プロパン・ブタンニュース

総合面

LPガス業界の貸付配管と無償貸与 流通WG 

方向性検討で複数委員、「切り離して議論を」

総合資源エネルギー調査会LPガス流通ワーキンググループ(座長=内山隆・青山学院大学教授)は2日に第4回会合を開き、LPガス業界の貸し付け配管・無償貸与問題の解決の方向性を検討した。LPガス料金の不透明性に対する問題認識では一致したが、戸建て住宅の貸し付け配管問題と賃貸集合住宅の無償貸与問題はそれぞれ構造や被害者が異なるため、切り離して議論すべきと複数の委員が指摘。制度改正には、業界側から公平な競争環境と取引の安定性、消費者団体から行政の省庁間連携を求める声などが上がった。

料金対策 補助金公募がスタート(振興センター)

LPガスの「設備導入促進」「配送合理化」など

LPガス振興センター(野倉史章理事長)は2月28日、LPガスの「設備導入促進」「配送合理化」の補助金公募を開始した。政府が2022年度第2次補正予算にLPガス料金の激変緩和策として計154億円を計上したもので、いずれの事業も3月13日を第1次締め切りとし、同31日まで受け付ける。採択の優先順位や優遇点などもホームページで公開した。

  • 電力・ガス小委、電力小売りで消費者の理解促進で情報提供充実化を議論
衆院予算委員会でLPガス料金負担軽減へ追加の料金支援要求

エネ庁「財政当局と相談」

衆議院予算委員会が2月20日に開いた第7分科会で、公明党の平林晃議員はLPガス料金の負担軽減策が需要家に幅広く行き渡るよう、追加の対策を求めた。
地方創生臨時交付金の活用で予算枯渇などを理由に事業化の難しい県が出てきており、地域間で不公平感を生じていると指摘した。
資源エネルギー庁の定光裕樹資源・燃料部長は、引き続き自治体での予算活用を呼び掛けるとともに「財源の問題は財政当局と相談する」と応じた。

  • 振興センター、22年度2次補正「災害バルク導入補助」の公募開始
  • 岡谷酸素、野口博一氏が新社長に就任

岡谷酸素は1月20日、野口博一取締役が社長に就いた。野口行敏社長は代表取締役会長に就任。
野口博一(のぐち・ひろいち)氏
2017年明治大学法学部卒業、エフエスユニ入社。21年同社を退社、岡谷酸素入社し取締役に就任。
23年1月から現職。1992年1月27日生まれ、31歳。

  • 3月サウジCP、プロパン70ドル安の720ドル ブタン50ドル安の740ドルに

首都圏版

大多喜ガス、ショールームに個室ベビールーム設置

乳児連れも安心に

mamaroと佐瀬彩央里さん 室内の様子

大多喜ガス(本社・茂原市、緑川昭夫社長)は昨年12月末、完全個室型のベビーケアルーム「mamaro」を千葉市のショールームBeE内に設置した。乳児連れでも安心して訪れ滞在できるショールームを目指す。
2012年に開館した同ショールームでは、こんろ料理体験やエネファームセミナー、衣類乾燥機体験などのイベントを開き、年間約3300組が来場する。外部団体へも貸し出し、料理教室やマルシェ、こども食堂などが行われている。
イベントにはベビーカーで来場するゲストも多く、同社営業本部の佐瀬彩央里氏は「以前までは、多目的トイレでおむつ替えや授乳をお願いしていたが、『用を足す場所で授乳するのは抵抗がある』という声をいただいたこともあり、改善を検討していた」と語った。

  • 栃木県の料金激変緩和策、値引き対応に各社奔走
  • サイサン、埼玉県の第1回「社会貢献賞」を受賞

地方版

北海道=ネンセツ(札幌市)、リフォーム事業が第3の柱に成長

5カ年計画で積極周知

リフォーム事業を周知するチラシ

ネンセツ(本社・札幌市、佐原直人社長)は、リフォーム事業が好調に実績を上げており、LPガスなどのエネルギー販売、水道施工に次ぐ第3の柱に成長している。コロナ下の巣ごもり需要の後押しもあり2021年度は実に1391件のリフォームを受注。今年度はリフォームを地域により根付かせるための5カ年計画の初年度として積極的に周知を図っている。
ネンセツのリフォーム事業は、ネンセツが1974年に札幌市の指定水道業者に登録して以来、水回りのプロとして修繕を行ってきたキャリアがベースとなっている。冬季の水道凍結をはじめ、水漏れなどに対応していくうちに会社のある同市北区新琴似エリアで、「水回り以外も見てもらえる」と徐々に評判を集めるようになったのが事業の立ち上げにつながった。

