LPガス被害は漏洩やメーター遮断も

仙台駅17日午前。運転再開の目途立たないないことが伝えらえた

16日午後11時36分、宮城県と福島県で震度6強を観測するマグニチュード7・3の地震があった。本紙取材によると、宮城県LPガス協会には17日午前10時時点でガス漏れが1件、設備の改善が必要な消費先が複数件報告された。いずれも復旧済。福島県LPガス協会には、同時点で容器転倒やガスメーター遮断の報告が入った。日本コミュニティーガス協会東北支部には、ガス臭がするが水道が破損し水浸しになっているため点検できず仮設供給している団地が宮城県内に1件あるとの報告があった。

安全高度化計画2030、1年目は死亡事故1件 

傷害事故20件で目標を達成 LPガス小委、さらなる低減へ

産業構造審議会LPガス小委員会(委員長=大谷英雄・横浜国立大学名誉教授)は14日に第16回会合を開き、2021年4月開始の保安対策指針「LPガス安全高度化計画2030」の進捗など確認した。計画1年目の21年は、1月に秋田県で死亡事故1件が発生し、単年目標の「0件」は達成できなかったが、目標「25件未満」だった傷害事故は20件に抑えたことを確認、さらなる低減を求めた。LPガス販売事業や保安機関に関わる事務権限を、都道府県から政令指定都市に委譲する法改正についても取り上げ、円滑な移行へ議論を交わした。

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首都圏版

東計会、「IoT—R」で合理化

 ‶最後の砦〟構築へ全力

東洋計器(本社・松本市、土田泰正社長)は14日、オンライン配信で「第40回東計会」を開いた。土田泰秀代表取締役会長と土田社長が「DXbySmartMeter&IoT―R」と題し研究報告を行った。LPWA端末「IoT―R」と併せて検針業務や代金回収業務の電子化がもたらす経営効果、環境効果を紹介。LPガスこそ「S(安全性)+3E(供給安定性、環境評価、経済性)」の条件に適合したエネルギーだとして灯油燃転や太陽光とのセット提案を呼びかけた。全国から約2400人が聴講した。

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ウクライナを救え! 丸江(小田原市)

全社挙げ募金開始

丸江(本社・小田原市、江島賢社長)は10日、楽天グループが行う「ウクライナ人道危機緊急支援募金」への寄付を決定したと発表した。社員からも寄付を募り、全社一丸で支援する。猪瀬慎一副社長は決定理由について「ウクライナ情勢はLPガス業界にも影響がある。だが、それ以上に、報道などを見てウクライナの人々の安全を憂い、何かできないかと考えた」と語った。1日に募金について社内で検討し実行を決め、すぐに募金箱を本社や営業所などに設置。11日まで寄付を募った。

地方版

北海道=田原燃料(苫小牧市)、顧客と地域保全に全力 高齢者増にも対応

「取説」解説文も

創業54年目の田原燃料。地域見守りに余念がない 田原浩平社長

「顧客を守っていく」。苫小牧市に店舗を構える田原燃料の田原浩平社長はこう言い切る。2020年11月に大手卸事業者を退職し3代目として事業を継承、苫小牧西部を中心とした商圏の保全に全力を挙げる。
苫小牧は、JR苫小牧駅近くにある王子製紙の工場を境に東西に分けられる。田原燃料が立地する青葉町を含む西部は戸建て中心の閑静な住宅街。製紙工場から見て札幌方面に向かって広がる東部は自動車メーカーの大規模部品工場などの労働者を中心に年々人口が増えており、賑わう地区と言える。

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東北=福島原発事故避難区域で51から19に減少 

LPガス事業者 6割が廃業

東京電力福島第一原発事故が発生した2011年、避難区域から51のLPガス事業所が避難を余儀なくされた。帰還が進むものの今はその6割が廃業し、エリア内の販売所は19事業所となっている。事業実態がなくても販売登録を残す店舗が多かったが、この1~2年で返納する事業所が増えた。

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近畿・四国=貝塚市、電源自立型LPガスGHPを導入

全11小学校体育館に

貝塚市(酒井了市長)は全11校ある市立小学校の体育館にLPガス仕様の電源自立型GHPを導入した。普通教室は都市ガスと電気の空調を使用しているが、災害対応力や供給体制を評価しLPガス熱源の空調システムを採用した。4月から本格運用するが、今年度の卒業式でも使用する方針。市は来年度、五つある中学校体育館にも小学校と同様にLPガス仕様の空調を整備する。

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中国=大和マルヰガス(岡山市)、分計でリーズナブルに

暖房需要を開拓

ガス暖房プランを提案するチラシ

大和マルヰガス(本社・岡山市、山本敬史社長)は昨年10月から分計システム「ガス暖房プラン」を提案し、ガスファンヒーターの拡販とガスの増量を図っている。暖房だけで昨年12月は16㌧、1月は18㌧増量した。
同システムは東洋ガスメーターの分計メーターとL P W A(省電力広域)通信端末、パーパスのクラウドソフト、イワタニテレセーフセンターを活用し、暖房に使用するLPガスと灯油の光熱費を比較シミュレーションする。
分計メーターの連続使用カウンター(C3)を活用、暖房にかかるガスの使用量に応じてガス代を値引きし、灯油からの燃転を促す。

九州=小水力発電、1号機を月内稼働 

「みずいろ電力」(日置市) 650戸分を発電

正式稼働に先立ち8日に試運転を行った。写真上部が発電所の心臓部分に当たるペルトン水車 泊野川の川岸に設けた取水設備

 

 

