総合面
賃貸ガス料金への設備費計上禁止へ エネ庁、違反に罰則・監視強化
27 年度メドに三部料金を徹底
資源エネルギー庁は、賃貸集合住宅のLPガス料金について経済産業省令を改正し、配管や給湯器、エアコンなどの設備費用の計上を禁止する方針を固めた。2027年度をメドに、設備費用を外出しした三部料金制への移行を徹底し、違反した際の罰則規程を設ける。併せて24年夏をメドにLPガス事業者から賃貸オーナーなどへの「正常な商慣習を超えた利益の供与」も禁止。フォローアップ調査や立ち入り検査での確認のほか、匿名の通報窓口を設けて監視体制を強化する。
- LPガス販売、22年度は20%の増加 電力は全電圧種で減少(エネ研まとめ)
- 物流関係閣僚会議、24年問題の対策推進 LPガス業界は供給網維持に対応
<トップインタビュー>ジクシス・田中惠次社長
LPガスは優れたエネ 新中計低・脱炭素化もテーマ
前住友商事常務執行役員の田中惠次氏が4月1日付で、ジクシスの社長に就任した。繊維分野が長いが、海外での新規事業立ち上げを経験し、40代から50代に2社の経営を任された。テレビ通販会社の社長時代は、多くの女性幹部や実力主義の幅広い年齢層の中に身を置いて消費者の指向を探った。直近の4年は、全国各地で地域創生やデジタル化案件を手掛けるなど、エネルギーの高度利用やデジタル活用の最前線で仕事をしてきた。LPガス元売の舵取りにどう生かすのか、考えを聞いた。
―LPガスに対する印象をお願いします。
前職の国内担当役員時代には地域創生事業に携わる機会があり、エネルギー分野を勉強し、電力、都市ガス各社とも議論したが、当社に来てLPガスが環境性や可搬性にこれほどまでに優れたものであることを再認識した。
住まいの省エネを補助金で促進! 業界5団体がPR冊子作成
制作は石油化学新聞社が担当
業界5団体(日本LPガス協会、全国LPガス協会、日本ガス石油機器工業会、日本LPガス団体協議会、日本コミュニティーガス協会)は、高効率給湯器の導入などを支援する国の補助制度「住宅省エネ2023キャンペーン」の利用をPRするリーフレット(A4判カラー、4㌻)=写真=を作成した。
こどもエコすまい支援、先進的窓リノベ、給湯省エネの3事業からなる同キャンペーンは家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性向上や高効率給湯器の導入など住宅の省エネ化を国が支援する。給湯分野は家庭のエネルギー消費量の約30%を占めていることから、国の補助金を活用してエネファームやハイブリッド給湯器、エコジョーズなど高効率給湯器を導入し、LPガス利用によるカーボンニュートラルへの貢献を訴求する。
制作は石油化学新聞社が担当した。
首都圏版
TOKAI東京本社、37会場でサマーフェア
即日成約、計2.9憶円へ
川口支店はTOTO越谷ショールームで開いた
TOKAI(本社・静岡市、浜崎貢社長)東京本社は6月10日の三浦営業所を皮切りに所轄エリアの関東、東北、岡山、福岡で恒例の「サマーフェア2023」を展開し7月29日まで全37会場の日程を終了した。3年前のコロナ禍による非常事態宣言明け後に万全の感染対策でリアルイベントとしていち早く再開し、ここ3年間はテーマをカーボンニュートラル(CN)に切り替え集客と実績を高めてきた。
- ニチガス、南アルプス市で「甲府デポステーション」稼働
- LPガスで料理・発電! 静岡県協が幼児向け出前教室
地方版
北海道=「需要創生を考える」テーマにエネサンス大学
生き残りへ地域密着サービス展開
エネサンス北海道(本社・札幌市、今泉光弘社長)は20日、札幌市の札幌プリンスホテルで今年度のエネサンス大学を開いた。テーマは「LPガスの需要創生について考える」。販売店組織いずみ会の石原幸一会長が基調講演「LPガスに惚れて40年」を行い、生き残りへ地域密着型サービスの展開を訴えた。
- 北海道=雪害・容器流出防げ アストモス親和会がウェブ研修
東北=三光石油瓦斯(三沢市)、創立50周年
LPガスと家庭用エネルギー プロの道極め恩返しを
記念式典であいさつする川守田利文社長。事業を通じ地域社会と顧客の生活に貢献すると表明した
三光石油瓦斯(本社・三沢市、川守田利文社長)は14日、三沢市のホテルグランヒルつたやで創立50周年記念式典を行った。あいさつした川守田社長は次代に向け「社員一同、その道のプロになり、取引先の皆さまや地域に恩返ししたい」と意気込みを示した。取引先など180人が出席した。
川守田社長はあいさつで川守田光男社主が出光興産を退職して1973年に創業したと紹介し、その後の社史を詳しく説明した。環境の変化に合わせて事業内容をLPガスと家庭用燃料に特化したことや、右肩上がりの時代が終わったところで資本基盤を強化したことなどに触れた。東日本大震災以降に太陽光発電所を建設したことや、エネファームの普及に取り組んでいる現状も伝えた。
- 東北=カメイ、創業120周年 創業の地・塩釜市に1.2憶円寄付
中部=GHPフォーラム、4年ぶりに名古屋開催
60人が特徴生かす提案学ぶ
GHPの最新事情について聴講した
