総合面
全国のLPガス販売事業者、事業環境厳しく減少続く
22年は444者減の1万6381者
経済産業省ガス安全室が6日に発表した2022年
12月末時点の全国LPガス販売事業者数は1万6381者となり、前回統計の21年12月末から444者減となった。所管別では本省が前年末比1者減の47者、産業保安監督部が同3者減の184者、都道府県が同440者減の1万6150者。災害時にも強い分散型エネルギーとしてLPガスの活用が期待されるものの、同業者間やエネルギー間の競合、消費量の減退、後継者難などを背景に、商圏譲渡や経営統合などによる事業者数の減少傾向に歯止めがかからない模様だ。
サイサン、CO2クレジット1万トン超え
LPガス換算で3715トン分
カーボンオフセットLPガスの供給先のひとつである花巻市の花巻東高校
サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は販売したカーボンオフセットLPガスによってオフセットされたCO2クレジットが2月末で累計1万1145㌧(LPガス換算で3715㌧)に達した。
カーボンニュートラル(CN)への取り組みとしてGasOneグループと販売店会が業務用を中心に2021年12月からカーボンオフセッLPガスの販売を開始し、現在は不動産管理会社を通じて集合物件にも供給している。供給契約は累計3千件に達した。同社はJクレジットのみならず海外のボランタリークレジット(民間主導のカーボンクレジット)を付与したLPガスをジャパンガスエナジー(本社・東京、大浜健社長)から調達し、現在までに合計3万㌧のCO2クレジットを購入した。
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ニチガス、機能別にグループ再編
今月末に内容発表へ
柏谷邦彦社長
柏谷邦彦・ニチガス社長は12日、横浜市の鶴見営業所開所式であいさつし、小売、分散型エネルギーソリューション、インフラの3機能に合わせてグループ組織を再編する考えを示した。今月下旬の2023年3月期通期決算の発表に合わせて公表する。
柏谷社長は、直近3年間でエネルギーを取り巻く環境が大きく変化し、調達の不透明感や電化推進によるさらなる価格高騰が予想される一方、分散型エネルギー技術が急速に進化してきたと指摘した。
- エネサンス中部、新社長に田部克志氏
エネサンス中部(本社・愛知県蟹江町)は3月24日、田部克志副社長兼業務部長が社長に昇格した。
田部克志(たべ・かつし)氏 1988年4月昭石ガス入社、2003年横浜支店長、08年エネサンスホールディングス内部監査部部長、14年エネサンス関東管理部部長、16年エネサンス中部取締役、18年同常務、20年エネサンス九州常務、22年エネサンス中部副社長
- エネサンス東北、関根徳幸氏が新社長に
エネサンス東北は3月28日、関根徳幸代表取締役副社長兼企画本部長兼営業本部長が社長に昇格した。
関根徳幸(せきね・のりゆき)氏 1992年4月住商液化ガス入社、2006年住商液化ガス中央神奈川事業所長、11年エネサンスホールディングス経営企画部副部長兼人事部副部長、15年3月エネサンス東北取締役管理部長兼企画室長、20年同常務企画本部長兼企画部長、22年同代表取締役副社長兼企画本部長兼営業本部長
首都圏版
エナキス(上田市)、本社移転で意欲新た
働きやすくBCP強化
高速道路にアクセスしやすくなった新本社
2月に本社を移転したエナキス(本社・上田市、長瀬吉夫社長)は、社員の意見を反映して作り上げた新社屋で新たなスタートを切った。働きやすい環境を整え事業継続計画(BCP)を強化。市街に近く高速道路にアクセスしやすい立地で緊急時対応の迅速化も図った。
新社屋は3階建てで1階は従来の上田支店、長野営業所、佐久営業所を統合して発足した東北信支店の事務所。2階に本社、3階に社長室と集会スペースがある。
移転に向けて社員の意見を取り入れ、内装や各部屋のデザインを固めていった。その一環でカフェのカウンター風のフリースペースを作った。テーブルはノートパソコンで作業しやすい奥行きで他の拠点から訪れた社員も利用できる。会社のイメージカラーに合わせた会議スペースを設け、それぞれに大型のモニターを配置する。アフターコロナを見据え、リモートでの会議や打ち合わせにも役立つ設備にした。
