石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

出光興産・・・分解炉に燃料アンモニア 日本初、徳山で実証開始

CNX加速へ技術提案力強化

徳山のナフサクラッカー

出光興産は徳山事業所(山口県周南市)のナフサ分解炉に燃料アンモニアを投入し、各種データを収集する実証を開始した。反応炉である実機のナフサクラッカーの燃料としてアンモニアを投入するのは日本で初めてのこと。コンビナートのカーボンニュートラルトランスフォーメーション(CNX)を加速するのと合わせて、将来技術の提案力を強化し、持続可能なライセンスビジネスの創出も視野に入れる。

レゾナック・・・石化事業分離独立を検討

石化GXと競争力強化 半導体材料 業界再編にも機動性

「カーブアウトや事業売却とは異なり、石油化学事業を独り立ちさせることが目的。株主、従業員、環境の三つの視点で最適化を図るのにパーシャル・スピンオフという手法はきれいだと考えた。石化事業のGX(グリーントランスフォーメーション)と競争力強化を図りつつ、半導体材料に経営資源を集中し、この業界の再編でも戦略的機動性を高める」
レゾナック・ホールディングスは14日、石化事業の再編でパーシャル・スピンオフの手法を活用する検討を開始したことを公表し、同日開催の記者会見で髙橋秀仁社長はこう述べた。
同スピンオフは23年度税制改正で従来のスピンオフ税制の適格要件が緩和された新たな制度。石化事業を新会社として会社分割後、レゾナックが新会社の株式の20%未満を保有し、残りの株式を株主に現物配当する。新会社の株式は現物配当と同時に東京証券取引所に上場。株主は株式を売買できるため、「半導体材料会社の株を持ちたい、あるいは石化企業の株を持ちたいという株主のニーズに分割して対応できる。結果、コングロマリットディスカウントの低減に寄与する」と見る。

  • フタムラ化学・・・活性炭フィルター、岐阜で増設を検討
  • 東レ・・・新開発PA、高制振と吸音性兼備 自動車部材向け提案
  • クラレ・・・EVOH、アジア生産拠点新設 今年前半にも決定
  • クラレ・・・不採算事業を縮小撤退 26年にかけ構造改革に本腰

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DIC・・・ケミトロニクス、2年で50億円増益を

レジスト材料牽引役に

DICは、ファンクショナルプロダクツ事業部門に新設したケミトロニクス事業本部へエレクトロニクス関連の素材・技術を集約し、経営資源も重点的に投入して成長が見込まれるスマートリビング領域の需要を取り込む。M&Aで取得したフォトレジスト材料の拡大や製造・販売・技術開発の一体運営によるシナジー追求などによって、同事業本部として26年度に売上高800億円(24年度は700億円)、営業利益100億~110億円(60億円)を目指す。

  • 中央化学・・・食品容器、でんぷん配合PPなど環境配慮素材に注力

CTSを使用した食品容器

中央化学は、でんぷんとポリプロピレン(PP)を配合した新素材や紙(ラミ・プラコート)などの環境配慮型素材を使用した食品容器のラインアップ拡充に注力する。新素材や紙容器は中国の自社工場で製造し、日本での生産も検討している。中国に拠点を持つ中央化学ならではの強みを生かし、環境対応での他社との差別化を図る。室園康博社長は「どういった環境対応が将来の主流になるかはまだわからない。世の中でニーズがあるものや、顧客が求めているものを取り揃える」としている。

  • バイオ、再生プラが拡大 ホテルアメニティー製品 生分解性にも注目

グリーンプラネット製のアメニティー

ホテルアメニティー製品で、環境への配慮が重視され、バイオマスや再生プラスチックを主材料に採用する動きが拡大している。海洋マイクロプラスチック問題を受けて、生分解性を備える樹脂を採用したアメニティーを製品化する事業者もあり、注目を集めている。消費者が環境対応をホテル選びの判断基準の一つにしていることから、既製品より割高でも環境に配慮した製品を使用したいというホテル側の意向も強くなっている。

 

