総合面
経済産業省、LPガス事故対応要領を一部改正
A級、B級事故の定義分類で社会的影響度を除外
経済産業省は6月1日付で「LPガス事故対応要領」を一部改正し、LPガス法のA級、B級事故の分類定義から社会的影響度を除外した。
改正前の要領では、主に事故発生時の人的・物的被害の状況に応じてA級、B級、C1級、C2級の4段階に分類し、うちA級については全国放送や全国紙で目安10社以上、B級については同3社以上といった事故報道による社会的影響も分類定義に勘案されていた。今回の改正に伴い、被害状況のみに応じて分類を行うこととなる。
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米国岩谷、米サバーバンと協業
rDME混合LPガスと水素普及へ実証も
サバーバン・プロパン・パートナーズ(本社・米国ニュージャージー州、マイケル・A・スティバラ社長)は、岩谷産業(同・大阪市、東京、間島寬社長)の完全子会社である米国岩谷(同・テキサス州、ジョセフ・カペロ社長)と、再生可能ジメチルエーテル(rDME)を混合したLPガスをはじめとする低炭素代替エネルギーソリューションの普及促進に向けて協力合意した。同時に、米国での水素インフラや水素輸送への投資・開発促進についても協力することで合意した。
<トップインンタビュー>ENEOSグローブ・江澤和彦社長
専門部署設置 CN対応さらに加速
江澤和彦氏
「ひと」 が安全つくる 達成感持てる施策を
4月1日付でENEOSグローブの社長に就任した江澤和彦氏に、カーボンニュートラル(CN)対応や、ENEOS時代の製油所運営で培った「安全とコンプライアンス」の考え方を聞いた。
◇ ◇ ―社長就任の抱負をお願いします。
第4次中期経営計画(2020~22年度)の最終年度であることを意識し、安定供給をベースに、コロナ禍やウクライナ問題を乗り越え、当初の損益目標を上回ることを目指していきたい。
その一方で、CNに対する取り組みを加速する必要があると考えている。他業界では、メタネーションやSAF(持続可能な航空燃料)といった燃料合成技術の検討が進んでいるが、LPガス業界の動きは遅い。当社は、4月1日付で経営企画部にCNを専門に取り組む「カーボンニュートラル推進グループ」を新設した。また、CNLPガスの販売を開始し、取引先より多くの問い合わせをいただいている。既に複数の取引先と契約締結に至っており、世間の関心の高さを改めて感じている。
「第2回無償配管・無償貸与問題懇談会」でLPガス法改正を
振興センター第2回懇談会 事業者3社長が意見
LPガス事業者から関口剛、澤田栄一、渡邉政博の3氏が参加した
LPガス振興センター(岩井清祐理事長)は6月27日、東京・西新橋のAP虎ノ門で「第2回無償配管・無償貸与問題懇談会」を開いた。LPガス事業者社長3人が参加し、橘川武郎・国際大学副学長、長島・大野・常松法律事務所の藤本祐太郎弁護士と現場の実情を踏まえ意見交換した。料金説明を積極的に行っている事業者で裁判となる事例は限定的だが、一部の切り替え業者が残存価格の支払い不要を教唆している可能性を指摘。ガス機器以外の無償貸与についてはLPガス法改正を求める意見が上がった。
- ソフトバンク、自動検針から料金収納など3サービス提供
- 7月CP、プロパン・ブタンともに725ドル 前月比25ドル安
- 日本貿易保険社長・黒田篤郎氏、供給網は効率性から強靭性へ(未来塾例会より)
首都圏版
- TOKAI、CN・省エネ切り口に37会場でサマーフェア展開へ
- 群馬県協、軒先容器の鎖二重掛けの業務受託を予定 価格や時期は精査へ
- <新社長に聞く>サンエキ(厚木市)山口直也氏、暮らしの総合病院 住宅再生メーカーに
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地方版
北海道=北海道ガス、川村新体制が始動
再エネ訴求し課題に挑戦
大槻博会長(左)と川村智郷社長
北海道ガスは6月24日、執行役員でデジタルトランスフォーメーション(DX)・構造改革推進本部長だった川村智郷氏の社長就任に伴い、同日付で会長に就任した大槻博前社長と揃って会見を開いた。14年3カ月ぶりの社長交代に当たり、川村新社長は「身の引き締まる思い」と率直に語った。
