プロパン・ブタンニュース

総合面

LPガス政府支援、他エネとの格差に憤り 

課題残る業界への自省も

岩谷産業の間島寛社長、田博清取締役専務執行役員総合エネルギー事業本部長は、10日東京本社で行われた23年3月期第2四半期決算の会見で、総合エネルギー事業の現況について記者の質問に答え、政府が8日に閣議決定した2022年度第2次補正予算案でLPガス関連は配送合理化と設備導入補助など約170億円超が振り分けられたこと、特に電力・都市ガス、燃料油と大きな格差が生じたことに憤りと業界の自省を強調した。

地方創生交付金を活用したLPガスの負担軽減を

エネ庁、都道府県に要請

資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課は8日、コロナ対策予備費で創設した総額6千億円の「地方創生臨時交付金」を、LPガス料金上昇に対する直接的な負担軽減策に活用を検討するよう要請する文書を都道府県担当課に発出した。同日には内閣府地方創生推進室からも、同交付金をLPガスなどの負担軽減策に活用できると明示する文書が都道府県担当課に発出されており、対策例とともに管内市町村に周知するよう要請している。

  • 岩谷産業、LPガス直売件数が110万戸 中計目標を前倒し達成
  • 伊藤忠エネクス、LPガス事業はM&Aと産業用で拡大 さらに基盤強化へ
  • 矢崎エナジーシステム、LPWAのラインアップを拡充 都市ガス市場見据える
  • アストモス、山中光常務が新社長に昇格へ

山中光氏

アストモスエネルギー(本社・東京)は15日、来年1月1日付で、山中光常務国内事業本部長の社長昇格が内定したことを発表した。小笠原剛社長は同日で退任する。山中光(やまなか・みつる)氏 1985年3月同志社大学商学部卒、同年4月出光興産入社、2003年7月北海道支店販売企画課長、05年4月新規事業推進室海外事業グループリーダー、10年4月新規事業推進室次長兼海外事業グループリーダー、同年7月国際石油事業部次長兼ベトナム事業グループリーダー、13年6月出光アジア社長、17年4月ニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド社長、18年4月出光興産社長付、19年3月アストモスエネルギー取締役コーポレート本部副本部長、20年3月常務国内事業本部副本部長、21年3月常務国内事業本部長。1962年12月11日生まれ、59歳。

首都圏版

レモンガス、配送マイスター認定実技審査会を開催 

10人がマイスターに挑戦

実技審議会の様子。写真は堤隼人さん

レモンガス(本社・平塚市、東京、赤津欣弥社長)は9日、平塚市の神奈川アクア平塚プラント構内で2022レモンガス配送マイスター認定実技審査会(第4回)を行い、静岡、神奈川、東京、埼玉の1都3県の計5配送センターから選ばれた10人の配送員が①服装・身だしなみ②容器交換・保安点検③お客さま対応―の実技審査に挑んだ。マイスター認定者は後日決定する。

  • 長野県協が県総合防災訓練に参加 阿部知事に災対力を説明

地方版

北海道=灯油意見交換会で消費者から「引き下げを」求める声が相次ぐ

高層住宅・CN対応も

活発な議論を交わした意見交換会

販売事業者、消費者、行政が一堂に会し灯油の価格からカーボンニュートラル(CN)まで議論を交わす北海道地域灯油意見交換会(北海道経済産業局など主催)が9日、札幌第一合同庁舎で開かれた。定期配達が既に1㍑当たり120円を超えているため、消費者からは引き下げを求める声が相次いだ。
灯油価格は冬入り本番を前に全道平均で120円を超え、2008年のリーマン危機時並みの高値が続く。消費者からは灯油をはじめ電力、ガス体エネルギーなどすべての熱源が原油高と円安から高騰しているとの指摘があり「このまま進行すれば道民生活は危機的状況を迎える」と危惧する声が上がった。

  • 北海道=道南青年部が北斗市上磯小学校で火育 地元縄文人に思いはせ
東北=宮城県協、経営・保安セミナーで政策動向学ぶ

料金透明・適正化へ

吉野賢一・資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課長補佐

宮城県LPガス協会(渡邉政博会長)は7日、仙台市のホテル白萩で経営・保安セミナーを開いた。資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課の吉野賢一課長補佐が「LPガス事業を取り巻く情勢と施策の動向」と題して講演した。LPガス産業の現状と期待される役割やカーボンニュートラルに向けた動き、料金透明化と取引適正化に関する動向を説明した。
吉野氏は無償配管や設備の無償貸与について「顧客を獲得するための過当競争であり、その費用がLPガス料金に反映されることで消費者の不利益につながっていること」と指摘、現行の商習慣を見直すとともに、制度改正を含めた議論が必要と述べた。賃貸集合住宅の事前料金提示については、不動産関係団体への働きかけが今後の検討課題だとした。

