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(2004/5/31プロパン・ブタンニュース)

ヤンマーエネルギーシステム社長
川人清二氏
LPガス業者の提案営業復活を

 再活性化には、われわれメーカーも含めもう一度、初心に帰って、LPガス業界の強みを生かして、顧客のエネルギーや環境への配慮へのニーズをGHPやCP(コージェネシリーズ)の販売を通じて満足させていくことが大切だと思う。
 GHPを開発し、これを市場に投入したとき、LPガス業界全員が夏季の最大電力にシフトしてその平準化に寄与するのだと、国のエネルギー問題を見据えてGHPの普及に熱情を傾けたものである。この精神に立ち戻らねばならないと強調した。別の表現をすればGHPの施主営業の奨めである。
光熱費をトータルで
 ヤンマーGHPは、昨年七月に高効率のFシリーズを出した。五、七・五、十、十三、十六、二十、三十馬力、それにリニューアル機も加わった。低騒音でもある。二十馬力で五十六デシベル、静音モードだと五十三デシベルである。三十馬力のGHPは、二台を一台にまとめることになるので配管など工事費が節約でき好評である。それにFシリーズは遠隔監視のインターフェイスの標準装備している。
 マイクロコージェネレーションは、五、九・九、二十二キロワット機のシリーズがある。大小の非常用、常用発電機を多年手がけてきたヤンマーにとってコージェネレーション・システムは得意分野であり、GHPのエンジンとその周辺機器の製作技術と相まって業界をリードしている。
 公衆浴場、病院・養護施設、飲食店などの業務用にせよ、家庭用にせよ電気、熱利用、空調用エネルギー等の光熱費をトータルで捉え、どのような設備の組み合わせが最適であるかを提案しなければならない。高効率GHPによる空調料金、マイクロコージェネによる発電と排熱による給湯をトータルで提案するのである。GHPを最近の高効率機でリニューアルすればガス消費量は確実に減る。
 しかし、マイクロコージェネと複合提案にすれば、マイクロコージェネ設置後のガス消費量は設置前に比して増加することは、幾多の実施例が示すところである。あたかも紳士服の青山が一着二万円の洋服を二着で三万円にして売上増を図るが如くである。お客さまに、いかに利益をもたらすかが大切である。LPガス業者はお客様との距離をつめてトータルエネルギー・コストの提案こそが再活性化の道である。
遠隔監視と運用支援
 前段で述べたように、当社GHPとCPは遠隔監視インターフェイスが標準装備され、アダプターを取り付けることによって、容易に二十四時間遠隔監視付メンテナンスができるようになった。
 これにより、従来は故障が発生してから修理に行っていたのが、故障を未然に察知し、故障する前に修理したり、以前は運転時間を予測し定期点検部品を交換していたのが、実際の運転時間により計画的にメンテナンスが行え、メンテナンス代の低減につながった。
 さらには、顧客への運用支援も可能となり、提案時に提案した内容で顧客がメリットを亨受できているかの検証と亨受できていない場合の運用上の再提案も可能となった。また、リニューアルの機会を的確につかむこともできる。
バック・ツー・ベイシックス
 LPガス業界は原点に返ってお国のために、エネルギーの最適化のためにかつてGHPの普及に向けた情熱を思い出してもらいたい。GHPの性能は十年前に比べて格段に向上した。また、そのエンジンと周辺技術の成果は、これまで千`h以下のコージェネレーションには手も足も出なかったが、マイクロコージェネの花を開かせた。業務用も家庭用もトータルエネルギー・システムのツールにこと欠かなくなった。
 LPガス業界のGHPやマイクロコージェネの事業に対する魅力、マインドの低下を憂えてバック・ツー・ベイシックスを訴えて、設備ルートではなくLPガス事業者様による提案営業の復活を願う川人さんである。


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