総合面
LPガス備蓄目標、国備、民備とも維持
国際貿易に混乱なし 資源・燃料分科会
総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会(分科会長=隅修三・東京海上日動火災保険相談役)は7月28日に第35回会合を開き、LPガスの2022~26年度の備蓄目標を議題に取り上げた。ロシア・ウクライナ問題を筆頭にエネルギーを巡る環境の変容が続くが、LPガス備蓄の見直しに至る要因はないと見なし、国家備蓄を「輸入量の50日分程度に相当する量」、民間備蓄を「輸入量の40日分に相当する量」とする従来の体制の維持を了承した。
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LPガス総合セミナー 「カーボンニュートラル時代のエネルギー」9月15日、東京・神田淡路町/損保会館
石油化学新聞社は9月15日、東京・神田淡路町の損保会館でLPガス総合セミナー「カーボンニュートラル時代のエネルギー」を開催します。実開催に加えて当日の模様を後日、オンデマンド動画でも配信します。
気候変動問題の深刻化に伴うカーボンニュートラル(CN)の社会的要請が強まるなか、LPガス各社は低炭素型商品の普及を念頭にカーボンクレジットの活用や、電力などの新たな柱づくりを進めています。また、新時代を見据えた本格的な合成ガスの開発も始まりました。ただ、地域密着を強みにLPガス供給を主力にしてきた販売業界からは、将来に対する不安の声も聞こえてきます。
本セミナーでは、CN時代に向けて歩むLPガス事業者の方向性を、合成ガス開発と販売事業者の取り組みから探ります。皆さまどうぞ奮ってお申し込みのうえ、ご参加下さい。お申込み、詳細なご案内はこちらから
首都圏
レモンクラブ、LPWA普及に本腰
業務全般を合理化
レモンガス(本社・平塚市、東京、赤津欣弥社長)の販売店経営者で組織するレモンクラブ(渡邊幸伸代表理事)は7月22日、定時総会と研修会をウェブ形式で開いた。防災やエネルギーなどをテーマとした講習会は感染症の状況を見ながら開催を判断していく考えを示し、LPWA集中監視システムの積極的な導入を推奨した。
都協北多摩南部支部 発電機など納入
福祉施設を強靭化
左から渡辺哲男・すまいる施設長、今宮麗子・なごみ施設長、高橋淳二支部長、小笠原寿弘・調布市社会福祉事業団総合施設長、尾崎義美・都協会長、佐藤祐司・同専務理事
東京都LPガス協会北多摩南部支部(高橋淳二支部長)は昨年度、調布市の障害者福祉施設に三菱重工メイキエンジン製の900㌾㌂可搬式LPガス発電機6台とガスホース、備蓄用の10㌔㌘容器9本を納入した。大規模災害時など停電の長期化を見据えLPガスの特性をアピール。同施設は既存の軽油や薪と併せエネルギー供給多様化の観点からLPガスを選択した。発電機の追加導入や定期活用のほか、同支部との応急供給協定の締結も検討する。
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<トレンド#地域一番店>タケダ燃料(千葉市)
信頼される店・業界に
武田幸夫社長
県内で震度5弱を観測した昨年10月7日の千葉県北西部地震発生後、都市ガスユーザーからガスが止まったと相談を受けた。当人は「給湯器が壊れたのではないか」と言っていたが、現場に急行するとマイコンメーターの感震器作動による遮断だった。復帰対応を喜ばれ、給湯器の更新を受注する予定が決まった。
東京ガスエリアの千葉市中央区に本社を構える。武田幸夫社長は「うちがガスを供給している、していないにかかわらず『タケダに頼めばしっかりした対応をしてもらえる』と思われるような関係を作りたい」と話す。「信頼される店づくりはもちろん、信頼される業界づくりにも取り組む必要がある」とも。
