プロパン・ブタンニュース

総合面

経産省、ガス機器で水素混焼試験

脱炭素を視野に技術基準の知見蓄積へ

経済産業省は2023年度の委託事業として、都市ガス機器とLPガス機器を対象に水素混合ガスによる燃焼性調査を行う。カーボンニュートラル社会の実現に向け、都市ガスやLPガスが水素混合ガスに変更され、既設のガス燃焼機器がそのまま継続使用される場面を想定。水素や水素混合ガスを燃料とする燃焼機器の安全性能について、技術基準の整備に資する知見の蓄積を目指す。

  • 波方ターミナルのLPガスタンクをアンモニア転換検討 7社が協議会設立
エア・ウォーター、大阪・関西万博に出展 

「ミライのくらし」テーマに

大阪パビリオンのイメージ

エア・ウォーター(本社・大阪市、豊田喜久夫会長)は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で大阪府・市などの「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn(大阪パビリオン)」に出展参加する。これまで培った医療やヘルスケア、農業・食品、資源循環や防・減災などの技術を結集し、「人々の健康」「社会の健康」「地球の健康」を基盤に、豊かで幸福な人生を安全・安心に築き上げる「ミライのくらし」をテーマにした展示を行う。来場者の心を動かし、会期終了後も人々の行動変容を通じ、サステナブルな社会の実現につながるコンテンツを企画する。同社は「地球の望みを、社会の恵みに。」を存在意義に掲げ、地球環境とウェルネス(健やかな暮らし)を成長軸として社会課題解決への貢献を目指している。大阪パビリオンでは医療やヘルスケアが日常に溶け込んだ2050年以降の未来の都市生活を展示ストーリーに設定した。

<トップインタビュー>日本ガス石油機器工業会・内藤弘康会長

高効率給湯器 導入補助金の活用を

価値向上とPR 商品に「魅力付け」
 内藤弘康・リンナイ社長は3月3日付で日本ガス石油機器工業会(JGK)会長に就任した。2023年度事業計画基本方針には製品安全事業をはじめ、機器の需要拡大、環境問題への対応などを盛り込んでいる。生産状況の回復を経た足元の取り組みや、50年のカーボンニュートラル(CN)を見据えた長期的なビジョンについて聞いた。
◇   ◇
―最重要課題と位置付ける製品安全への取り組みをお聞かせください。
長期的に見るとガス機器による重大事故の件数は減少している。2月末現在で累計4865万台を出荷したSiセンサーコンロは、確実に事故件数の減少に貢献している。引き続きSiセンサーコンロのさらなる普及と、10年以上の長期使用品のリスクの啓発、点検の推奨に努めていく。
一方、インターネットを経由した、日本の安全基準を満たさない製品の流通や長期間使用された中古品の売買、無資格工事や修理を助長する動画などが増加している。実際に無資格工事に起因する事故も発生しており、工業会ではチラシによる注意喚起、啓発のほか、経済産業省と連携したネットパトロールを行っている。
―昨年、給湯器を中心としたガス機器の生産状況は回復に向かいました。

  • TGL操作に特別教育を厚労省が義務化 5トン未満も保護帽着用へ
  • 取引適正化、賛成73%、反対4%、態度保留23% 小規模店ほど賛成が多い傾向
  • ニチガス、訪問販売3カ月停止 予定通知受け改善へ

首都圏版

岡谷酸素が90周年感謝祭 

6334人迎え盛大に

6億7800万円を売り上げた「オカフェス」

野口博一社長

岡谷酸素(本社・岡谷市、野口博一社長)は15~16日、長野市の若里多目的スポーツアリーナ「ビッグハット」で創業90周年感謝祭「オカフェス」を開いた。野口社長就任後初となる大型イベントで、新体制のもと決意を新たにスタートを切った。2日間で6334人が来場し6億7800万円を売り上げた。
コロナ禍を乗り越え、リアルなイベントを望むユーザーのニーズに対応した。産業ガス、LPガス、環境・空調、医療ガスの全4部門が約120のブースを出展し、来場者を楽しませるイベントやセミナーも行った。

