石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカルグループ・・・外部刺激で剥がれる接着剤

製品リサイクル 促進へ 複数技術を提案

三菱ケミカルグループは、使用時に強く接着し、使用後は特定のトリガー(外部刺激)により容易に剥がれる接着技術を開発した。特定のトリガーとは電圧印加、電磁誘導加熱(IH)、直接加熱、紫外線照射、浸水などで、ニーズに応じて複数の技術を用意した。製品のリサイクルを促す技術として提案し、各種接着剤の拡販につなげる。
電圧印加で剥がれる接着剤は、強い接着力のある官能基「カテコール基」が電圧印加により酸化され、接着力のないキノンに変化する反応を応用した。カテコール基を含む複数のポリマーを開発し、いずれも通常は高い接着力を持ちながら、使用後は数秒間の電圧印加により接着力が弱まる特性を確認した。熱に弱い基材などの接着・剥離に適する接着剤として提案する。

  • KHネオケム・・・生産技術力向上図る 既存事業周辺 技術開発センターで
  • AN・・・斯爾邦石化が世界一に 中国新増設の動き継続
旭化成・・・LIB用湿式膜 米日韓で 400 億円投資

塗工能力7億平方㍍増強

LIB用湿式セパーター「ハイポア」

旭化成はリチウムイオン電池(LIB)用湿式セパレーター「ハイポア」の塗工能力を米国、日本、韓国の3拠点合計で年産7億平方㍍増強する。既存の塗工能力を合わせると12億平方㍍となり、電気自動車(EV)にして約170万台に相当する供給能力を有することになる。総投資額は約400億円。26年度上期から順次、商業運転を開始する予定だ。
米国ノースカロライナ州のシャーロット工場と宮崎県日向工場では塗工ラインを新設し、韓国平澤(ピョンテク)市ではライン増設となる。「ハイポア」にはポリオレフィン微多孔膜である基材膜と、同膜上にセラミックなどを塗工した膜の2種類がある。今回は塗工膜の能力増強であるので、より最終製品に近いかたちで製品を供給する。これは主にEVなど車載用途をメーンに供給力を高めることを狙いとしている。

  • 三井化学・・・中国で能力増強 PA6Tコンパウンド
DIC・・・新社長に池田尚志氏

成長し活気ある会社に

池田次期社長(右)と猪野社長

DICは30日開催の取締役会で池田尚志(いけだ・たかし)常務執行役員ファンクショナルプロダクツ事業部門長が社長へ就任するトップ人事を決めた。24年1月1日付で社長執行役員へ就任し、3月開催予定の定時株主総会後に代表取締役へ就任する。猪野薫社長は1月1日付で代表権のある会長に就任し、古田修司取締役常務執行役員は同日付で代表取締役副社長執行役員に就任する。
社長交代の記者会見で池田次期社長は「30年以上いろんな業務に従事し、DICの良さを誰よりも理解していると自負する。基本戦略の一つとして取り組むバリュー・トランスフォーメーション(質的転換による事業体質強化)ではC&E顔料事業をはじめとしたM&Aのシナジーを合理化含めて早期に引き出していく。もう一つのニュー・ピラー・クリエーション(社会の課題・変革に対応した新事業創出)でもリソース配分にメリハリをつけ、早期事業化につなげたい。個々のテーマの道筋は見えており、成長ドライブのかかった活気ある会社にしていく」と強調した。

  • 旭化成・・・延岡地区 水力発電所を改修 グリーンボンドで資金調達

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東レ・・・炭素繊維、リサイクル不織布開発

車部材向けに提案

東レは、航空機の胴体や主翼などの製造工程で発生した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)端材からリサイクルした炭素繊維を用いた不織布を開発した。自動車部材などに提案し、製品化を目指す。

  • 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)・・・バイオ液肥 濃縮技術を本格展開 自治体向けに
  • ポリプラスチックス・・・低DkのLCP投入 高周波領域への展開強化
  • 積水化成品工業・・・エフピコとPSP新品種共同開発 HIPSの代替可能に
  • クラレファスニング・・・RCS認証 面ファスナーで取得 環境対応タイプ
  • 積水化成品工業・・・再生ピオセラン、トヨタの物流資材に 回収再生も
  • デンカ・・・30年度売上高700億円に がん治療用ウイルス製剤
  • プライムポリマー・・・環境型素材PPコンパウンドを開発 フィラーにバイオマス
  • 藤森工業・・・医薬品液体包装に 点眼容器を追加
  • 積水化学工業・・・「自然に学ぶ」助成対象14件を選出
  • AGC・・・水素燃料でガラス製造の実証に成功

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  • 出光興産・・・SPS、主力の車載用拡販 増産機に採用促進
  • 横河ソリューションサービス・・・小規模分散CR展開 26年事業化
  • 出光興産・・・プラ建材CR実証スタート 竹中工務店と
  • 千代田化工建設・・・CCS設備検討2社から業務受注
  • ENEOSとJFE・・・COフリー水素 水島で利活用検討
  • INPEX・・・JSEに資本参加
  • エフピコ・・・食品トレー回収 スーパーのエブリイと協働
  • 財務省貿易統計・・・2023年9月石化品輸出実績、2023年9月石化品輸入実績
  • 日本プラスチック板協会・・・9月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、9月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、9月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 国産ナフサ、7~9月・・・6万3600円に下落
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカルグループ・・・アセトンやMIBK
    ・レゾナック・・・酢酸と酢ビ25円
    ・ユニチカ・・・包装用フィルム
    ・東ソー・・・工業用洗浄剤

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住友化学・・・パウダーとペレット PES拡大の両輪に

事業基盤を強化

住友化学はポリエーテルサルホン(PES)「スミカエクセル」事業の成長をパウダーとペレットの両用途で加速させる。より付加価値の高いパウダー用途で炭素繊維強化樹脂(CFRP)や分離膜向けなどを伸ばしながら、ペレット用途は量的拡大に注力する。パウダーは分離膜向けが牽引役として拡大し、CFRP向けも主力の航空機構造材用がコロナ禍から回復してきた。ペレットの市場も着実に広がっており、両用途を柱として一層の事業基盤強化につなげる。

  • 日本ゼオン・・・今下期、高機能材に期待 エラストマー HNBR堅調
トクヤマ・・・横田社長 営業利益 通期目標達成に自信

化成品・LS体質改善

横田浩社長

「そもそも当社の決算は下期型だが、化成品とライフサイエンス(LS)でしっかりと稼げる体質が整ってきた。通期の営業利益目標は据え置いたが、決して背伸びしたものではない」
トクヤマの横田浩社長は23年度4~9月期(上期)の決算説明会でこう強調し、利益目標の達成に自信を示した。通期売上高は当初予想比250億円減の3550億円と下方修正したが、営業利益と経常利益は300億円、純利益は220億円といずれも据え置いた。
多くの化学企業が厳しい業績を公表するなか、同社は上期を微減収、営業増益で乗り切り、通期は増収増益を見込む。中でも営業利益は前年度から倍増する見通しだ。

  • ポリプラスチックス・・・LCP、押出用途1割超に フィルムと繊維
  • 東レ・・・CF強度世界最高を更新 、量産化に拍車
  • 東レ・・・空気清浄機向けエアフィルター インド新工場稼働
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・上期減収減益も機能材料が堅調
  • 信越化学工業・斉藤恭彦社長・・・PVC 米新設備、来年稼働 技術と競争力発揮
  • 豪西州首相が来日・・・日本企業の投資期待
  • 三菱ガス化学・・・JSPとの資本業務提携を解消

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