そう考えるのは、LPガスに悪印象を抱く消費者がいることを痛感しているため。周辺では従来、過度な切り替え営業が続けられてきた。顧客の1人が度重なる訪問に悩まされた挙げ句、武田社長に助けを求め駆け込んできたのは1年前のことだ。「毎回断っているのに、いつも来る」と憤り、泣いていたという。
地方版
北海道=第一興産(滝川市)、CNLPガスを販売
自社集合物件を手始めに 今期 100 ㌧ 業務用で販路拡大
カーボンニュートラルLPガスの取り扱いを始めた第一興産 河合正三常務(左上)
第一興産(本社・滝川市、臼杵章夫社長)は7月、カーボンニュートラル(CN)LPガスの取り扱いを開始した。手始めに自社で運営する賃貸型集合住宅に供給している。供給元はエネサンス北海道(同・札幌市、今泉光弘社長)で、同社のCNLPガス卸売第1号となった。
河合正三常務営業本部長の主導でCNLPガスプロジェクトがスタートしたのは昨年秋。「SDGs(持続可能な開発目標)宣言したのをきっかけに、環境保護に向け当社として何ができるのかを考えた」と計画の端緒を振り返る。
地場の金融機関からサポートを受け、SDGs宣言したのは昨年8月27日。掲げる重点項目の一つ「環境への配慮とエコの普及」に沿って、まず河合正三常務は「できるところから着手していこう」と、CNLPガスの取り扱いを決めた。こうした背景から環境保全に傾注する企業へ脱皮を図ろうと、今回の仕入れが決定した。
東北=山形青年部、対外活動を再開
9月に山形市防災展に参加へ
㊨今年度初会合であいさつする中川憲彦部会長㊦ノウハウ伝承のため会員自ら火おこしを体験した
山形県LPガス協会青年部会(中川憲彦部会長)は7月21日、山形市の協同の杜に会員を集め、今年度最初の会議を開いた。9月に山形市で行われる防災イベントに参加することを決め、企画内容について話し合った。コロナ禍の間に火おこしイベントを遂行できる会員が減ってしまったため、ノウハウを伝承する目的で後輩会員向けに火おこし研修を行った。会員20人のうち16人が出席した。
- 東北=現場社員を戦力化 エネサンス東北がリフォーム研修
中部=マルエイ商栄会、ガス機器で炭素低減
快適提案に拍車
マルエイ(本社・岐阜市、澤田栄一社長)の仕入れ先商社とメーカーで構成するマルエイ商栄会は7月14日、岐阜市のホテルパークで2022年度総会を開いた。役員改選で谷岡克則会長(リンナイ執行役員中部支社長)を再任。一部会員企業の人事異動に伴い副会長のパロマ東海支店が安本圭吾支店長、理事の富士工器中部支店が宇野栄治支店長、クリナップ岐阜営業所が鬼頭孝典所長、会計の矢崎エナジーシステム岐阜支店が杉浦佳弘支店長に登録者を変更した。谷岡会長は足元で滞っている製品供給の早期回復に全力を挙げ、2050年の脱炭素へ高効率ガス機器で貢献すると表明。澤田・マルエイ社長は社業を広げ快適生活の提案に邁進する方針を示した。
- 近畿・四国=エネアーク関西が配送技能検定実施 93人中22人が満点
近畿・四国=クサネン 大丸グループ化で発展へ
互いの強みシナジーに
大道薫・クサネン社長
大丸エナウィン(本社・大阪市、古野晃社長)は7 月1 日、クサネン(同・草津市、大道薫社長)の株式を取得し子会社化した=一部既報。クサネンの大道社長は「これからの時代は販売店がバラバラでは時代の変化への対応が難しい。かねてガス事業で業務提携の関係にあった大丸エナウィンとのグループ化を図ることで互いの強みを持ち寄りプラスアルファの効果が引き出せる。当社の事業承継と安定的な発展を考えて決断した」と話す。
クサネンは複数の販売店が合併し1966年に設立した。中核の4者が主要株主となり、当初は交代で社長を務める計画だった。3代目社長の大道薫氏は「歴史から見ても当社は大道家の所有物ではないと考えてきた」と振り返る。
中国=鳥取ガス、地域航空会社「FAH」設立 児嶋社長は筆頭株主で会長に
第1弾24年春就航へ
ATR社と基本合意書を交わす児嶋太一・FAH会長(中央)