  • パロマ静岡、現場サポートを強化 DMや動画撮影も
  • 静岡県協、富士市・富士宮市と災害援助で覚書

地方版

北海道=エア・ウォーター、垂直ソーラー発電を開発 

両面受光型で設置面積を極小化

エア・ウォーター・ライフソリューションの敷地で実証稼働する「ヴァルパ」。

エア・ウォーター(本社・大阪市、豊田喜久夫会長)は13日、札幌市のエア・ウォーター・ライフソリューションで高性能両面受光型・垂直ソーラー発電システム「VERPA(ヴァルパ)」を5月から全国発売すると発表した。小さな敷地に設置できる利点をテコに拡販し環境ビジネスの支柱に育て上げる。
5月から全国発売
AWは昨年秋からドイツの両面受光型太陽電池パネルメーカー、ルクサーソーラーと共同で開発を進めてきた。発電パネルを平置きや傾斜型に置く従来型と違って垂直に設置するため、占有する土地面積が極めて小さくて済む。ショッピングセンターや大型の公園の駐車場、道の駅、農地、放牧地への設置を可能にした点が最大の特徴だ。

  • 北海道=上士幌・鹿追・厚沢部に計37戸の再エネ道営住宅建設へ
東北=タプロス会、コミュニケーションの回復を

「地域密着」の展開へ

会場に集まっての総会開催は4年ぶり

木村繁社長

タプロス(本社・秋田市、木村繁社長)の取引先でつくるタプロス会(佐澤公明会長)は7日、秋田市の秋田キャッスルホテルで定時総会と研修会を行った。木村社長は、洋上風力発電が秋田県の「転換点」になると指摘した。また、「業務連絡ではないコミュニケーションを回復させよう」と呼びかけた。

中部=三谷産業イー・シー、太陽光パネルのカーポート型を実装販売

三共立山と協業で

カーポート型太陽光パネル

太陽光活用イメージ

三谷産業イー・シー(本社・野々市市、山崎泰司社長)は、同社が扱う太陽光パネルやパワーコンディショナーなどを三協立山三協アルミ(同・高岡市、西孝博社長)のカーポート型太陽光パネル架台に実装し、4月1日から販売を始めた。今回の協業は、両者の太陽光発電とカーポートに関する見識を生かしながら再生可能エネルギーの活用を提案するのが狙い。

  • 中部=伊賀市のLPガス割引条件、請求額400円以上に補助(地方創生交付金を活用)
近畿・四国=鳴門ガス、宮城ガスを合併し「LifePort小松島」開設

オープンフェアで周知

フェアを開催し、周知活動を図った

ロゴは地域の目印となり行き先を照らす灯台の光をモチーフにした

鳴門ガス(本社・鳴門市、中岸雅夫社長)は1日、子会社の宮城ガス(本社・小松島市、同)を吸収合併し、鳴門ガス小松島営業所「LifePort小松島」を開設した。8~9日には小松島市の小松島ショッピングプラザルピアでオープニングフェアを開催。同フェアは名称変更に伴い認知度を高めるために企画し、自社のLPガス顧客に対して周知、278人が来場した。
鳴門ガスは2018年、エネルギー間競争の勝ち残りを目指し、宮城商事と合併し宮城ガスを設立。県北部を主な供給区域とする鳴門ガスと、県央東部を商圏とする宮城商事の強みを生かした事業を展開している。鳴門ガスは次のステージへ進むため、1日付で宮城ガスを吸収合併し小松島営業所を開設。暮らしに寄り添う暮らしの港をテーマに「LifePort小松島」を通称として用いて、顧客のさまざまな困り事に対応する姿勢を示した。

近畿・四国=<新風見参2023>徳島県協青年部会長・塚本慶太郎氏

協調と情報共有が重要

塚本慶太郎氏

昨年5月26日、徳島県LPガス協会総会後の理事会で青年部会長兼県協会副会長に就任した。青年部の意義について「次代の県業界を担う若い人同士の交流が持てる場は重要」と語る。徳島県協会では青年部会長が協会副会長も兼任する。「親会に向け若い世代からの意見を発信しやすい点も大きい」。
課題は部会員の増員。「現在14人で、次代を担う若い経営者子息たちにとって情報共有の場にするため勧誘に努めたい」という。防災・保安面での情報共有はもちろん、販売面でもノウハウを共有していく。「例えば、衣類乾燥機の販売でわれわれは子供がいる世帯をターゲットにしがちだが、高齢者に対しても数多く成約を上げる部会員がいる。高齢者が屋外に洗濯物を干す際の転倒の不安を解消できる点を家族にPRし、成果を上げる工夫を共有した」と話した。

