総合面
27年度LPガス需要、1286万トン見込む
家業用や車用の減少響く
総合資源エネルギー調査会石油市場動向調査ワーキンググループ(座長=橘川武郎・国際大学教授)は3月30日に開いた第9回会合で、2027年度の国内LPガス総需要(電力用除く)を1286万㌧とするなど、石油製品需要想定検討会の23〜27年度需要見通し案を了承した。22年度実績見込みは前年度比4・7%増の1312万㌧まで回復するが、以降は家庭業務用や自動車用などの減少が響いて微減に転じる見通しだ。
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22年のLPガス事故、41件増の261件
死者ゼロも負傷26人に増加
経済産業省ガス安全室の集計によると、2022年のLPガス一般消費者事故件数(速報値)は、前年比41件増の261件だった。事故件数は2年連続の増加で、12年の260件に並ぶ高い水準。死傷者数は過去最少だった前年21人から5人増加して26人(死者なし)となった。一方、B級以上事故はゼロ、CO中毒事故は4年連続のゼロを記録した。
増加要因は販売事業者起因、他工事業者起因、雪害などが目立ち、LPガス安全高度化計画に沿って「傷害事故25件未満」の持続的な達成に向けた重点対策が求められる。
経済産業省は1日、商務情報政策局産業保安グループ保安課ガス安全室長に前中国四国産業保安監督部四国支部長の山下宜範氏を起用する人事を発令した。前ガス安全室長の岡本繁樹氏は併任していた同局鉱山・火薬類監理官を継続する。
山下宜範(やました・たかのり)氏 1991年通商産業省(現経産省)入省。2006年資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課国際協力推進室、
08年在クウェート大使館一等書記官、12年通商政策局中東アフリカ課課長補佐(中東湾岸担当)、15年JOGMECシドニー事務所長、19年エネ庁長官官房国際課統括資源エネルギー調査官、21年4月中国四国産業保安監督部四国支部長を歴任。広島県出身。54歳。
需要期抜けCP大幅安
中東供給増、中印需要後退
4月CPはプロパンがトン当たり前月比165㌦安の555㌦、ブタンは同195㌦安の545㌦と大幅に下落した=既報。アーガスメディアは値下げの背景に北東アジアでの季節需要の後退と、中東からの供給が増加するとの観測が根強いことを挙げる。サウジアラビア・ヤンブー、アブダビ・ルワイス両港の定期修理が明け、出荷が増える見通しだ。
インド需要の弱まりも4月CPに対する下方圧力となったと分析する。2月CPの値上がりと天然ガス価格の下落を受け、同国の工業セクターでは燃料をLPガスから天然ガスに切り替える動きが広がっている。
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首都圏版
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地方版
北海道=帯ガス燃料、エネ節約術を伝授
光熱費無料相談会で 燃転の呼び水に
イトーヨーカドー帯広店で開いた相談会。エネルギー価格の高騰に悩む主婦らが気軽に立ち寄った
帯ガス燃料(本社・帯広市、内木敬典社長)は3月28日、市内のイトーヨーカドー帯広店で光熱費無料相談会を開いた。家庭のエネルギーコストが騰勢を強めるなか、燃焼機器の効率的な使い方やオール電化からの燃転相談に乗った。
光熱費相談会は同社初の試み。2022年のウクライナ危機勃発を機に都市ガス、電力とも毎月のように値上げする状況を迎えた。特に電力は今年6月に北海道電力が料金の上限を撤廃、現行料金から34・87%の値上げに踏み切る。オール電化住宅は既に月の電気代が10万円を超すところもあり、帯ガス燃料にはたびたび相談が寄せられていた。こうした状況を踏まえ、鈴木圭介常務が「節約術の伝授を通じ、エネルギーについてのあらゆる相談に乗りたい」と相談会を企画した。
東北=常磐共同ガス、カーボンオフセットガス供給先を業務用で351件獲得
今年は集合住宅に照準
カーボンオフセットLPガスの購入を決めたいわき市の「とりや食堂」。店主(右)に供給証明書を手渡した
