総合面
総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会、取引適正化対応を議論へ
LPガス 流通WG 方向性検討のため再開
日に開かれた総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会(分科会長=隅修三・東京海上日動火災保険相談役)の第36回会合の席上で、事務局の若月一泰・資源エネルギー庁資源・燃料部政策課長が、石油・天然ガス小委員会の下部組織であるLPガス流通ワーキンググループを再開し、LPガス取引適正化問題の方向性を検討する方針であることを明かした。オブザーバーの村田光司・全国LPガス協会専務理事は議論のポイントに公平性、実効性、安定性の3点を挙げた。
LPガス料金、国は公平な支援を
39都府県が経産省に要望書
島根県の丸山達也知事は9日、経済産業省を訪れ、39都府県の連名で高騰するLPガス料金の消費者負担の軽減を求める要望書を提出した。
都市ガス料金のみへの支援は、LPガス普及率の高い地方との家計負担の差を拡大させると強調。支援のあり方は自治体で差が生じる地方創生臨時交付金ではなく、国による公平な取り組みが望ましいとし、電気や都市ガスに準じてLPガスにも新たな価格高騰対策を講じるよう要望した。
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- シナネン=清水直樹氏が次期社長に
シナネン( 本社・東京)は清水直樹・シナネンホールディングス代表取締役専務CCOの次期社長就任を内定した。シナネンHDが17日に発表した。
6月に開かれるシナネンの定時株主総会を経て正式に就任し、シナネンHD代表取締役専務も兼任する。安田貴志社長は退任する。
清水直樹(しみず・なおき)氏 1983年4月品川燃料(後のシナネン、現在のシナネンHD)入社。2011年7月執行役員、12年6月取締役に就き、財務経理部長や経営企画本部長を歴任。16年6月常務に昇任し、17年企画担当役員、18年CCO兼管理担当役員を務めた。20年6月から現職。1960年5月28日生まれ、62歳。
首都圏版
新潟県、LPガス高騰対策で次期予算に7089万円
中小・事業主を支援 協会の要望が結実
新潟県は15日に発表した2023年度当初予算案で、「LPガス高騰対策緊急支援事業」として7089万円を計上した。
エネルギー価格が高騰するなか、直接的な料金負担軽減策が講じられていないLPガスを利用する県内の中小企業や個人事業主を対象に、経営に及ぼす影響を踏まえながら負担軽減支援を実施する。
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地方版
- 北海道=道協石狩支部、雪害事故が今冬は皆無 警戒は継続
北海道=帯広ガス燃料、給湯エネ節約術を指南
風呂に加え台所用途も
帯ガス燃料(本社・帯広市、内木敬典社長)は燃料価格の急騰に伴い「給湯器の節約術」と題し、2月から顧客向けに給湯熱源の節約法を指南している。情報は同社ホームページのほか、通信アプリLINE(友だち登録した顧客限定)で閲覧できる。
- 東北=秋田県協、県のLPガス議連と懇談 要望活動へ一歩
中部=ニイミ産業、中部電力の通信網活用の集中監視システム導入
コストと安定性重視
ニイミ産業(本社・春日井市、新美良夫社長)は、中部電力(同・名古屋市、林欣吾社長)が提供する電力スマートメーターの通信網を活用した集中監視システムを導入する。
両社は昨年12月22日に基本契約を締結。今月中にテストトライを開始し、早ければ4月から順次導入する。
- 中部=パロマ、東山動植物園の新トラ舎整備に4710万円寄付
近畿・四国=ガスパル近畿、炊き出しや発電など
宇治市の供給先マンションで防災訓練
災対ユニットと鋳物こんろで炊き出しを行った
大東建託グループのガスパル近畿(本社・大阪市、鈴木美都留社長)は14日、宇治市の賃貸マンション「エグゼ・ヴィラ・イースト」の敷地内でバルクと災害対応ユニットを活用した炊き出しや発電などの防災訓練を行った。災害時には近隣住民も含めた利用を想定し、地域社会に貢献する。
同グループは防災プロジェクト「ぼ・く・ラボ」に取り組んでいる。防災の「ぼ」、暮らしの「く」、ラボラトリー(研究室)からネーミングした。大東建託の39支店を「ぼ・く・ラボステーション」として各150人分の備蓄品を用意、災害時に近隣住民に配布する。グループのデイサービス施設のうち災害時帰宅支援ステーションに登録された施設では水道水、トイレ、道路交通情報などを提供する。
- 近畿・四国=高知県、LPガス料金補助に6億9500万円 2月提出議案に計上
中国=架空請求に注意喚起!