東北=農業祭でLPガス訴求

岩手県高圧ガス保安協 会一関支部青年部

子供たちに容器へ自由に落書きしてもらった

岩手県高圧ガス保安協会一関支部青年部(三浦大部長)は10月29~30日、一関市総合体育館で行われた「いちのせき産業まつり農業祭」に出展し、子供向け企画で家族客を呼び込みLPガスをPRした。
LPガスが災害に強いことをPRするため、炊き出しセットを紹介したり、可搬式LPガス発電機を稼働させてガス衣類乾燥機の実演を行うなどした。感震機能で遮断したメーターの復帰方法も紹介した。こんな用途もあると知ってもらうためパラソルヒーターも展示した。
これらに目を向けてもらうため、子供手作りのガチャマシンを介し容器の模型をプレゼント向け企画で来場者の足を止めさせた。

日本 ガスコム 30周年大感謝祭

目標超え2773組来場

盛りだくさんの企画でもてなした

日本ガスコム(本社・豊橋市、大森俊太郎社長)は10月29~30日、豊橋市のシーパレス屋内テニスコート場で30周年大感謝祭を開いた。新型コロナウイルス禍を経て3年ぶりの開催となった今回は、目標の1600組を上回る2773組・4268人が来場し盛況となった。2日間で売り上げは1830万円を計上。10~11月に実施しているガス展キャンペーンの売り上げ目標8千万円に寄与した。キャンペーンも順調に実績を積み上げ、目標を達成できる見込みだ。大森社長は「創立30周年を迎えられた感謝の気持ちを伝えたく、お客さまへのサービスを充実させた」と機器販売だけでなく謝恩を重視したと趣旨を説明。来場者も機器の説明を聞いた後は催しゾーンで楽しみ、長く過ごす人が多かった。

中部=サーラE&L名古屋、近隣業者と連携拡大

大垣配送センターの面積・能力を倍増

年間充填能力を最大1万2千㌧に拡大した

サーラE&L名古屋(本社・知立市、河田栄一郎社長)は大垣市草道島町の大垣配送センターを拡張し7日、竣工式を行った。面積、能力とも約2倍となり、近隣LPガス事業者との充填・配送アライアンスを進める基盤を確立した。
旧来の設備は年間のシリンダー充填能力が最大約5千㌧だったが、最大1万2千㌧までカバーする仕様に変更。充填所の延べ床面積を510平方㍍(旧255平方㍍)、貯槽20㌧2基(同15㌧10㌧各1基)、充填所プラットホーム貯蔵量最大50㌔㌘×1800本(同50㌔㌘×925本)、充填機セルフ18基(同セルフ7基)、充填ポンプ7・5㌔㍗と11㌔㍗(同7・5㌔㍗のみ)、最大充填可能量1日50㌧(同1日20㌧)に拡張した。

中部=上野ガス 95周年事業を展開

1月に全顧客招き演奏会

1927年6月8日の創立から95周年を迎えた上野ガス(本社・伊賀市、中井茂平社長)。6月27 日に伊賀市のヒルホテルサンピア伊賀で記念式典を開催、今年度の株主総会後にはグループの管理職約90人に95年の歩みを説明した。地域に貢献してきた歴史を認識し、将来へ各自が力強く歩むための自覚を深める場となった。封筒や名刺に95 周年のステッカーを貼り多くの人に伝える。顧客と管理職には災害対策に活用できるスマートフォンバッテリーを配布。10月17日~11月6日には95周年記念「リフォーム&ガス展」を展開、最後の3日間はリアルのイベントを開いた。
中井社長は「お客さまが時間を惜しむ場合は別として、ネットやカタログ販売よりも対面で物販をした方が間違いなく良い。商品の機能やオール電化との違いなどを詳細に説明できる。商品の選択肢も広く、特価で購入していただけるため満足度も高い。ガス展はお客さまとの最大のコミュニケーションの場であり、満足していただく貴重な機会だ。お客さまの声を多く聞くことができ、社員も充実感、達成感を味わうことができる場である」とリアル展示会の意義を語る。電化に流れぬよう、顧客との信頼関係を深めていく大事な場ともとらえている。
95周年行事はこの後1月22日に伊賀市文化会館で全顧客を対象に新日本フィルハーモニー交響楽団と上野高校吹奏楽部がコラボする無料チャリティーコンサートを開く予定だ。