鳥取ガス(本社・鳥取市、児嶋太一社長)は7月19日、児嶋社長が地域航空会社フィールエアホールディングス(FAH)を設立したと発表した。リージョナル航空機世界最大手、仏ATRの航空機を導入し2024年4月の就航を予定する。これまで相応の時間を必要としていた地方都市との行き来を比較的安価・短時間で可能にして新たな人流や物流の風を生み、地域を活性化して持続可能な社会づくりに貢献する。併せて災害時のライフラインの一つとして新たな基盤を構築する。
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住設・新技術
CO2回収供給機を施設園芸向けに製品化へ
イワタニAGと桂精機
岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)のグループ会社で農業設備・資材の販売を行うイワタニアグリグリーン(本社・東京、吉田勇社長)と桂精機製作所(同・横浜市、丸茂等社長)は、施設園芸での環境負荷低減が期待できるLPガス用暖房機の普及促進で合意、併せてLPガス用暖房機から排出されるCO2を回収、昼間の光合成に活用する「CO2回収供給機」の製品化に向けた取り組みも開始した。農業生産者のカーボンニュートラル(CN)に貢献するのが狙い。
IVRy(東京)、サービスで容易に業務負担軽減
電話自動対応を実現
低コストで電話の自動応答が可能になるIVRy(アイブリー)
I V R y( 本社・東京、奥西亮賀社長)は、容易に導入可能なIVR(電話自動応答)サービス「IVRy(アイブリー)」で、LPガス事業者の業務負担を軽減する。定形の電話対応を自動化し、緊急性の低い問い合わせ業務の負担から事業者を開放する。月額3千円からの導入しやすい価格帯もあって、業界内からの問い合わせが急増中だ。
IVRは電話を受けると自動音声で回答するサービス。クラウド環境で運用するIVRサービスを、低コストに導入できる。パソコンやスマートフォンからの簡単な操作で管理可能だ。
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特集記事 <わが社のイメージキャラクター2022>
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<陽品運輸倉庫創業50周年> 基盤強化し新たな成長を加速
充実の物流ネットワーク
内陸部の備蓄基地 安全・安心を保障
陽品運輸倉庫(本社・市原市、鈴木輝彦社長)は7月、創業50周年を迎えた。この50年間で、グループ従業員数252人、タンクローリー205台(うち、16㌧トレーラー21台)、LPガス貯槽設備を持つ事業所数は今秋に長野県東御市で開所する東御事業所を含め6カ所となり、車両基地や整備工場なども各地に配置し、主力事業のLPガス輸送・貯蔵、LPガス販売をはじめ、オートガススタンド、高圧ガス容器の検査、タンクローリーの製作・整備などのLPガス関連事業を展開する一大グループに成長した。
各地に広がる事業拠点 本社・事業所・営業所紹介
次の飛躍へ50年は通過点 記念祝賀会に250人が笑顔で祝う
鈴木輝彦社長に聞く―初心忘れず安全追求 LPガス事業を支える
―50年前に会社を設立した時の規模と社名の由来についてお聞かせください。
1972年7月に5人の仲間と創業した。LPガス7㌧ローリー2台、配送車3台のスタートだった。翌年に大型トレーラー1台を購入し、LPガス輸送事業に本格参入した。
会社設立に当たって、資金は太陽銀行(現・三井住友銀行)にお世話になり、事業については品川燃料(現・シナネンホールディングス)から仕事をもらった。初心を忘れないために、お世話になった会社の名前から陽と品の字をもらって「陽品運輸倉庫」とした。
―社名に倉庫を入れた理由は。
運送会社は計画的に荷物を運ぶ必要があるので、そのためには倉庫が必要だと考えた。私たちが運ぶ荷物はLPガスなので、陽品の倉庫はLPガスの備蓄基地だ。