(プロパン・ブタンニュース 2002/1/21)

新日本ガス常務 小貫眞人氏
新日本ガスもうで
 家庭用GHPのメッカ新日本ガスに常務取締役小貫眞人さんを訪ねた。小貫さんはGHP発売当初から家庭用GHP販売の先駆けとして全国にその名を馳せ注目を集めた。新日本ガスのGHP販売のノウハウを学ぼうと全国の名だたるLPガス会社や地方都市ガス会社の新日本ガス詣では今日なお跡を絶たない。筆者も同じ目的で小貫さんを訪問したのである。
 小貫さんは開口一番、昭和62年にGHP販売開始に当たって設計、設置、メンテ、緊急対応等を担当する空調専門のスタッフをおいた。今日ではこのスタッフは6人で構成している。この他に2社の工事専門会社と契約して、常時5、6人が働いている。忙しくなれば一社で10人くらいは動員が可能である。これによって営業マンは設計、設置、メンテ、緊急対応から解放されてお客との折衝に当たることができた。
 新日本ガスの供給先は埼玉県久喜市の2万1千軒(同市全戸数の85%)、北本市の3万2千軒(同82%)、桶川市の1万1千軒(同54%)に都市ガス供給、この他にLPガスのシリンダー供給先とを15ブロックに分けて、全社員が営業マンになって「一日一件提案」をモットーにお客に接している。
 このようにしてお客の顔が見える営業に努め、家庭用ガス機器のことならお客さんから何を聞かれても答えられるように社員を教育した。ガスが他のエネルギーから駆逐されてヤカンでお湯を沸かすだけのものになってしまえば、われわれの前途はみじめなものである。そうならないためには、空調、給湯、床暖等のガス機器を普及させてメーター当たりのガス消費量を増やさなければならない。その観点からGHP設置の効用は極めて大きい。120人の社員の心をこの一点にもっていくのが社長の悲願であった。社長のこの考えをことあるごとに強調した。
 かくて発売初年度の家庭用GHPは十数台に過ぎなかったが、これに続く10年間は150台内外で推移、平成12年には3百台を記録した。これに続く平成13年度は不況の影響はあったもののこの3月までに2百台は下らない。平成13年12月末までの累計販売台数2千2百2台を記録した。
 一般消費家庭のガス代 年間7万円を■万円に 
 お正月の営業会議中だったが、筆者の訪問取材に福江忠夫社長も加わって下さった。社長は、一般家庭のエネルギー消費支出は年間22万円、うちガス代は7万円、電気代はと言うと照明、テレビ、パソコン等で月々8、9千円、年間で11万円、ガスと電気で年間18万円、残り4万円が石油、練炭といったところである。ガス代7万円はうかうかしていると電気に浸食されそうだ。そこで炊飯、給湯、空調、床暖等のシステム商品を家庭にどんどん持ち込まねばならない。それによってガス代を年間13万円に持ち上げるのだと、福江社長は強調した。
 奥さんの裁量は大き
 7万円を13万円に持ち上げるのにその決定権は奥さんにあると言ってよい。旦那さんに相談して決めるとは言うが、奥さんの裁量できまる。その奥さんがご自分のプロパンをどこから買っているか知らない。そんなことはあるまいと思うだろうが、聞いてご覧なさい。奥さんは慌てて領収書を繰って調べるに違いない。こういうプロパン屋さんの配送は配送センター任せだからお客さんとほとんど接触がない。お客の顔が見える営業とはほど遠い。
 新日本ガスは自社配送だし、容器には社名が大書してある。GHPのメンテでも正式の定期点検に入る前に空調スタッフが巡回してアフタケアーをやっているから評判がいい。おまけにメンテ費用は1万円、メーカーメンテの半値である。冗費を削減してこれを可能にしたのである。
 発想がそこにあるからいろいろなアイデアがこんこんと湧いて小貫さんの話に聞き惚れてしまった。居丈高な命令口調ではないこの人のやリ方なら部下の人もひと汗かいてみようという気持ちになるだろうと思った。
 家庭用GHP設置先の月間使用量143立方メートル
 平成12年度新日本ガスのGHP設置先の一戸当たり月平均ガス使用量は143.4立方メートル(うち空調用84.2立方メートル)、これに対してGHP設置先を除く一戸当たり年平均ガス使用量59.1立方メートルであった。ガス種は6A、7千キロカロリーである。

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