6月24日の定時株主総会と取締役会で川村氏の社長就任、大槻博前社長の代表権を持つ会長就任が決まった。川村社長は1969年生まれの53歳。92年の入社以来、一貫して企画畑を歩んできた。21年4月から執行役員に就き、DX・構造改革推進部長を務めていた。
大槻会長からの社長就任要請は、1月にあったといい、「愛着ある故郷である北海道で、地域貢献していきたい」との思いから引き受けたと説明した。
東北=若松ガス、売上高が目標比125%達成
「春の大感謝セール」 3年ぶり 4900 人来場
機器を展示したテント内には10組以上入れないようにした
若松ガス(本社・会津若松市、小山征弘社長)は5月28、29の両日、3年ぶりに本社構内で展示会を行った。両日で約4900人が来場した。5月10日~6月10日の期間で行った「春の大感謝セール」の一環で開催したもので、セールの売上高は目標比125%の4740万円に達した。
同社は春と秋に展示会を行ってきたが、コロナ禍で開けなかった間、特設サイトを約1カ月間設けてウェブセールを行ってきた。ウェブを使った販売に手応えを感じこの4月からは常設オンラインショップを開いている。今回のセールはチラシとこのオンラインショップも活用して展開し、併せてリアル展示会の開催にも踏み切った。
中部=福井ツバメ、対面形式で開催のリフォーム展に大きな反響
衣類乾燥機など人気
ガス衣類乾燥機にも関心が集まった
福井ツバメ商事(本社・福井市、斎藤裕貴社長)は6月19日、福井市のパナソニックショウルーム福井で「リフォーム大相談会」を開いた。完全予約制で2年ぶりの開催となったが、開店1時間で来店目標件数30組の半数近くが訪れ、久しぶりの対面形式での反響は高かった。
相談会では特定キッチンとバスルームを成約した場合の標準装備品のグレードアップ、ビルトイン食器洗い乾燥機、洗面化粧台、洋式トイレの台数限定40~50%オフ販売といった特典を設けて展開。LINEお友達登録者には通常価格から5%引きするクーポンの進呈サービスも実施した。
会場ではガス衣類乾燥機や食器洗い乾燥機、洋式トイレ、エアコン、加湿空気清浄機などに関心が集まった。
- 中部=サーラグループが浜松の市民音楽助成へ サーラホールでの活動に
近畿・四国=甲賀協同ガス、地域貢献活動の一環で「うしかい田んぼアート」に協賛
田植え体験 「富士の湧水」振る舞う
社員家族も田植えを楽しんだ ウオーターサーバーに興味津々の子供たち
甲賀協同ガス(本社・甲賀市、森永浩之社長)は地域貢献活動の一環として、甲賀市水口町の牛飼地区で行われる「うしかい田んぼアート」に協賛した。6月12日に開かれた田植え体験では参加者に宅配水「富士の湧水」を振る舞うとともに、社員家族が田植えを楽しんだ。
- 近畿・四国=全農滋賀、需要創造へ燃転強化 物流アライアンスを模索
中国=広島ガスプロパン、CNLPガスを受入れ
アストモスと契約でまず自社使用から
左から広島ガスプロパンの谷口洋一物流部長、玉森宏取締役常務執行役員、アストモスエネルギーの原啓一執行役員西日本統括支店長、西村俊彦西日本統括支店中国支店長
広島ガスプロパン(本社・広島県海田町、泉博之社長)はアストモスエネルギー(同・東京、小笠原剛社長)と「カーボンニュートラル(CN)LPガスの売買に関する契約」を締結し、5月31日に海田町の広島LPG物流センターでCNLPガスの受け入れを開始した。
今回購入するCNLPガス(年間60㌧)は本社と支社・支店など計6カ所の事務所給湯用、空調用と自社オートガス車に使用するLPガスとして利用される計画で、年間約198㌧のCO2排出量削減に貢献する。
- 中国=島根県協松江支部、支部創立60周年記念行事で出雲市の2次基地を見学
九州=大分県協、LPガスの底力訴求
3年ぶりに地元メディアと懇談
山田会長をはじめ12人が出席した
大分県LPガス協会(山田耕司会長)は6月15日、大分市のレンブラントホテル大分で県内の報道機関代表者との懇談会を開いた。LPガスの特性をメディアに正しく理解してもらうため毎年開いてきたもので、昨年、一昨年はコロナ禍で中止したため3年ぶり7回目の開催となった。
懇談会には、業界から山田会長をはじめ12人が出席。地元メディアから6人が出席した。
- 九州=ダイプロ、CNLPガス販売開始 工業用・業務用に照準
住設・新技術
- 日本住宅リフォーム産業協会、ビジョン達成へ組織強化 質の高いリフォーム提供へ
21年度のガス機器出荷、5%減の2752億2400万円
