総合面
2026年度のLPガス需要見通し エネ調WG
家業用減で1314万トンに 24年度以降微減に
総合資源エネルギー調査会石油市場動向調査ワーキンググループ(座長=橘川武郎・国際大学副学長)は3月30日の第8回会合で、2026年度の国内LPガス総需要(電力除く)を1314万㌧とするなど、石油製品需要想定検討会の策定した22~26年度需要見通し案を了承した。21年度実績見込みは前年度比1・4%減の1260万㌧で底を打ち、23年度には工業用や化学原料用の増加で1333万㌧まで回復。以降は家庭業務用などの減少が響いて微減に転じる見通し。
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「三愛オブリ」始動 新たな事業領域にチャレンジ
生活と産業支える
三愛石油(本社・東京、塚原由紀夫社長)は1日、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランド「Obbli(オブリ)」のもと、新たな事業領域へ挑戦する姿勢を示すため「三愛オブリ(同)」に社名変更した。低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化とともに、新しい事業分野への挑戦を通じ人々の生活と産業を支えるパートナーとなることを目指す。グループの子会社7社も同時に社名変更し、新たなスタートを切った。
同社は1952年、石油製品販売を目的に「三愛石油株式会社」として創業。今年6月で70周年を迎える。祖業の航空燃料取扱事業では、羽田空港において革新的な給油システムを開発。LPガス事業、化学品事業、天然ガス事業もコア事業化し、国内有数のエネルギーサービス企業として存在感を高めてきた。
「エルピオでんき」停止
電力卸価格高騰で調達難
エルピオ(本社・市川市、牛尾健社長)は3月25日、小売電気事業者として提供する「エルピオでんき」のサービス停止をホームページで公表した。同社の電気小売事業はサニックス(同・福岡市)が提供するサニックスでんきをバックボーンにエリアを拡大、直近では12万件に供給していた。電源の大半を卸市場から調達し、JERAとの相対取引が2割程度だったとみられる。電力高騰の影響で電源調達に苦戦したことが事業撤退の原因とエルピオは説明した。
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首都圏版
堀川産業、宇都宮のリフォーム拠点を移転新設
名称も一新で事業強化へ
移転リニューアルした「エネクルエーゼットリフォーム宇都宮」 宇都宮エリアで広く愛されるショップを目指す
堀川産業(本社・草加市、堀川雅治社長)は宇都宮市のミヤプロ支社を移転・名称変更し、「エネクルエーゼットリフォーム宇都宮」としてリニューアルした。ショールームを構えたリフォーム事業の拠点を強化することで、宇都宮市を中心とした近隣エリアでのリフォーム事業を強化していく。
エーゼットリフォームの名称には、「最初から最後まで、小さいものから大きなものまで、リフォームはすべてお任せください」という思いが込められており、ガスだけではなく、暮らしをサポートするさまざまな商品やサービスを取り扱っていく。
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地方版
北海道=道協石狩、雪害防止に全力
今年すでに16件 過去20年で最多に
北海道の今冬は、各地で平年の積雪量を上回る積雪量を観測する異例のシーズンとなった。積雪量の多さとともに雪害由来事故が多発し、石狩地方では3月13日時点で16件の事故が発生した。原因は全件とも雪害で、事故原因として雪害のカウントを始めた2003年以降、最多となっている。
今冬の北海道は昨年12月中旬から本格的な降雪が始まった。今年1月には各地でまとまった降雪量を観測。昨年11月~3月23日の地区別の累積積雪量(札幌管区気象台発表)は札幌市中央区で平年比156%の474㌢㍍を記録したほか、胆振や釧路など各地でも平年比をはるかに上回る積雪量となった。
今年に入り北海道LPガス協会石狩支部に入った事故報告は計16件。すべて雪害由来で、内訳は「落雪」が11件、「積雪荷重」が5件だった。これまでの最多は11年の11件、次いで05、14年の9件と続く。
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中部=井田石油(小浜市)、社名を「井田スクエア」に改称