太陽ガス(本社・日置市、小平昇平社長)、日本ガス(同・鹿児島市、津曲貞利社長)など南九州エリアの4社が出資する小水力発電会社、みずいろ電力(同・日置市、小平竜平社長)が鹿児島県さつま町に建設していた泊野川水力発電所が8日、試運転を行った。今月末の営業運転、売電開始を目指す。
第1号となる同発電所は総事業費約8億円を投じ2020年に着工。鹿児島県の地域特性を生かした再生可能エネルギー事業を支援する「かごしまグリーンファンド」を活用した。最大出力は503㌔㍗で、最大流量毎秒0・605立方㍍、有効落差105・45㍍の泊野川の清流を利用し発電する。年間発電量は一般家庭約650世帯分を賄う240万㌔㍗時で、年間売電収入は約7千万円を見込む。心臓部分に当たる水車はオーストリアWWS社製のペルトン式を採用した。

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住設・新技術

東西商事、ガソリン併燃の3KVA発電機を発売

自社ブランド始動

Vectorシリーズ第1弾として発売したLPガスハイブリッド発電機「3500α」

東西商事(本社・東京、廣比公一社長)はLPガス発電機の自社ブランド「V
ector(ベクター)」シリーズを立ち上げ、その第1弾として3㌔㌾㌂出力
のLPガスハイブリッド発電機「3500α」を2月に発売した。インバーター
搭載で安定した高品質な電力を供給し、単相で100㌾と200㌾の同時取り出
しが可能。価格を抑え、公共施設だけでなく中小企業や民生用途でも使いやすい
発電機を目指した。初年度200台、3年後に500台の販売を計画する。
3500αはLPガスとガソリンのいずれでも運転可能だが(同時使用不可)、常用の軒下在庫があり、長期保管に優れたLPガスの優先使用を推奨する。ホースからのワンタッチ接続でガスを供給し、操作容易なセルスターター式で稼働。建物分電盤に接続すればエアコンや照明、精密機械などをそのまま使用できる。使用量や稼働時間、負荷などの出力状態はモニターに表示される。

カセットこんろを防災備品に 

東京ガス都市生活研が在宅避難生活想定し食卓再現

カセットこんろを使って非常食の調理やガス消費量の調査を行った

東京ガス都市生活研究所は2月、2021年に行った「災害の備えに関する調査」と「防災食に関する調理実験の結果」を同社暮らし情報サイト「ウチコト」で公表した。同研究所は在宅避難に着目し、災害に対して生活者がどのような備えをしているか1都3県の居住者を対象に調査した。実験を通じ、4人家族が1週間の在宅避難を行う場合、カセットボンベが最低でも5本は必要だとの算定結果を明らかにした。
災害の備えに関する調査では、防災情報を日常的に入手している人は24%、情報は得ているが実践できていない人が40%を占めた。在宅避難時の不安として挙がったのは「トイレ機能停止」47%、次いで「ライフライン停止」43%だった。

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GHPとコ・ジェネ版

GHPとコージェネ補助事業の積極活用を 

公募開始 災対や省エネ貢献へ

GHPやコージェネの導入を支援する各省の補助事業が始まる。経済産業省のバルク補助は、2021年度補正と22年度当初予算を増額し、補正分に関しては既に公募を開始した。医療・福祉施設については地域要件をなくすなど利用しやすくなっており、関連機器の提案に弾みがつきそうだ。同省の省エネ投資促進支援事業も3日から公募を開始した。また、環境省のCO削減やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)関連の支援事業にもGHPやコージェネが対象となるものがある。災害対策や低炭素、脱炭素社会の実現に寄与する事業として、積極的な利用を働きかけたい。

大府市協組 市内4中学校にGHP

啓蒙活動が奏功  全9小学校も予定

愛知県大府市(岡村秀人市長)は2021年1月、市内の市立中学校全4校の体育館と武道場に電源自立型LPガス仕様GHPと災害対応バルクを設置し運用開始した。同年12月には市立小学校4校の体育館へも設置工事を完了、今年1月から稼働開始している。市は21年度中にさらに小学校5校にも設置を予定しているが、GHP導入には地元の販売事業者8社が加盟する大府市プロパンガス協同組合(伊藤賴一理事長=イトープロパン社長)が尽力した。伊藤理事長と、組合理事で元・愛知県LPガス協会中央支部長の鷹羽孝男・鷹羽商店社長にGHP導入のポイントを聞いた。

  • 2月GHP出荷は33.4%増の2210台 部品調達遅れ解消で回復に勢い
<ZEB化政策とGHPの対応>技術顧問・安孫子徹氏、GHP拡大のチャンス

建築物省エネをガスで推進

日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを宣言、30年度までに温室効果ガス排出量を13年度比で46%削減する目標を決定した。これらのことから、これまで主に新築建築物のZEB(ゼブ=ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称)化を推進してきたことに加え、既存建築物の改修工事によるZEB化の推進が目標達成の重要な取組みとして位置づけられた。ガス業界としては、GHP、高効率給湯器、コージェネなどを切り口に、この分野で新たなビジネスチャンスを探りたいところだ。GHPコンソーシアム技術顧問の安孫子徹氏に〝ガスによるZEB化〟の可能性をたずねた。
■ZEB誕生の背景
2016年時点で業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)からのCO排出量は他部門に比べ増加が著しい事由から、徹底的な省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの活用によるCO削減が課題となった。また、国際情勢の変化などによるエネルギー価格の不安定化やエネルギー供給の不安が懸念されており、エネルギー・セキュリティーの観点からも、建築物におけるエネルギー収支の自立が必要と認識されるようになった。

<特集>中国流通マップ 中国地方LPガス充填所、オートスタンド、容器再検査所、生産輸入基地分布図

中国地区でも充填・配送の共同化や集約化、系列グループ内の統合、IoTを活用した効率化実証など、物流改革を進める動きが活発化している。 8~9面

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