石油化学新聞 5378号 創立70周年記念特集第1号
カーボンニュートラル時代における化学産業の役割
GX実現へ革新技術を実装
現在、人類が直面する地球規模の課題であるカーボンニュートラル(CN)。その実現に向けて世界が動くなか、エネルギー多消費型産業である化学業界は自らの温暖化ガス(GHG)排出量削減に全力で取り組み、成果を着実に上げている。また、サステナブルな素材・材料・技術の供給を通じてソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に貢献を目指している。化学はモビリティー、エレクトロニクス、ライフサイエンスなど、あらゆるものづくりの起点を担う。人々の生活を支えるエッセンシャルな材料の提供と併せてグリーントランスフォーメーション(GX)を実現するイノベーションを創出する産業として今後ますます貢献するだろう。
1954年の創立からこの4月で70周年を迎える石油化学新聞社は本紙・石油化学新聞でその過程を引き続き報道していく。創立70周年記念特集号では「カーボンニュートラル時代における化学産業の役割」をメーンテーマとし、化学がもたらす未来社会に思いを馳せながら化学関連業界の取り組みなどをまとめた。CNの実現や循環型社会の構築の一助にとなれば幸いだ。
日本の化学産業の課題と必要な取り組み/証券アナリストの視点( 9面)
みずほ証券
山田幹也氏
・事業モデル変革 収益機会創出に期待
・三つの変化 CN、世界分断、DX
モルガン・スタンレーMUFG証券
渡部貴人氏
・石油化学 構造改革の早期実現を
・クラッカー2基停止は必要
加速するプラスチックリサイクルの取り組み(10~11面)
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化などを背景に、プラスチックの資源循環の必要性がますます高まっている。そこで各社が推し進めるプラスチックリサイクルの取り組み事例を紹介する。
食品容器水平リサイクル
- 回収トレーを再生活用
- エフピコ PETボトルにも拡大
ごみからエタノール生産
- 積水化学工業、資源循環へ実証設備
- バイオリファイナリー、25年度以降に実用化
神戸プラネクストイベント
- 樹脂の種類に驚きの声
- 消費者に分かりやすく
CRプラットフォーム
- プラウェーブ、25年までに社会実装
- マイクロ波化学 小型分散型システムも
PSのモノマー化
- CR率 50年、10%を目標に
- PSメーカー 3社が事業化推進
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 日本化薬・・・クリーナー、中国の供給拠点拡充 地産地消化に対応
- 石油化学工業協会 岩田圭一会長・・・石化品需要、2月も引き続き低調 GX、DX投資に期待
- 石油化学工業協会・・・2月の石化製品生産実績、2月の汎用4樹脂の出荷実績
- 積水化学代表の7社企業体・・・下水道管理、武蔵野市から包括受託
- 日本銀行・国内企業物価指数の1月実績・・・石化系基礎製品前月比0.1㌽上昇