総合面
経産省、LPガス企画官職を廃止 石油流通課長が政策を牽引
備蓄事務は精製備蓄課に移管
エネ庁石油流通課長 永井岳彦氏
経済産業省は1日に発令した人事で、資源エネルギー庁石油流通課に置いていたLPガス産業担当の企画官職を廃止とし、今後は同課長がLPガス産業振興、取引適正化に関わる調査・政策事務を担当することになった。前任企画官の橋爪優文氏は異動となり、製造産業局車両室長に就任した。永井岳彦石油流通課長は「企画官より上位の課長が直轄で政策を推進する。カーボンニュートラル(CN)移行期でも、国として引き続きLPガスを重視していく意思の表れ」と明言。本紙に組織変更の目的、LPガス政策の方向性や課題を語ってもらった。
エネ庁石油流通課長 永井岳彦氏に聞く
企画官職廃止の理由について「今後の脱炭素政策を推進するうえ、LPガスと石油製品は共通の課題を抱えている。産業別の企画官ではなく、トップが一緒に所管する方が効率的と判断した」と述べ「現実にLPガス事業者もSSもラストワンマイルで一般消費者のライフラインを支え、兼業している事業者も多い。合成LPガスと合成燃料の技術的な課題も似ている」と指摘する。
組織変更に伴い、LPガス備蓄に関わる事務は石油流通課から石油精製備蓄課に移管され、石油・LPガス備蓄政策担当の企画官職を新設。同企画官には石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)出身の古幡哲也氏が就任した。
- 7月CP、下落理由は需給緩和 今後は先高勾配(アーガス分析)
<トップインタビュー>長野県LPガス協会・宮川浩会長
火種集め大きな炎に 手を携えて変化に対応
長野県LPガス協会 宮川浩会長
長野県LPガス協会は、5月の総会で会長に宮川浩氏(山久プロパン社長)を選任した。化石燃料へ向けられる目が厳しくなり、競争が激化し、未曽有の事業環境にある長野県。そのなかで協会の舵取りを担うこととなった宮川会長にインタビューした。
◇ ◇
―抱負をお聞かせください。
こうして会長に就いたのは、業界が変化の時を迎えているためと思う。自然災害、コロナ禍やウクライナの情勢不安、原油価格の高騰や円安など、大きな変化が続く。このような変化へ順応する発想や行動力が、私に求められることだ。会員各位や協会事務局、県内各支部と互いを理解し合い、手を携えて変化に対応したい。
「小さな火種でも、集めれば大きな火となる」。江戸時代、米沢藩9代藩主の上杉鷹山は、小さな力でも集めれば大きな力になることを説いた。私は、それがすべてのことの始まりと思う。
岩谷産業、水素製造・利活用を調査
NEDOが採択 兵庫、熊本の2件
岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)は6月30日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する水素製造・利活用の事業可能性調査にかかる委託事業に関西電力(本社・大阪市、森望社長)などと共同で応募し、「兵庫県淡路地域における系統蓄電池を活用した水素製造・利活用に関する調査」と「熊本県阿蘇郡小国町における未利用地熱エネルギーを活用した水素製造・利活用に関する調査」の2件が採択されたと発表した。
- 経産省有識者会議、カーボン・クレジットで市場創設を提言
- 電力・ガス小委、安定供給へ火力追加 夏・冬の発電増へ
新電力の15%に当たる104社が事業撤退
卸価格高騰で経営圧迫
昨年4月時点で706社あった新電力は、今年6月8日時点で約14・7%に当たる104社が電力事業を停止、撤退、倒産、廃業していた。
帝国データバンクが調査分析した。内訳は、契約停止が69社、撤退が16社、倒産・廃業が19社だった。3月末時点では計31社だったが、2カ月間で3倍超に急増した。
- <次代の信念>東屋商店(松戸市)・山口裕嗣氏、逆境超え会社存続 販売店統合も視野
首都圏版
- イワタニ関東、グループ4社が合同訓練 ガス漏れ対応を共有
- 東上ガス、ジクシスからCNLPガス受け入れ
富岡市、カーボンニュート ラルシティへ連携
堀川、東ガスと3者協定
富岡市(榎本義法市長)、堀川産業(本社・草加市、堀川雅治社長)、東京ガス(同・東京、内田高史社長)は6月29日、「カーボンニュートラルシティ実現に向けた包括連携協定」を締結した。同協定により3者が相互に連携し、脱炭素社会に関する知見や技術を活用し、カーボンニュートラル(CN)シティ実現を目指す。
地方版
- 北海道=帯ガス燃料、顧客接点維持に注力 チラシや展示会をきっかけに
東北=八戸液化ガス、ENEOSグローブと契約
CNLPガスを年100トン受け入れ
平野社長(右)と藤井・ENEOSグローブ取締役常務執行役員