岡山県協が2種のチラシを作成
岡山県LPガス協会は不当訪問勧誘やSMSを利用したガス代の架空請求からガス顧客を守るため、2種類の注意喚起チラシを作成した。
不当訪問勧誘の注意喚起チラシは「悪質なLPガスの切替えの訪問勧誘にご注意ください!」の見出しで▽会社名・名前を必ず確認する▽ガス料金の調査という電話や訪問には注意する▽「適正価格」という提示には注意する▽断るときはハッキリと▽「委任状」「契約書」にハンコを押す前にもう一度検討する―などの対応を呼びかけている。
九州=協和ガス(浦添市)、新本社をZEB申請
事務所形態では沖縄初
屋上に設置した140枚の太陽光パネル
新垣昌信社長
協和ガス(本社・浦添市、新垣昌信社長)は、カーボンニュートラル(CN)実現に向け、高度な創エネルギー性と効率的な省エネルギーの機能を備えた新本社ビルを竣工した。20日に引き渡し、3月6日に運用開始する。
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)で申請した新本社ビルの1次エネルギー削減率は114%で、資源エネルギー庁が認定するZEB認証基準をクリアした。建築設計段階から高度な省エネ基準を満たした材料と設備を使用し、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の1次エネルギーの収支をゼロにすることを目指す。
住設・新技術
NTTテレコン、LPガス事業向けプラットフォーム
「TBP」サービス開始
NTTテレコン(本社・東京、深澤充社長)は、ガス事業者の未来を共に創造していくためのビジネスプラットフォームとして、「テレコンビジネスプラットフォーム(TBP)」(商標登録済み)の名称で3月1日からサービスの提供を開始、LPガス事業者向けのプラットフォームビジネスに参入する。第1弾として、指針管理の「LPGデータコネクト」、配送管理の「配送マネジメント」のサービスを提供、23年度中には基幹系システムの提供も開始する予定。
- 新コスモス電機、大阪淀川区と包括提携 火災警報器「プラシオ」300台寄贈
- パイオニア、CO2排出可視化などウェブでGX活動紹介
九州・沖縄特集
奮闘するLPガス事業者
顧客のニーズを充足 社会課題に対応
新型コロナの収束はまだ見通せないが、5類への引き下げ決定に伴い経済回復に明るい兆しが見えてきた。一方でウクライナ情勢の泥沼化で原材料価格の上昇が続き、諸物価の高騰も追い打ちをかける。デジタル化やカーボンニュートラル対応、域外大手事業者対策、人手不足と人材育成など事業を取り巻く経営環境が厳しさを増すなか、どう活動し、いかに収益を確保していくか。奮闘する事業者の取り組みからヒントを探る。
- エネサンス九州(福岡市)=安定供給へ拠点拡充 利便高め環境貢献
- 三愛オブリガス九州(福岡市)=ゴールド認定取得 CO2削減に拍車
- ガスパル九州(福岡市)=被災地支援ユニット作成 保安力鍛え有事即応
- 福岡酸素(福岡市)=施設強靭化へBCP提案 防災需要掘り起こし
- ENEOSグローブエナジー九州(福岡市)=ガス外粗利拡大に手応え
- 和泉プロパン(久留米市)=配送合理化へシステム分離
- 髙岡(福岡市)=電化客と接点、燃転狙う 光熱費低減法を伝授
- 三愛オブリガス三神(神埼市)=住まいと暮らし丸ごと 環境総合エネ企業に
- 田島(佐賀市)=地域貢献活動に拍車「究極の御用聞き」目指す
- モトマツ(佐賀市)=接点・信頼 丁寧対応で育む 機器リース積極提案
- チョープロ(長崎県長与町)=衣類乾燥機拡販へ新企画 現場でIT有効活用
- リボンガス(熊本市)=電化世帯、床暖切り口に攻略
- 飯干商事(延岡市)=暮らし向上サポート ミニコミ紙で接点強化
- 福原プロパン(うるま市)=給湯ガス化、商機逃さず CN見据え機器販売
- 宜野湾ガス(宜野湾市)=情報生かし燃転提案 電力・浄水器とセット割
- 浦添ガス興業(浦添市)=監視端末の設置加速 エネファーム普及へ機運
地域で存在感発揮
事例ルポ
完全な日常が取り戻せないなか、顧客接点を旨とするLPガス事業者はどう存在感を示し地域深耕を図るのか。LPガスの分散性を生かし、行政と連携した避難所機能の強化、補助金を絡めた災対設備の導入提案、他熱源利用客への仮設給湯など、今こそ求められる地域貢献がある。大きな社会環境の変化のなかで挑む好事例を紹介する。
・福岡・糸田市、GHP・バルク・発電機で総合施設を強靭化
・南九州マルヰ、老健施設に災対設備 人吉豪雨機に提案強化
・大牟田ガス、燃転の切り口に「即湯サービス」提供
「IoT―R」全件設置に王手! 大陽日酸エネルギー
東洋計器とタッグ 業務改革で新時代へ
大陽日酸エネルギー(本社・愛知県蟹江町、神﨑昌久社長)は東洋計器(同・松本市、土田泰正社長)とタッグを組み、業務改革を進めている。大陽日酸エネルギーは、2020年から東洋計器が開発したLPWA技術対応の通信端末「IoT―R」の設置をスタートした。21年に第2号認定販売事業者、22年には第1号認定販売事業者(ゴールド保安認定)を取得するなど着実に設置数を増やしてきた。23年3月には顧客の全件に設置を終える予定だ。LPWAを利用した集中監視がLPガス業界のスタンダードになりつつあるなか、同社は系列販売店を含めたIoT―Rの設置推進を通じて、大きく変化しつつある事業環境へ先手、先手の対応を図り、新たな時代を切り開いていく。IoT―R導入の手応えと今後の事業展望を聞いた。
大陽日酸エネルギー 神﨑昌久社長
「IoT―R」 生産性向上へシナジー 業務効率化 コスト削減 余力で営業強化
東洋計器のIoT―Rの導入を開始し、22年度内にほぼすべての客先への設置を完了する予定だ。目的はIoT―Rを活用した拠点形成と事業の効率化を推進し、利益率の向上を図ること。当初から短期間での認定取得を目標としていたが、全社が一体となって取り組んだ結果、21年に2号認定、22年には第1号認定LPガス販売事業者(ゴールド保安認定)を取得することができた。
1号認定を取得し、追加特例による緊急時対応のさらなる緩和で距離要件が60㌔㍍まで広がった。これを受けて営業エリアの最適化について検討し、事業拠点の再編に着手。8拠点で統合を実施した。