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ミライフ、「こども110番のお店」に
全35拠点
ミライフの全拠点に掲げた110番ステッカー
ミライフ( 本社・東京、塚越二喜男社長)は1日、地域貢献の一環で「こども110番のお店」の活動を東京都と神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨県の全35拠点で始めた。地域に根ざした事業を展開する特徴を生かし、子供たちが安心・安全に生活できる地域社会の創出に寄与する。
こども110番のお店は、子供たちが危険に遭遇した際に助けを求め飛び込める緊急避難先として店舗などで子供たちを保護し、必要に応じ警察などへ連絡する活動。店舗や事務所、車両にステッカーを掲示して周知する。日常生活で近所の子供たちが犯罪などの被害に遭いそうな状況を発見した場合も警察や学校などに連絡する。
地方版
北海道=道協、今期の総会は本支部とも対面で開催
一部では懇親会も
今月下旬から始まるゴールデンウイークが終わると総会シーズンの幕が開ける。2023年度は5月17日午前10時半の北海道LPガス協会胆振支部を皮切りに、地方支部の定時総会が開かれる。協会本部は6月2日に開く予定。今年度は多くの支部が60周年の節目を迎え、式典を計画しているところもある。
東北=郡山事故、過失認定困難で不起訴に
事業者や保安機関(福島地検)
2020年7月に起きた郡山市の飲食店爆発事故について福島地方検察庁は3月31日、書類送検されていた販売事業者や保安センターなどの5人を過失認定が困難との理由で不起訴にしたと明らかにした。
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中部=伊賀市がLPガス料金補助
三重県協が会員に説明
三重県LPガス協会(中井茂平会長)は4日、伊賀市のゆめテクノ伊賀で「伊賀市LPガス料金負担軽減支援補助事業」の説明会を開き、地元の会員ら61人が参加した。県協会によると、市単位で家庭用LPガス料金の直接的な補助事業を実施するのは伊賀市が全国で初めてという。説明会では、市
内2万6千件のLPガス世帯に対し4〜9月使用分で検針ガスメーター1個当たりの基本料金と従量料金の合算請求額が月間で税別400円を超えた場合に同400円を値引く同事業の公募要項や、申請・提出書類、スケジュールなどを解説した。
近畿・四国=伊丹産業、バイフューエル化した「ヤリス」を2台導入
一般企業の社用車向けに活用を提案
LPGバイフューエル化したトヨタのコンパクトカー「ヤリス」
カーゴルームに搭載した43㍑LPガス容器
伊丹産業(本社・伊丹市、北嶋太郎社長)は6日、トヨタ「ヤリス」ガソリン車をLPガスとのバイフューエル仕様に改造した車両2台を導入した。同社はLPG車を多数保有するがヤリスのLPG車は初めて。ベース車両の経済的な新車販売価格に加えLPガスの環境性や災害対応力、バイフューエル化による長航続距離を生かし、LPガス販売事業者や一般企業の社用車向けに活用を提案する。
伊丹産業は社用車1393台のうちLPG車が987台を占め、オートガススタンドを43カ所で運営。LPG車を企業価値を高めるアイテムと位置づけ、経済・環境性や東日本大震災で証明された災害対応力を広く周知している。毎年、LPガス自動車を需要開拓の目標として数値化し、今年度は180台の紹介を掲げている。
- 近畿・四国=中島商事(東近江市)、創業60年記念誌を製作 地域に愛され成長継続へ
- 中国=住まいの困りごと何でも イワタニ島根大田がエコ商談会
- 九州=ダイプロ、取引窓口8万件・実検針5万戸・電気1.8万件達成へ全力
- 九州=飯干商事 情報発信たゆまず 月刊ミニコミ紙100号を突破
九州=板井林業(臼杵市)、電化宅に切り込み
衣類乾燥機を定額制で30台新設
無料貸し出しから成約に至るケースが増えた
板井信一郎社長
