石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

クラレ・・・PA9T 車と新規を5割に拡大

年に次期増設提案

クラレは、ポリアミド9T樹脂(PA9T)「ジェネスタ」で日本、タイの3拠点供給体制を生かして世界で市場を広げる。販売量の7割を占める電気・電子用を引き続き伸ばしながら、現状で3割の車両用と新規用途の拡販を加速し、26年には車両用と新規用途を合わせて販売量の5割まで引き上げる方針だ。拡販により3拠点で設備稼働率を引き上げ、持続的成長に向けて26年にはタイでの第2期増設(第1期と同じ年産1万3千㌧を想定)を提案できるようにする。

  • 三菱ケミカルグループ・・・センサー関連材を提案 レンズアレイ用低屈折膜など
  • クラレ・・・耐熱PA、地球環境対応を強化 国内中心に取り組み推進
  • 三菱ケミカルグループ・・・GaN基板、4インチ品サンプル供給 パワー半導体向け 25年実用化へ
  • 東レ・・・ポリイミドを増強 有機EL向けなど需要好調
  • 東洋紡・・・FPC向け新規接着シートを展開 東洋紡エムシー、30年度売上高数十億円に
  • 日本化薬・・・IJ用インク、水系を近く投入 環境調和を訴求
  • 旭化成・・・裏地向け生地を子会社に移管

<特集>安定供給と収益 確保に全力/ア ルコール・ケト ン

合成アルコール・ケトン類は塗料やインキ、粘接着剤、樹脂改質剤、添加剤などの原料として幅広い分野で用いられる。末端消費者には目に見えない製品ながら、暮らしを支えるエッセンシャルな中間原料である。また、これらの多くは石化コンビナートにおいて一定の需要が見込める有力な誘導品でもあり、生産の安定化を下支えしている。世界的な景気低迷でここ数年は需要、市況とも低調な状況にあり、今後の景気回復が待たれる。アジア市場は中国の経済停滞と供給過剰で一部で混乱状態にあるが、日本メーカーは国内最優先の堅実な市場戦略を敷いており、製品の安定供給に安全を期す。

IPA(イソプロピルアルコール)

  • 23年 内需12万3000㌧と安定
  • 半導体回復 今後の追い風に

アセトン/MIBK

  • アセトン需給 フェノール減産でひっ迫
  • 景気連動で需要は精彩欠く

オキソアルコール(オクタノール/ブタノール)

  • 価格戦略重視 内需底打ち安定供給へ
  • サステナブルな取り組みも

MEK(メチルエチルケトン)

  • 24年 電材向けで内需復調へ
  • 対ナフサスプレッド 低調で中国輸出激減

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  • 中国CPL生産9%増 昨年 ナイロン需要も復調
  • 信越化学工業・・・医薬用セルロース100億円投じ倍増設
  • バルカー・・・フッ素樹脂加工品AI自動見積もり
ダウ・・・材料技術でEV化支援 

モビリティー領域拡大

ダウは自動車を中心とするモビリティー市場の拡大に向け、保有するシリコーンやポリウレタン(PU)、ポリオレフィンなどの広範な製品と技術を一括提案するプラットフォーム「モビリティサイエンス」でトータルソリューションを提供し成長を加速させる。モビリティーは同社売上高の約10%を占める領域。世界的なEV化を追い風にバッテリー回りや車両内装向けを中心に付加価値の高い製品や技術をサステナビリティーへの支援も含めて提案し、GDPの1・5倍に相当する成長率を目指す。
近い将来、自動車生産の半分がEVにシフトするとされるなか、ダウは世界で100カ所近い製造拠点と12カ所のイノベーションセンター(日本は千葉と横浜)を活用し各地でパートナーとのさまざまな協業にも取り組みながら、拡大につなげる。ダウは自動車に多く用いられるシリコーン、ポリオレフィンエラストマー、PU、アクリル、溶剤などの世界的大手。写真=ダウはフォーミュラEに参戦するジャガーTCSレーシングチームに素材を提供しサポートしている

  • 日本ゼオン・・・高岡工場、COPリサイクル年6千㌧設備完成
  • 積水化成品工業・・・EPS回収再生事業 2省の認定得て始動
東レ・・・ワクワク感醸成 価値創造力を強化 