近畿・四国=大牟田ガスが鳴門ガスの「即湯サービス」を視察 

採用「前向き検討」

大牟田ガス(本社・大牟田市、砥綿孝幸社長)は10月24日、鳴門市の鳴門ガス(中岸雅夫社長)を訪れ、同社が昨年5月から取り組んでいる「即湯(そくとう)サービス」を視察した。大牟田ガスの髙丘敏和常務は同サービスの導入について「前向きに検討したい」と意欲を示した。

  • 近畿・四国=クサネン、大津市に機器専門店 エネ相談窓口に
  • 近畿・四国=エコガス 向山社長、 演奏会を主催 和歌山の魅力を音楽に
  • 中国=LPガス振興センター、中国地方懇談会でCN対応の方向説明 商慣習改善要求も
九州=九酸・直方ガスフェア 住まい周り商材集結

ウェブサイトでも販促企画

野外展示ブースでこんろや給湯器などガス・住設機器をアピールした

九酸・直方ガス企業グループ(有吉慶代表)は10月29~30日、直方市の自社ショールームここちで「ここち住まいるフェア」を開いた。会場ではコロナ感染症対策を徹底、並行してウェブサイトで販促企画を展開した。会場は密を避けるためショールーム内の機器展示を最小限に抑え、屋外ブースを主体にこんろやエコジョーズ、衣類乾燥機などのガス機器や水回り住設機器などグループ各社が扱う商材を訴求した。また、同グループのホームページ内に設置した商品検索サイト「Q―SANモール」で機器拡販キャンペーンを9~10月に実施した。

九州=宮崎県LPガス会館 竣工

地震・津波対策万全に

竣工した新会館。避難場所機能も備える

森勝人氏

宮崎県エルピーガス商業組合(森勝人理事長)、宮崎県LPガス協会(後藤拓郎会長)、宮崎地区LPガス保安センター(佐々木直哉理事長)など関連6団体が入る宮崎県LPガス会館が完成し1日、現地で落成式を行った。
津波対策を施した鉄骨造4階建てで延べ床面積1139・96平方㍍。屋上スペースにLPガス非常用発電機(9・8㌔㍗)を備えた津波避難場所を設けた。総工費は2億3507万円。

住設・新技術

  • アイネット、LPガス事業者向けポータルサイト提供 価格とサポート力前面に
  • 岩谷産業、カセットこんろのタイ工場来春稼働 東南アジア市場拡大へ
  • リンナイ、即湯ユニット内蔵の給湯暖房熱源機を12月に発売 業界初で湯待ち解消
  • 東京ガス・京セラ、さらに小型軽量化したエネファームミニを1月に発売へ

GHPとコ・ジェネ

第2次補正予算案、GHP・コージェネ関連にも

省エネ設備など関連事業に補助 

政府が8日の閣議で決定した今年度の第2次補正予算案で、GHP、コージェネに関連する補助事業が盛り込まれた。現下のエネルギー危機を背景に、経済産業省ではLPガス価格高騰への間接的低減策としての設備導入に16億円、災害バルク補助に20億円、災害対応天然ガス利用設備補助に14億円を計上したほか、省エネ設備更新に500億円を計上。環境省、文部科学省、農林水産省からも、関連設備の導入などを支援する補助事業が盛り込まれた(一部既報)。

3避難所でGHPが活躍 9月の台風14号で

大分中津市、昨年10月に自立型導入

7世帯13人が避難した中津東体育館

9月14日から20日にかけ日本列島の広い範囲に大きな被害をもたらした台風14号で、中津市(奥塚正典市長)が市内3カ所の体育館に設置した避難所の電源自立型GHPが稼働した。中津市で体育館の避難所利用時にGHPを稼働したのは初めてのケース。
中津市の担当課によると、9月18日から19日にかけて市内37カ所に避難所を設置しピーク時には414世帯658人が避難した。

  • 冬の電力需給、予備率回復も懸念多く 燃料調達リスクで
  • 日本ガス協会、「ガスZEB」周知へポータル立ち上げ

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