板井林業(本社・臼杵市、板井信一郎社長)が展開するガス衣類乾燥機「乾太くん」のサブスクリプション(定額制)プランが好調だ。これまで客先に設置した38台のうち30台が定額制プラン開始以降に新規で増えた分(3月時点)。全顧客の10%への普及を目標に掲げ、共働き世帯や子育て世帯に家事軽減を訴求し台数を積み上げている。定額制プランに乗り出したのは2021年5月。圧倒的な時短を実現するアイテムとして、チラシ配布と地元ケーブルテレビのCMで訴求した。デモ機による予約制の無料貸し出しサービスが好評で、ベランダなどに置いてお試しで使ってもらい、効果を実感してもらえたらほとんどが成約となり、口コミでさらに広がっている。CMを見て問い合わせがあったデイサービス施設で採用されたケースでは、同業他社が供給する施設だったため、無用のトラブルにならぬよう乾太くん専用の容器を新たに立てて供給している。
住設・新技術
ノーリツ、オゾン水で配管除菌の24号エコジョーズ発売
人体熱モデルで健康入浴
7月3日に発売する「GTC72シリーズ」
ノーリツ(本社・神戸市、腹巻知社長)は7月3日、99%以上の除菌水を生成する「AQUA OZONE(アクアオゾン)」技術を用いたオゾン水除菌ユニットで風呂配管を除菌し、排水口にたまる水のにおいを抑制する24
号風呂給湯器エコジョーズ「GT―C72シリーズ」を発売する。フルカラー液晶と選べるデザインのカラータッチパネルを搭載した無線LAN対応の高機能リモコン「RC―K001Wシリーズ」も同日発売する。
- 昨年のLPガス容器生産9.3%減 バルク4.6%減 価格高騰が響く
GHPとコ・ジェネ版
- 23年度電力需給見通し、7月の東京は予備率3%と厳しく
2022年度のGHP販売、0.4%増の2万6914台
LPガス機は8.9%減の5807台に
GHPコンソーシアムがまとめた2022年度のGHP国内販売実績によると、LPガス、都市ガス両仕様機を合計した販売台数は2万6914台(前年度比0・4%増)、容量ベースで49万5549・5馬力、139万881・1㌔㍗(同0・4%増)となり、前年実績をわずかに上回った。ガス種別ではLPガス仕様機が5807台(同8・9%減)10万6520・5馬力、29万8893・1㌔㍗(同9・4%減)と減少したが、都市ガス仕様機は2万1107台(同3・3%増)、38万9029馬力、109万1995㌔㍗(同3・4%増)と増加した。
公立学校の体育館空調で岸田首相が支援表明
参院決算委で公明議員が訴え
3日に開かれた参議院決算委員会で、公明党の安江伸夫議員が体育館空調へのLPガス活用について評価を求め、岸田文雄首相から「継続的な支援を行っていく」との回答を引き出した。
安江議員は、災害時に避難所としても機能する小中学校体育館について、平時の利用も含めて、快適で安全に過ごすためにはエアコンの整備が重要であると指摘。夏場の酷暑などを踏まえて、一層の整備支援の拡充を訴えた。またこの整備に当たって、緊急時の動力確保の観点からLPガス利活用が重要であるとも強調。岸田首相に、公立小中学校体育館へのエアコン整備の必要性についての認識とともに、LPガスや都市ガスで稼働するGHPへの評価を求めた。
これに対し岸田首相は「学校施設は児童生徒の学習生活の場であるとともに、災害時には地域の避難所としての役割も果たすことから、体育館などにおける空調設備の設置、これは重要な課題だと認識をしている」と回答。併せて災害時の空調動力源として、LPガスや都市ガスが選択肢の一つとして機能することは認識しているとして「引き続き政府として、災害時に避難所にもなる学校の体育館等について、自治体による空調設備の設置、これを支援していきたい」との意向を示した。
今後5年のLPガス需給見通し
災対ニーズでGHP関連はプラスに
総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会石油・天然ガス小委員会石油市場動向調査ワーキンググループ(座長=橘川武郎国際大学大学院国際経営学研究科教授)は3月31日に開いた第9回会合で、今後5年(2023~27年度)のLPガス需要見通しを取りまとめた=一部既報。LPガス需要全体の40%を占める家庭業務用需要では、レジリエンス需要の高まりからGHP関連の需要増が見込めるとした。
- ダイキン、東京支社を八重洲に移転 新オフィスで業務一新