  • DIC・・・長期計画、構造改革に本腰 25年度計画を下方修正
  • ダウ・・・シリコーン接着剤、高耐久と導電性両立 高周波ノイズ対策へ
  • ダイセル・・・セルロース微粒子など 国連環境技術特許に
  • 日精樹脂工業・・・射出成形機、中国第2工場が稼働 部品加工も内製化
  • カネカ・・・生分解性樹脂手袋 エステーに採用
  • UBE・・・選択的阻害薬が第Ⅰ相試験に

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  • 合成ゴム国内価格上昇、原油高や円安影響 2~4月
  • 三菱ケミカルグループ・・・CMC、耐熱1500℃を実現 宇宙産業向け展開
  • 出光興産・・・バイオマスSPS、25年メド供給開始

SPS樹脂製の食器と箸

出光興産はバイオマスナフサを原料に用いたシンジオタクチックポリスチレン(S P S ) 樹脂「ザレック」の供給に向け検討を開始した。
SPSで取得済みのISCC PLUS認証を活用し、マスバランス方式を採用した製品を供給する予定。バイオマスSPSを国内市場に普及させるため、業務用テーブルウエアの企画・製造・販売のマイン(愛知県刈谷市)と協働し、同樹脂を用いた食器、箸類を製造・販売する。
25年前半から最終製品の販売を予定している。

  • エフピコ・・・低発泡PSP容器 環境性前面に好調
  • 三菱ケミカルグループ・・・ポリエス新製品、バイオマス度60%超 柔軟性や強度も兼備
  • UVで粘着力低下二次元材料テープ、九大など開発
  • 三菱ケミカル・・・持続可能な社会へ 福井県と包括連携
  • 日本プラスチック板協会・・・12月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、12月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、12月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年1月のPSP出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカルグループ・・・PVA60円
    ・東洋紡エムシー・・・PETSBを10%超

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住化カラー・・・売上高構成比 30年メド 自社開発品を過半に

アジアで機能品拡販

住化カラーは収益基盤の強化に向け海外を中心に自社開発品を拡販する。中国は上海市で白色、南通市で黒色のマスターバッチ(MB)を展開し、現地に保有する生産・開発拠点を活用して中国ローカル企業向けの販売を強化する。台湾では30%資本出資する大恭化学工業に生産委託し機能性MBの台湾、ベトナム向けを軸とした販売を今年から本格化させる。機能性MBはタイ、インドネシアでも販売を強化する。30年にはこれら自社開発品の売上高構成比を現在の約2割から5割超へ引き上げる方針。

  • 大手5社石化系部門 10~12月期、損益改善も苦境続く
  • 帝人・内川哲茂・・・PBR向上へ決意、信頼得て中長期成長
  • 帝人・・・再生医療CDO事業拠点を稼働

帝人は千葉県柏市で再生医療の開発製造受託(CDMO)事業子会社、帝人リジェネットの拠点「柏の葉ファシリティ」を14日稼働した。同事業の育成・拡大を加速させる。
新拠点は柏の葉スマートシティで三井不動産が運営するラボ施設「三井リンクラボ柏の葉1」に設置。再生医療CDMO事業のうち製法開発受託(CDO)事業の拠点として運用する。床面積は800平方㍍。
ここで再生医療製品の研究・開発から事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する再生医療プラットフォームを構築。がんなど未解決疾患への革新的治療法の創出を目指し、再生医療関連プロジェクトを支援できる体制を確立する。山口県岩国市の製造受託(CMO)事業拠点、岩国ファクトリーは7月に商用生産設備が完成する予定だ。【写真】開所式でテープカットする内川哲茂社長(左から3人目)と太田和美・柏市長(右隣)

  • 日清紡ホールディングス・・・セパレーター拡販、化学品200億円事業に
  • UBE・・・タイのBR子会社ISCC認証取得
  • タキロンシーアイ・・・2子会社を合併 防煙垂れ壁拡販
  • 積水化学工業とミタル・・・COをCOに変換 実証設備の建設検討
  • 三井化学・・・DNAチップ研と資本業務提携強化
  • 帝人・・・創薬研究支援 アクセリードと4月に新社発足
  • 積水化学工業・・・PSC社会実装へ スロバキアと覚書
  • NEDO・・・グリーンイノベーション基金事業の一環 4テーマを採択

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