GHPコンソーシアム(清水尚之理事長)は20日、名古屋市のトヨタ産業技術記念館で2023GHPフォーラム名古屋会場を開いた。名古屋では2019年以来4年ぶりの開催となったフォーラムには60人が出席。「省電力・省CO2・省コスト~いまGHPの特長をいかす~」をテーマに講演を行った。
開講のあいさつを行った岡部智之・GHPコンソーシアム普及促進部長は「全国での開催は2019年以来4年ぶりとなった。この3年間ではいろいろと厳しい状況が続いてきたが、これからまた復活に向けていろいろと取り組んでいければと考えている。少しでもお役に立てれば幸いだ」と述べた。
- 中部=マルエイ商栄会、厳しい時こそチャンス 変化に対応し新事業にも力
近畿・四国=万博で未来社会提示
岩谷産業、FC船で旅客運行 AW、CO2回収を可視化
2025年日本国際博覧会協会は20日、大阪市の大阪工業大学梅田キャンパスで大阪・関西万博「未来社会ショーケース事業出展」協賛者の発表を行った。岩谷産業、エア・ウォーターなど13者の出展内容を説明した。
岩谷産業の水素FC船のイメージ
エア・ウォーターが開発した小型CO2回収・ドライアイス製造装置
牧野明次・岩谷産業会長兼CEOは、海上アクセスに用いる国内初の水素燃料電池(FC)船の旅客運航を紹介した。24年5月完成予定の同船は全長30×全幅8㍍、総トン数約120㌧、船速10㌩。積載量140㌔㌘の水素によるFCと充電池を合わせ約130㌔㍍の航続距離を持つ。カーデザイナーとして豊富な実績を持つ山本卓身氏がデザインを担当した。
松林良祐・エア・ウォーター社長は地球環境産業技術研究機構(RITE)、大阪ガスと協力するカーボンリサイクルファクトリーで同社が担当
するCO2回収装置を紹介した。同ファクトリーは会場内でCO2を循環するシステムを構築し可視化する。AWは昨年5月に小型CO2回収・ドライアイス製造装置を開発した。万博では新たなCO2回収材Na―Fe系酸化物を用いた高効率CO2回収を実証する。都市ガスボイラーなど会場内の熱供給設備の燃焼排ガスからCO2を回収、液化してドライアイスを製造し、会場内の厨房などで利用する。一部は高純度のCO2ガスとして、大阪ガスが行うメタネーションの原料にする。食品廃棄物から生成するバイオガス(メタンやCO2)や、空気中から直接回収するDAC技術を用いてRITEが製造するCO2もメタネーションの原料となる。
- 近畿・四国=玉井産業、即湯サービス開始 水回り改修に付加価値
中国=エネクスHL西日本が工務課安全大会
「怪我しないさせないこともプロの技」 労働災害 プロ意識高め未然に
伊藤忠エネクスホームライフ西日本(本社・広島市、山本隆行社長)は6月
23日、本社を置くインテスビルで工務課安全大会を開いた。全国労働安全週間(7月1~7日)に先駆けた安全衛生教育で、工務課の社員ら26人が参加。今年の安全スローガン「怪我しない させない事も プロの技」の徹底を誓った。
- 中国=島根県協松江、北海道苫小牧CSS実証試験センターなど先進例を視察
九州=ENEOSグローブエナジー九州、ラッピング車で宣伝強化
行橋に第1号
行橋営業所に納車されたスズキ・エブリイと井上年典北九州支店長(左)、西本高美行橋営業所長
ENEOSグローブエナジー九州支社(小笠原富男取締役常務執行役員支社長)は今期、広告宣伝強化策の一環で営業車両のラッピング化を推進する。1車目となるスズキ・エブリイ(660㏄)が10日、行橋市の北九州支店行橋営業所に納車された。社員の安全意識向上と会社の知名度向上に活用する。
九州支社は車両リースの切り替えタイミングに合わせて各拠点で順次入れ替えを進め、今期は20台をラッピング車化する計画。
- 九州=九州北部豪雨、大分で容器埋没3件 流出報告はゼロ
住設・新技術
- リンナイ、エコワンX5のラインナップ拡充 2新機種を追加
- 鈴与商事、CO2排出量可視化PFSに新機能 製品・設備別に算定
GHPとコ・ジェネ版
ヤンマーエネルギーシステムが高効率GHP発売
ZEB提案の幅広がる
10月発売の高COPpマルチ機
ヤンマーエネルギーシステム(本社・尼崎市、山下宏治社長)は10月、ZEB(ゼブ=ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の空調エネルギー消費量評価に有利な「高COPpマルチ機」を市場投入し、GHPラインアップを拡充する。同社製GHPで最も高効率な13馬力寒冷地モデルをベースに「にこマルチ」とした。冷暖平均のCOPpは1・47。高い省エネ性能を有するマルチ機の登場で、ZEB設計の機種選定や提案の幅が広がる。
新型機(YWZP355L1)は冷房の成績係数が1・39、暖房の成績係数が1・55で、冷暖平均1・47とGHPトップレベルのCOPpを実現。既に高COP改造機種を発売しているEHPに対抗できる機種として存在感を強める。
- パナソニック、環境技術開発加速 欧州向けにはプロパン冷媒など活用
- 日本海ガス、更新と転換でLPガスGHPが好調 顧客とのつながりを重視
- GHPフォーラムを9月に東京と仙台で開催 ガスZEB提案手法にも焦点
- 8月初旬は10年に一度の猛暑か 電力ひっ迫や災害対応でGHPの強み生かせ