石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

クラレ・・・PMMA超耐熱品 パイロット設備稼働へ

LED証明カバー用など

クラレは、新潟事業所(新潟県胎内市)で開発中のメタクリル樹脂(PMMA)の超耐熱グレード専用パイロット設備を24年初頭にも稼働する。これでサンプル出荷を開始し、高い耐熱性が求められる照明カバー用途などをターゲットに市場開拓を本格化する。将来は製品化に伴い、量産設備の建設を検討する。

三井化学・・・市原のフェノール削減 石化再構築 第2幕へ

競争力ある誘導品に

日本最大の石化集約地でグリーンコンビナート
構想が加速する(写真は三井化学市原工場)

橋本修社長

三井化学は石化系基礎化学品のベーシック&グリーンマテリアルズ(B&GM)事業の再構築第2幕を加速する。足元の収益立て直しを急ぐため、市原工場のフェノールの能力削減で具体的な検討を開始。まずは自らで着手できる構造改革を推進する。
ポリオレフィンを含め国際競争に勝ち抜く誘導品を軸に据え、そこで必要となるナフサクラッカーの能力適正化を図る方針。最終的にはグリーンケミカルを意識した新しいコンビナートのあり方について、近隣の石化各社と議論を加速させ、千葉地区全体で石化コンビナートのグリーン化におけるファーストムーバーとしてのポジションを確立したい考えだ。

KHネオケム・・・生産技術力 実験と計算融合し強化

プロセスデータも利活用

実験のケミストとプロセスシュミレーターが一堂に介する技術開発センター

KHネオケムは今年4月に新設した技術開発センターで既存事業周辺の生産技術力の強化に取り組んでいる。工場の高経年化や製品構成の高付加価値化、原料調達の多様化など、生産条件が刻々と変化する昨今、プラント操業の安定化と供給体制の堅持を目指し、研究者の目線で生産技術の高度化を図っている。デジタル化が進む工場のビッグデータの利活用による生産性向上や、今後のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた新技術の見極めも担う。

稲山俊宏・技術開発セン
ター長

今年4月の全社組織改正で、同社はR&D総合センターを発展的に解消し、既存事業の新製品開発機能はマーケティング機能を併せ持つ事業部に、新規事業の新規テーマの探索機能をイノベーション戦略部に集約した。その一方で、新設した技術開発センターは既存周辺の「ものづくり」に特化し、生産技術と計算化学の知見を集結して体制を拡充した。一般的に化学メーカーのR&D組織は新製品・新事業創出を担う。しかし、同社ではその役割をイノベーション戦略部が担い、技術開発センターは足元の戦略ドメインの主力製品である冷凍機油原料と電子材料用高純度溶剤を中心に、生産技術力でその競争力を高めるという実践的で質実剛健な技術開発を展開している。

  • 東レ・・・収益改善策を推進 ABS樹脂など7事業・子会社で

機能で高度なソリューション提案 スーパー エンプラ 〈下〉

最終製品市場の変化に伴い、過酷な使用環境に耐える素材や多くの機能を兼備する素材が求められるなか、スーパーエンプラは車両な航空機などのもモビリティや電気・電子、エネルギー、医療、住設関連などの幅広い分野で着実に応用分野を広げている。スーパーエンプラの多くは、コンパウンドをはじめとする周辺技術やきめ細かい技術対応を得意とする日本の化学企業が世界市場で競争力を発揮し、高いシェアを確保している。市場の変化をビジネスチャンスとして捉え、さらに存在感を高めていきたいところ。

主要メーカーの現状と戦略

住友化学
LCP/PES

  • LCP・・・増産機に拡販加速 高速通信や車載向け重点
  • PES・・・パウダーペレット 両用途で市場拡大 分離膜用が牽引役

東レ
PPS

  • PPS・・・韓国で増設、世界トップを強固に
    耐トラッキング品、EV用など拡大

三菱ガス化学
透明PI

  • 透明PI・・・高透明・耐熱、国内外で採用進展
    PFASフリー、規制睨み引き合い増

UBE
PI

  • PI・・・宇部に新系列、30年度に売上高5割増
    4製品、用途拡大し基盤強化

三井化学
TPI/PA6T

  • TPI・・・モビリティ市場に力 5割超の能力増検討
  • PA6T・・・EV用の用途拡大 コンパウンド、中国で増産体制

上野製薬
LCP

  • 原料最大手、一貫生産の強み発揮 低融点型、アロイ化で需要喚起

クレハ
PVDF圧電性フィルム

  • PVDF圧電性フィルム・・・CTTと連携 3Dタッチ用を拡大
    売上高 20年代に20億円超へ

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 日本化薬・・・触媒事業、売上高100億円超に 25年度以降メド
  • 荒川化学工業・・・来期営業黒字化へ 付加価値品販売回復 水添樹脂安定出荷
  • 積水ポリマテック・・・米放熱材工場 量産スタート
  • 南通迪愛生色料(南通DIC)・・・インキ工場着工 南通市内で移転新設
  • ADEKA・・・渋谷でカフェ、プラントベース食PR 12日まで

ADEKAが東京・渋谷区神宮前の「ECO FARM CAFE 632」で、自社のプラントベースフード「デリプランツ」シリーズを使ったオリジナルメニューを展開する「アデカフェ」を1日オープンした。営業は12日まで。プラントベースフードをPRし、拡販につなげる。写真=城詰秀尊社長(右)とADEKAのイメージキャラクター生田絵梨花さん
プラントベースフードは動物性原料を使わず、主に植物由来の原料で作る食品。食の多様性や健康志向を背景に、乳や肉の代替品として世界的な市場拡大が見込まれる。
ADEKAは食品事業の新たな柱として22年に業務用プラントベースフードを上市し、現在はオーツミルク、バター、マーガリン、チーズ、油脂などをラインアップする。独自の新技術で動物性食品の持つコクや厚みを再現したことなどが高く評価され、販売を伸ばしている。

  • リケンテクノス・・・再生硬質塩ビ改質材を開発
  • タキロンシーアイ・・・包装用ジッパーモノマテ新製品 しわ解消
  • ADEKA・・・核剤新製品 延伸性も促進 PPの耐衝撃性向上
  • 帝人・・・万博会場日よけに素材提供 高機能繊維集成材
  • 東レ・・・完全水現像で高精細フレキソ印刷版開発、1月発売
  • エフピコ・・・九州シジシーと容器リサイクル
  • 財務省貿易統計・・・2023年10月石化品輸出実績、2023年10月石化品輸入実績
  • 石油化学工業協会・・・エチレン換算輸出入の9月実績

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