給湯器が大幅減に(JGKAまとめ)
日本ガス石油機器工業会(JGKA、片岡由好会長)は、2021年度(21年4月~22年3月)のガス・石油機器出荷実績をまとめた。ガス機器の国内出荷金額合計は前年度比5・0%減の2752億2400万円、石油機器は同8・4%減の765億900万円だった。
機器別では、ガスこんろが台数で同6・5%減の279万3千台、金額で同1・2%減の911億1400万円。ガス瞬間湯沸器が台数で同7・9%減の123万1千台、金額で同6・4%減の375億4900万円。ガス温水給湯暖房機が台数で同21・7%減の30万6千台、金額で同21・4%減の282億8700万円。ガス風呂釜が台数で同10・9%減の123万4千台、金額で同5・5%減の849億700万円。エコジョーズが台数で同9・8%減の90万4千台、金額で同7・3%減の728億9千万円と軒並み減少している。特に半導体部品の多いガス温水給湯暖房機は大幅な減少となった。
- パロマ、高級感あるガスオーブン新製品を発売 こんろと統一感を演出
<バルク特集>国土強靭化へ存在感高く
平時から地域にエネルギーを安定供給し、有事にはさらに威力を発揮するLPガスバルク。脱炭素に向け太陽光発電や蓄電システムなどの地域分散型ネットワークが志向されるなか、低炭素熱源・LPガスの存在感向上へ一層の活用が期待される。社会の省エネ要請やそれに伴う技術の進展でLPガス需要の維持拡大に対する考え方に変化が訪れているが、約20年間にわたり安全で合理的な供給方式を目指して積み上げた販売事業者のノウハウは強力なアドバンテージとなる。有力事業者への取材からバルク供給の今後の方向性を探った。
炭素低減要請を充足
・カメイ宮城支店(仙台市)=観光スポットを下支え 部署間連携でコージェネ成約
・カネコ商会(新潟市)=給湯ガス化の武器に 灯油ユーザーの負担解消
・13~21年度の9年間で災対バルク導入補助、福祉施設筆頭に1163件
バルク普及最前線ルポ
・空知ガス(深川市)=ガス化住宅普及推進 環境・防災・安定供給前面に
・須田商事(栃木市)=地域活動で商機拡大 気遣いサービスきめ細かく
・サーラプラザ豊川(豊川市)=市民集う商業施設 ガス発電・空調完備で災害時は一時避難所
・ダイプロ(大分市)=交換期限前倒し徹底 グループ会議で毎月報告
・奈良市プロパンガス販売商業協同組合=火葬炉を当初計画の灯油逆転
20年検査対応を円滑に
・桂精機製作所=撤去・交換・廃棄一手に 3本柱で課題解決
・両元産業=現場回収力を強化 クレーン付き車両22台に
普及上位20社解説/実績と方針
・各社の現況と普及戦略
大相撲番付「バルク編・2022年夏場所」
イチ押し商品~安全・安心・快適に
・新コスモス電機=ガス漏れ検知器、視認性よく設置簡単 省電力・電池式も
・I・T・O=20年検査を一元管理 オンラインで随時確認
・富士工器=貯槽交換補助ユニット、残ガス処理を合理化
・T&Dリース=補助金リースで負担極小化 付帯設備も円滑導入
全国マップ/バルクローリー台数・充填事業者数
<第28回GHP・マイクロコージェネ販売事例論文コンテスト>
GHPコンソーシアム(中村恒理事長)は「第28回(2022年)GHP・マイクロコージェネ販売事例論文コンテスト」を実施します。同コンテストは環境性と省エネ性、災害対応力に優れたGHP・マイクロコージェネを拡販する提案手法を共有する場として毎年秋に実施しています。
前回のコンテストは全国12社から15本の応募論文が寄せられました。コロナ禍の影響で一昨年と同様、論文発表会を取りやめ、論文評価と発表録画映像で審査を行いました。応募論文は避難所施設への設置やBCP提案で成約を収めた事例が多く見られ、公共団体や企業の課題解決に貢献するGHP提案営業の手本となる作品がそろいました。発電燃料の輸入価格高騰を受けた電力料金の値上がりや、電力需給のひっ迫が懸念されるなか、小電力性とレジリエンス性に優れたLPガスGHPの普及がより一層期待されます。
ここでは2回にわたり前回の入選作品を検証しながら、提案営業の内容を実際に論文にまとめて応募する際の書き方やポイントについて掲載していきます。
第1回目は、最優秀賞(グランプリ)を獲得した日本海ガス・谷口且吉氏の論文「大型ショッピングモールを地域の防災拠点に~GHPが『サステナブル』を実現する~」を例に挙げてポイントを見ていきます。