八戸液化ガス(本社・八戸市、平野薫社長)とENEOSグローブ(本社・東京、江澤和彦社長)はカーボンニュートラル(CN)LPガスの売買に関する契約を締結し、1日、八戸市の八戸液化ガス沼館バルクセンターで受け入れ式を行った。ENEOSグローブが東北でCNLPガスを販売するのは今回が初めて。
- 中部=マルエイ会、森嶋会長ら全役員を再任 変化に応じ永続的発展を
- 近畿・四国=京都保安研、畑会長を再任 安全確保へ意識新た
近畿・四国=<新風見参2022>エネアーク関西社長・荒木孝昌氏
両業界の長所を融合
エネアーク関西社長 荒木孝昌氏
4月1日付でエネアーク関西(本社・大阪市)の社長に就任して早々、社員に発した言葉は、保安の確保、法令順守、顧客数の拡大の3点。荒木孝昌氏は大学生時代、伝統のチームでラガーマンとして活躍した。ルールを最大限に尊重しつつ、屈強な精神力と突破力で近畿有数の規模を誇る組織を牽引する。
大阪ガス出身ながらLPガス業界の経験が長い。当時の日商岩井ガスエナジーで卸・小売、日商岩井石油ガスで元売事業に携わった。「大阪ガス社内でLPガス業界や事業を理解している人材は意外に少ない。都市ガスとLPガス事業の両方を経験した者として互いの利点を生かしたい」と語る。大阪ガス時代は家庭用既築市場で機器販売、新築集合住宅市場でデベロッパー営業に長く取り組んだ。現場の経験を生かし、両業界の長所を取り入れて新たな価値を創造する考えだ。
- 中国=中国連、CNと人口減に対応 移行期の生き残り策学ぶ
九州=嘉麻市内の14販売店が「青色防犯パトロール隊」結成
業態生かし地域見守り
出動式に臨む「青色防犯パトロール隊・YUKI」の隊員
嘉麻市に拠点を置くLPガス販売事業者14社が設立した「青色防犯パトロール隊・YUKI(ユーキ)」が6月28日、嘉麻市の夢サイトかほで出動式を行った。市内を隈なくカバーする業態を生かし、各社の営業車両を活用して電話詐欺や性犯罪、空き巣などの犯罪抑止に向け見守りパトロールを行う。
出動式には団体名入りビブスを着た隊員7人が青色回転灯と「見守りパトロール中」ステッカーを装着した車両5台とともに参加。鶴原健夫・福岡県LPガス協会筑豊ブロック長、中村秀雅・嘉麻警察署長、赤間幸弘・嘉麻市長らが見守るなかパトロールに向かった。
<四国流通マップ特集>
ニーズとらえ需要創造 新築開拓・燃転を推進
四国業界は災害対策、取引透明化・適正化、オール電化対策など従来の課題に加え、新たに新型コロナ感染症対策、給湯器の納期遅延、ロシアのウクライナ侵攻による原材料費高騰、カーボンニュートラル(CN)などへの対応が求められている。LPガス販売事業者の最優先課題は保安の確保。コンプライアンスの順守は、消費者に選ばれるエネルギーとなるための第一条件だ。四国のLPガス事業者は保安を軸に顧客と築いた信頼関係を基盤に、ガス外収益を含めた提案営業で時代と地域のニーズに合致したサービスを提供し生活者を支えていく。
(8~9面に流通マップ)四国流通マップ=LPガス充填所、オートガススタンド、容器再検査所、生産輸入基地
住設・新技術
愛知時計電機、パナソニックASとLPガス集中監視で協業
クラウドとセンター連携
両社間のシステム連携イメージ
愛知時計電機(本社・名古屋市、國島賢治社長)は4日、パナソニックアプライアンスセーフティサービス(同・大和郡山市、住吉眞一郎社長)とLPガス集中監視システムで連携すると発表した。愛知時計の「アイチクラウド」とパナASが運営する監視センターをシステム連携し、LPガス事業者の課題解決とサービス向上に向け協業する。
- パナソニック空質空調社、コージェネ廃熱の有効活用で分散型エネルギー事業に本格参入へ
- ノーリツ、ビルトインコンロ「プログレ」に業界初のごはん早炊きモード搭載
- ホームハイテック、「コンセントカバー」で狭小空間も隔壁可能に
<ウェブ明細を提供 FunFusion>
ウェブ明細でニーズ充足
到達率99%のSMS利用
FunFusion(本社・東京、林和之社長)は7月からショートメッセージサービス(SMS)を用いたウェブ明細サービスの提供を始めた。顧客への明細呈示がウェブ上で完結し、人的負担やコストの軽減に寄与する。到達率99%を誇る「fonfunSMS」を使い顧客に明細の更新を通知してウェブ上のページに誘導、月次料金やガス使用量に加え各社のニーズに合わせた情報を呈示する。SMSの送信やページ構築に必要な情報はCSVデータで取り込め、どんな基幹システムでも使える。SMSの送信元に自社の代表番号を表示でき、顧客に不安感を与えない。販売店から広域卸まで採用され、好評を得ている。
ユーザーの声
コバプロ 小林健一社長
簡単で便利なツール
合理化や顧客満足に効果