水素関連 30年度3000億円事業に

恒川哲也取締役専務執行役員

「今期スタートした中期経営課題『AP―G2025』の着実な推進に全力を尽くしたい」。こう意気込むのは昨年6月から東レの経営企画室長と水素関連事業を担うHS事業部門統括を兼務する恒川哲也取締役専務執行役員。「具体的には持続的未来社会に貢献する先端材料拡大のためのサステナブルイノベーション(SI)&デジタルイノベーション(DI)プロジェクト、収益力向上のための価値創出力の強化に注力していく」と強調する。
恒川さんは84年に大阪大学大学院基礎工学研究科化学系専攻を修了、東レに入社。研究開発畑を歩み、樹脂やフィルムの材料設計に使う計算機シミュレーションの開発、複数ポリマーをナノオーダーで微分散させ飛躍的な特性向上を発現させる革新的微細構造制御技術「ナノアロイ」の開発などに携わり、14年6月~21年5月は研究本部長、21年5月~23年6月は在ヨーロッパ東レ代表TEU社長を担った。「研究は事業のネタを作り、その成果を極大化していくが、本当に事業として拡大するのは営業、生産、エンジニアリングなども含めた総合力が大事だ」と指摘し「会社全体を盛り上げ、価値創出力の強化につなげていく」。業務では「やらされ感を払拭してワクワク感を醸成し、会社のさらなる活性化にも貢献したい」考えだ。

  • アズビル・・・AGC鹿島にクラウドでバルブ解析診断サービス
  • ベンゼン3月ACP 55㌦高の1065㌦
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年1月カセイソーダ出荷内訳
  • カーボンブラック協会・・・1月のカーボンブラック実績
  • 日本化学繊維協会・・・1月の合成繊維生産・在庫量
  • 日本ABS樹脂工業会・・・1月国内出荷
  • 化学製品値
    ・デンカ・・・PVAを60円
    ・三菱ケミカルグループ食品ラップ10%以上

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ダイセル・・・機能フィルム、付加価値で市場拡大

亀岡工場を積極活用 新製品投入も加速

ダイセルは世界唯一の相分離技術や特殊コーティング技術で差別化した機能フィルム事業を通じ幅広い領域で付加価値を提案する。M&Aで取得した亀岡工場(京都府)の設備とコーティングなどの技術も有効活用する。既に同工場では顧客認定を取得して生産を開始しており、新製品の投入も加速し成長を加速させる。新製品は各種の工程用離型フィルムに期待し、PFAS規制を見据えて品揃えの拡充などに取り組み、代替需要を最大限に取り込んでいく。

  • DIC・・・塗料用樹脂、南アジア・中東に インド新工場から拡販
  • UBE・・・C化学、米事業化へ5億㌦ DMC・EMC皮切り
  • ADEKA・・・世界最軽量セル、SPANで実現
東レ・・・おむつ組み込み型排尿検知センサー

25年度実用化

東レは要介護者の排尿を自動検知するおむつ組み込み型センサー=写真=を開発した。介護施設でのおむつ交換作業の負担軽減に寄与する利点を訴求し、25年度中の実用化、その3~5年後に売上高10億円を目指す。
排尿検知センサーは東レ独自の半導体カーボンナノチューブ(CNT)複合体を用い、柔らかいPETフィルム上に半導体回路を低コストの塗布法で直接形成したもの。4~5㌢㍍角サイズで、おむつのバックシート側に組み込んで使う。おむつの形状変化に追随し、要介護者が違和感なく使用でき、従来のシリコン製半導体回路のようにフィルムから剥がれる恐れがない。

  • 第一工業製薬・・・LIB負極用接着剤を増産
  • 三菱ケミカルグループ・・・食品向け乳化剤 北九州で再増強
  • JNC・・・水力発電13ヵ所改修工事を完了 計98メガワット
  • 東レ・・・国内4拠点、ISCC認証取得
  • 三菱ガス化学など3社・・・岩手・安比で15メガワット地熱発電稼働
  • 住友化学・・・プラスチック資源循環事業化推進室を炭素資源循環事業化推進室に改組
  • 住友化学・・・日本ピグメントに住化カラーを売却
  • エア・ウォーター・・・炭酸ガスと水素統合新社を発足
  • ジェイ・プラス・・・次期社長に安藤
    ジェイ・プラスは、安藤泰弘代表取締役営業本部長が27日付で社長に就任する人事を内定した。竹内盛次郎社長は退任する。
    安藤泰弘(あんどう・やすひろ)氏 95年京都大学経済学部卒、三菱化学(現三菱ケミカル)入社。23年から現職。香川県出身、52歳。

 

 

 

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