東北=イワタニセントラル東北、大崎市の障害者施設をバルクとGHPで更新

2補助金を活用

イワタニセントラル東北(本社・仙台市、安田克則社長)は、給湯と暖房に重油ボイラーを使っていた大崎市の障害者支援施設に、災害時対応力を付加した提案を行い、災害バルクと発電機、GHP、マルチ給湯器の設置に成功した。災害バルク補助金のほか宮城県の障害者施設向け省エネ補助金も活用した。
施設は社会福祉法人聖心会の指定障害者支援施設「大崎太陽の村」。事務所や厨房、運動室などの共用部と、入所者の部屋のある男子棟2棟、女子棟1棟からなり、増築した女子棟を除き、築40年以上が経っていた。重油ボイラーで温水を作り、給湯と暖房を行っていたが、暖房の温水配管が漏水するようになっていた。
写真=㊤手前が第1男子棟のバルク貯槽とGHP室外機。奥に第2男子棟の貯槽と室外機、発電機 ㊦マルチ給湯器。右端は即出湯ユニット

  • 東北=泉金物産、ポイント交換カタログを岩手の名産51商品に更新 接点強化の効果も
中部=刈谷市、全21校の体育館にGHP 

2年計画で今年度は14小学校が完了

刈谷市(稲垣武市長)は、今年度と来年度の2カ年計画で市内全21小中学校の体育館や武道場へのGHP導入を進めている。今年度は15小学校のうち14校の体育館への設置が既に完了。室外機は計57台で、すべてアイシン製を採用し、都市ガスとLPガスの両仕様を併用している。全校に災害対応バルク1㌧を設置し、刈谷ガス協同組合(山田文康理事長)がLPガス供給を行う。同組合は1月13日に災害時に市内小中学校にLPガスを優先的に供給する協定を結んでおり、来年度は残り1小学校の体育館と6中学校の体育館・武道場に設置する。
写真=亀城小学校に導入した室外機と災害対応バルク

  • 中部=みよし市、全4中学校体育館に自立型GHPの設置完了 来年度から小学校にも
近畿・四国=徳島シティガス、効率化とDX推進へ

県内1号の「ガスるっく」運用開始

チラシ施策では衣類乾燥機について「オール電化住宅でも設置OK」と明示する

宮﨑智史社長

徳島シティガス(本社・徳島市、宮﨑智史社長)は、ウェブ明細を実現する東洋計器のエネルギー見える化サービス「ガスるっく」の運用を開始した。宮﨑社長は「毎月発生する明細の膨大なコストの軽減は、当社にとって武器になる」と話す。企業としてDXを図りながら、営業活動にメリハリを利かして顧客との面談機会を重視し、衣類乾燥機やファンヒーターの販売で単位消費量アップにも努める。徳島県でのガスるっく運用の第1号となる。
ガスるっくは、顧客ごとに付与するIDとパスワードでログインするポータルサイトを介して行うサービス。カスタマイズして作った徳島シティガスの仕様は「料金明細」「月ごとの使用量」「(LPWA端末「IoT―R」設置先に限り)日々の使用量」「おススメ商品」で構成している。ウェブ明細率の向上のため、顧客への対面周知、導入特典のほか、導入と利用方法を分かりやすく説明する動画作成も検討している。当面の目標は500件のウェブ明細化。将来的にはウェブ明細率を70%まで高めるのが目標だ。

  • 近畿・四国=横田ガス(姫路市)、自社点検で接点強化 LPWA導入も本格化
  • 中国=浅野産業アサノ会、今年は「低炭素社会に挑戦~CO削減~」をスローガンに
  • 中国=広島ガスが独自割引 3月検針分で1立方10円値下げへ
九州=田島(佐賀市)、地域の避難所支える

赤松校区自主防災実践本部と協定 

田島広一社長(左)と蘭晴男本部長が協定書に調印した

田島(本社・佐賀市、田島広一社長)は2月13日、赤松校区自主防災実践本部(蘭晴男本部長)と、佐賀市の赤松公民館で「協働による指定避難所運営に関する協定」の調印式を行った。災害時に指定避難所へ炊き出し用設備の提供などを行うもので、必要に応じて防災訓練や研修も実施する。
赤松校区は佐賀県庁や県立美術館・博物館、佐賀城跡のある城内を中心に、赤松町、与賀町、鬼丸町、中の館町、水ヶ江など広範囲にわたるエリア。同社では以前から赤松校区の市民活動団体である「赤松まちづくり協議会」に災害時に備えた連携を働きかけており、同社の活動が実を結んだかたちだ。