小野寺智勇社長
常磐共同ガス(本社・いわき市、小野寺智勇社長)はカーボンオフセットLPガスの提案に取り組み、昨年1年間で供給先を351件獲得した。一般家庭以外を対象に提案を進めた結果、購入客の半分を飲食店が占めた。
同社はガスワングループ全体で「カーボンニュートラルへの挑戦!」を掲げたのに合わせ、一昨年12月からカーボンオフセットLPガスの販売を開始。同月中にプロサッカークラブいわきFCのクラブハウスと商業施設が併設された「いわきFCパーク」に供給する契約を結んだ。これを皮切りに、昨年1月から本格的に供給先の開拓を展開した。
中部=能美市、根上体育館に自立型GHPを導入 市営全3館に設置が完了
大城エネルギーがLPガス供給
電源自立型を6台新設した
能美市(井出敏朗市長)は根上勤労者体育センターにLPガス仕様の電源自立型GHP計120馬力を新設し、4月から使用を始めた。すべてヤンマーエネルギーシステム製室外機(20馬力)6台で、昨年6月29日~今年2月
17日の工期を経て設置を完了。富士工器製の985㌔㌘縦型バルク2基を設置し、大城エネルギー(本社・能美市、西本和喜夫社長)がLPガス供給を行う。
館内は天井カセット型と天吊り型の室内機合計24台で冷暖房を行う。バルクには東洋計器のLPWA端末「IoT―R」を取り付け、LPガス残量が50%を切らないように常時監視している。
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近畿・四国=大東市、中学4校体育館にLPガス仕様GHPと発電機を設置
残り4校も導入予定
大東市(東坂浩一市長)は2022年度、市内全8校の中学校のうち、4校の体育館にLPガス仕様のGHPと発電機、災害対応型LPガスバルク供給システムを導入した。残り4校も今年度、LPガス空調や発電機を採用し、強靭化を図っていく方針。LPガスは今回の採用に向けて、地域の販売事業者らで設立した大東ガス(本社・大東市、村川充社長)が供給する。
市は児童などの学習、生活の場のみならず、地域住民にとり身近な公共施設であり、災害発生時には地域の避難場所としての役割を果たすとし、大規模災害時には迅速に避難所としての運営が必要であると判断。また、快適で豊かな学習環境を確保するため、災害対応力や供給体制を評価し、LPガス災害バルク等の導入補助金を活用し、LPガスを熱源とする空調システムと発電機の採用に至った。
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中国=鳥取ガス、「エネトピア」浸透へ
鳥取市民体育館のネーミングライツ契約
鳥取市との調印式の様子
鳥取ガス(本社・鳥取市、児嶋太一社長)は鳥取市(深澤義彦市長)と鳥取市民体育館のネーミングライツスポンサーの契約を締結した。4月から同体育館の愛称は「鳥取市民体育館エネトピアアリーナ」となった。
同社は2018年、創立100周年を機にブランド名を「エネトピア」に一新した。エネトピアは「エネルギー」と「ユートピア」を組み合わせた造語。ネーミングライツスポンサーは同体育館のリニューアルに当たり、鳥取市民体育館再整備事業者から同社が提案を受け、鳥取市と協議し、このほど合意に至った。
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住設・新技術
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理研計器(本社・東京)は1日、松本哲哉取締役常務執行役員生産本部長兼理研計器奈良製作所社長を社長に昇任した。小谷野純一社長は取締役に就き、6月開催予定の株主総会で退任する予定。
松本哲哉(まつもと・てつや)氏 1987年7月理研計器入社。2006年執行役員経理部長兼経営監査室長、07年管理本部経理部長兼社長室長、09年取締役執行役員管理本部総務部長兼経営企画室長、17年取締役常務執行役員、18年理研計器奈良製作所社長、21年生産本部長兼生産管理部長、22年4月生産本部長。64年10月13日生まれ。東京都出身、58歳。