5つの事業柱に成長
井田石油(本社・小浜市、井田浩志社長)は1日、社名を「井田スクエア」に改称した。未来に向け五つの事業がそれぞれ柱として成長していくことを願い、社名にある「石油」を広場、人が集う場所、人と人がつながる場所の意味を持つ「スクエア」に変更した。
ホームエネルギー(LPガス)、ガソリンスタンド、燃料配送、自動車整備、飲食の五つの事業部を展開してきた。1950年5月の設立以来、地域の人たちとのつながりを大切にしながら事業に勤しんできた。飲食店事業部でコメダ珈琲店を2店運営するなど事業を多角化しているものの、社名に「石油」が入っているためガソリンスタンドのイメージが先行しがちだったことも、改称した理由の一つ。
中部=上野ガス、山林購入
今期13ヘクタール、新部署も視野に
CO2吸収へ
カーボンニュートラル達成に向けたエネルギー政策が加速するなか、上野ガス(本社・伊賀市)の中井茂平社長は本紙の取材に応じ、自社の取り組みや最近の国際情勢について語った。
今期、上野ガス・都市ガス事業の通常業務で発生する年間250㌧のCO吸収を目的に、伊賀市東部で年間100㌧分を吸収する山林を購入する。東京ドームのグランウンド面積の10倍に相当する13万平方㍍の規模で、既に都市ガス事業分の50㌧分の購入を済ませ登記も終えている。
近畿・四国=奈良市協組、市の新斎場にLPガス 灯油計画を逆転
月 6600 立方の需要創造
火葬炉を12基備える奈良市斎苑「旅立ちの杜」
奈良市プロパンガス販売商業協同組合(福井清紀理事長)は、1日から市(仲川げん市長)が供用を開始した市内横井町の新斎苑「旅立ちの杜」での火葬炉燃料にLPガスの供給を開始した。2016年11月の基本計画で燃料は「灯油を採用する」と明記されたが、コスト面でクリアし灯油に勝る環境性を切り口に要望活動を繰り広げ逆転に成功。月間消費量6600立方㍍の需要を創造する大きな成果を上げた。低炭素が叫ばれるなか、他地域への広がりも期待できる導入事例だ。
コストクリアし環境性訴求
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中国=浅野産業、真庭事業所を移転新築
中核充填所で避難所機能も
災対バルクや電源自立型GHPなどを備えた真庭事業所
浅野産業(本社・岡山市、浅野益弘社長)は移転新築工事を進めていた真庭事業所(菅慎司所長)を完成させ3月18日、真庭市の現地で完成披露会を開いた。岡山、倉敷、井原、玉野各事業所に続く同社5カ所目の中核充填所で、事務所棟多目的ホールは真庭市の一時避難所として認定を受けた。完成披露会には河野慶治、小野泰弘両県会議員、太田昇・真庭市長、山眞司・岡山県LPガス協会会長、宮本忠明・アサノ会会長ら来賓のほか取引先関係者約80人が出席した。
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住設・新技術
エナジー・ソリューションズがカツラグループに
株式 75 %を取得 DX事業に拍車
桂精機製作所などカツラグループの持ち株会社KL&SHホールディングス(本社・横浜市、丸茂等社長)は1日、LPガス業界向け基幹システム開発などを手がけるエナジー・ソリューションズ(ES、同、北村豪社長)の株式75%を昨年12月14日に取得し子会社化したと発表した。中核事業のガス供給機事業、熱設備事業と並ぶ柱のDX事業として積極的に推進する。
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- FanFusion、SMSサービスの満足度が高く急速に増える
=特集= 第40回東計会<CN時代を拓く「IoT—R」>
東洋計器(本社・松本市、土田泰正社長)は3月14日、オンラインで「第40回東計会」を配信した。土田泰秀代表取締役会長と土田社長が「DX by SmartMeter&IoT―R」と題して研究報告を行い、LPWA端末「IoT―R」と併せて検針業務や代金回収業務の電子化がもたらす経営効果、環境効果を紹介。LPガスこそエネルギー政策に適合した選択肢だと訴え、灯油燃転や太陽光とのセット提案を呼びかけた。橘川武郎・国際大学副学長による記念講演も注目を集め、全国から2400人余りが聴講した。
DX推進へ 新サービス提供も開始 LPガス業界発展の一翼に
データを7種に活用 効率化図り事業の幅広げる
LPガスは「S+3E」 全国に多くの最後の砦を
特別講演:国際大学副学長・橘川武郎氏=メーター情報、CNや新事業に生かそう