中国=山陰酸素、「山陰ガスらぶフェア23」展開

燃転と衣類乾燥機重点に

山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)は今年度もヤマサン会販売促進事業「山陰ガスらぶフェア23」を実施する。今年度は「NextSelect~未来のために今できること~」と銘打った燃転によるガス機器拡販キャンペーンと、ガス衣類乾燥機拡販キャンペーンを展開する。
ガス機器拡販キャンペーンは▽燃転によるCO排出量削減効果「低炭素化」の意識付け▽光熱費削減を中心とした省エネ提案の推進▽顧客との接点強化▽家庭用LPガス消費量の増量―が目的。電気・灯油機器からガス機器に買い替えた顧客に「選べる山陰の特産品」をプレゼントする。給湯燃転555件の達成と、燃転での機器更新により200㌧のCO排出量削減を目指す。

九州=増田石油(福岡市)、100周年に向け「挑戦できる社風に」

都心需要を開拓

増田成泰社長

増田石油(本社・福岡市、増田成泰社長)は2026年に迎える創業100周年に向け企業風土改革を進めている。「100年を超えてもなお成長・発展していくためには個人と企業両方の成長が不可欠」として、社員一人ひとりが新たなチャレンジを創出できる改革に取り組む。
脱炭素の潮流の中でLPガスやガソリンなど化石燃料に偏重したビジネスを展開していく限り、環境は厳しさを増す一途という認識で、コアビジネスであるエネルギー事業とそれ以外の事業を両輪で進めている。近年は保険の取り扱い、地域に密着したコンビニエンスストアやコーヒー店、Eコマース事業など多彩な生活様式に寄り添ったビジネスの幅を広げるとともに、教育環境を内製化し、スキルを磨くためのさまざまなプロジェクトを立ち上げてきた。

九州=田島(佐賀市)、審査員特別賞を受賞 

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で

審査委員特別賞を持つ田島広一社長

田島(本社・佐賀市、田島広一社長)が第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で審査委員特別賞を受賞した。3月17日に東京・千代田区の法政大学ボアソナード・タワーで授賞式が行われた。
同賞の応募資格は▽過去5年以上、希望退職者募集や人員整理をしていない▽重大な労働災害を発生させていない▽一方的なコストダウンなど理不尽な取引を強要していない▽障害者雇用率が法定雇用率以上▽営業黒字で納税責任を果たしている▽下請け代金支払い遅延等防止法等の法令違反がない――の全項目に該当していることが条件。

住設・新技術

  • マイコンメーターの前期生産1割減 今期も谷間で160万個予想
  • 愛知時計電機、「アイチクラウド」がドコモ回線も利用可に 来年1月から
  • パーパス「AZ共奏会」発足 ユーザー挙げDX加速へ
  • ノーリツ、マルチ給湯集合排気システムを全国に販売拡大 油だき転換促進

特集記事<佐藤エネルギー、エコジョーズ1300台達成の軌跡>

・足掛け13年「LPガスの復権」具現
北海道南部の有力販売事業者、佐藤エネルギー(本社・函館市、佐藤幸信社長)が戸建て住宅を中心にエコジョーズの設置を始めてから13年が経過した。設置台数は2021年8月30日に1千台に達し、今月には累計1300台に到達した。普及への意欲は依然とどまることを知らない。
10年当時、社長だった佐藤幸正会長の思いが社業におけるLPガスの地位を引き上げたと言える。1300台達成までの軌跡を振り返る。
・街をクリーン・強靭に 原発止まり機運拡大
・佐藤幸信社長=単位消費量アップに挑む GHPや省エネ機器を普及へ
・「早くて助かる」施工力 納得いく説明で関連業者の信頼も厚く

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