  • 九州=熊本県協青年委員会、献血活動に会員71名が協力

住設・新技術

  • リンナイ、水漏れ検知や故障予測に対応の業務用給湯器を6月発売へ

6月20日に発売される業務用ガス給湯器RUXC-SE5001W

リンナイ(本社・名古屋市、内藤弘康社長)は6月20日に業務用ガス給湯器「RUXC―SE5001シリーズ」を発売する。同シリーズは新開発の遠隔監視システムを搭載。本体の水漏れ検知や故障予測に対応。また給湯器の心臓部である熱交換器の耐久性を向上させ、最大30台の連結運転で業界最高となる1500号の高い出湯能力を誇る。
新シリーズは本体質量を業界最軽量の49・5㌔㌘まで軽量化した。内部構造を一新したことで外形寸法は現行品の360㍉㍍から280㍉㍍に縮小。都市部の屋上など限られた設置スペースにも対応可能だ。また連結運転する場合にも専用の連結スタンドや配管セット、架台カバーなどを組み合わせることで、搬入が難しい場所にも簡単に設置することができる。
その他、熱交換器のパイプ肉厚の大幅アップをはじめ耐塩害、耐湿、耐水、耐塵、耐風性を備えるなど、業務用ならではの耐久性と設置性にも優れている。

  • プレミアムウォーター、ボトル交換が容易な下置き型サーバーを投入
  • ノーリツ、原材料などコスト高で希望小売価格を改定

<システム特集>周辺サービス・端末も一堂に

デジタル化の一歩先へ 将来見据え事業高度化
業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指し、その前段のデジタル化が活発化している。LPガスの業務基幹系システムは保安台帳をベースに発展しており、長期の継続的取引を前提とした濃密な顧客情報のデータベースになっている。これらのデータは、さまざまなデジタルツールやデバイスと組み合わせることで多彩な経営効果をもたらす。特に労働集約型産業のLPガス事業では、これらを活用し人材の有効活用につなげる意義は大きい。将来を見据え、可能な限り合理化や事業の高度化を図っていく必要がある。本特集は業界の基幹システムとその周辺のシステムやサービス、端末を紹介する。同時にこれらのシステムを取り巻く課題や異業種も含めたIT業界の動向も示し、LPガス事業者の改革の一助としたい。
「基幹」軸にDX加速 LPWA検針の活用カギ
インボイス対応急ぐ 連絡会議が業界向け指針

  • 愛知時計電機=検針・保安から配送・請求 端末つなぎ合理化
  • アサミ情報システム=使いやすさ最優先 カスタマイズ対応も柔軟に
  • アイネット=明細表に全方位対応 決済までワンストップ
  • アクセス=販売店や保安センターにサーバー共用を提案
  • アンドパッド=工事の手順を円滑化 リフォーム事業を後押し
  • イルキ=マイページ一体型販売管理 自由度と拡張性高く
  • ingコーポレーション=データ活用自在に 監視業務の受託も拡大
  • エナジー・ソリューションズ=ゼンリンと連携 配送効率化に拍車
  • NTTテレコン=効率化へ新基盤提供 グループ力で総合支援
  • オプティマインド=配送業務を非属人化 ラストワンマイル最適に
  • 沖縄情報システム=ウェブ明細を全国に 紹介・口コミで販路拡大
  • カラーコーディネーション=問い合わせ一元管理 郵便番号別に自動振り分け
  • キャッチボール=口座振替サービスに注目 未回収リスクを解消
  • システムアンドリサーチ・AQライフ=「EGG-NAVI」普及加速 LPWAと連動拡大
  • ジェイ・ソフト=端末メーカーと連携強化 検針データ活用自在
  • 四国電力送配電=長期安定規格前面に 電力スマメで近距離通信
  • ゼンリンデータコム=地図と周辺ソリューション 現場に最新ノウハウ
  • 中部電力=通信安定性前面に 専業発足、サービス拡充
  • 東京技工=顧客情報、地図で可視化 営業スピードアップ
  • TRUSTART=不動産ビッグデータ提供 新規客開拓を支援
  • 日商エレクトロニクス=現行配送の課題整理 最適配車へ診断サービス
  • ニチガス=「無人荷受け」業界に 効率化ノウハウ続々と
  • NESI=災害時情報漏れなく リアルタイムで全体把握
  • ハートリンクス=ウェブ請求で合理化 ポータルサイト投入計画
  • パーパス=「AZ共奏会」立ち上げ DXで事業リビルド
  • パナソニック=集中監視業務一手に 設置から運用・保守
  • FunFusion=SMS軸に合理化支援 親会社と4月合弁で基盤拡充
  • ブレインジェネシス=インボイス対応万全 新体制でサービス拡充
  • ミノス=基幹業務システム、予測配送の効果大 電力CIS、環境変化に即応
  • マルトウコンパック=検針・点検・顧客情報管理 携帯端末3種が好評
  • 矢崎エナジーシステム=業界DXへソリューション 集中監視周り一手に
  • 両毛システムズ=決済業務を顧客ポータルで合理化

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