THE PETROCHEMICAL PRESS
日清紡ケミカル・・・機能化学品 26年売上高 倍増の 50 億円に拡大
水性架橋剤など拡販
日清紡ケミカルは、同社独自開発のポリカルボジイミドをベースにした機能化学品事業の26年売上高を23年比約2倍の50億円規模に拡大する計画だ。拡販に合わせ増産投資も検討しており、26年までの実現を目指す。
この人に聞く 2024化学品動向 プラスチック食品容器
エフピコ代表取締役会長 兼エフピコグループ代表 佐藤守正氏
プラ量削減で差別化
新製品 機械での扱い考慮
―足元の状況についてお願いします。
23年は物価上昇により、スーパーマーケットも値上げをした。スーパーでは特に肉の値上げが目立ち、消費者にとっての値頃感をだすために、大容量パックでの販売が増えた。昨年は販売数量では前年割れだったのが、足元では前年並みまで回復しつつある。今年は5%の賃上げが予想され、経産省も価格転嫁を推奨しており、転嫁した分が賃金に回るだろう。スーパーでもインフレの好循環が期待されている。
エフピコでは23年10月から単月の営業利益が前年を上回るようになった。うるう年で2月は前年より1日多いことを加味しても好調で、この傾向はこれからも強まるだろう。
―今後の市場動向をどう予測しますか。
出光興産 三井化学・・・クラッカー最適化へ
千葉地区 エチレン生産4割減
27年度をメドに停止する出光興産のスチームクラッカー
日本の石油化学基礎原料の新たな生産体制構築に向けた具体策が一気に加速する。出光興産と三井化学による千葉地区でのナフサクラッカーの能力最適化に向けた検討開始は、その先鞭をつける施策であり、両社は石化事業の競争力強化とグリーン化の両立を目指す。これが呼び水となり、他の石化コンビナートやプラントでも能力適正化に向けた具体策を推進することになりそう。経済安全保障上、重要な基礎素材だからこそ、将来を見据えて強くして残す。24年度は石化大変革の初年度となる。
- 日本化学工業協会・福田会長・・・成長へ適正化とGX ポートフォリオ変革で力
- クラレ・・・EVOH、シンガポールで新設 620億円投じ26年末稼働
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東レ・・・廃水再利用向けRO膜
高耐久品を中国で発売へ
東レは、工場の廃水再利用プラント向け逆浸透(RO)膜の高耐久品を開発した。新製品は、膜の洗浄時の薬品に対する耐久性を従来比2倍に向上したもので、交換頻度やCO2排出量削減が可能になる。まずは市場が急拡大する中国で24年上期中に発売する。将来は他の国・地域にも展開し、RO膜の世界シェア拡大につなげる。
- 横河電機・・・製造現場用ロボット、管理ソフトを本格展開 スマート化などに寄与
- ダイセル・・・樹脂レンズ、耐熱評価で採用進展 熱可塑性樹脂を代替
- TOPPAN・・・再生複合樹脂量産化へ 25年度に販売開始
- 日本化薬・・・ドローン用安全装置 新システム開発 水上点検業務を実証
- 旭化成・・・変性PPE、低誘電特性を訴求 5G基地局向け拡販
- トクヤマ・・・太陽光パネルカバーガラスの再生実証試験に成功
- テトラパック・・・植物由来PE紙容器が国内初採用
- キョーラク・・・二重プラ容器のライセンス検討
- 旭化成ゾールメディカル・・・自動でショック行うAED発売
- プライムポリマー・・・肥料袋向け原料の一部に再生樹脂
- 三菱ケミカルグループ・・・PVOH特殊銘柄 欧リサイクル認証
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- 日本化薬・・・色素材料、環境対応で成長加速 国内外で積極提案
- UBE・・・3月CPL1795㌦ 55㌦高
- 化学6団体・・・物流適正化へ自主行動計画
- 財務省貿易統計・・・2024年2月石化品輸出実績、2024年2月石化品輸入実績
- 日本スチレン工業会・・・2024年2月受払表
- 塩ビ工業・環境協会・・・2月のPVC、VCMの生産・出荷
- 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の2月国内出荷
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・2月のOPP・CPP出荷実績
- 日本化学繊維協会・・・2月の合成繊維生産・在庫量
- 発泡スチレンシート工業会・・・2024年2月のPSP出荷実績
- 化学製品値上げ
・三井化学・・・アンモニア系6円、ポリウレタン原料
・旭化成・・・変性PPEを30円、PA66を20円、スチレン系TPE、メタクリル樹脂
・JNC・・・オキソ誘導品
・東レ・・・合成繊維5~10円、不織布と人工皮革、ABS樹脂35円以上
・DIC・・・顔料を5~15%、共押出多層フィルム
・出光ユニテック・・・シートや容器など
・サンディック・・・OPSを20円以上
・タキロンシーアイ・・・ジッパーテープ
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デュポン・ スタイロ・・・XPS、 施工法含め品質向上
付加価値提供に軸足
デュポン・スタイロは押出法ポリスチレンフォーム(XPS)「スタイロフォーム」の市場拡大に向け、量的な拡大から質の向上による付加価値提供に軸足を移す。主力の住宅用断熱材向けは断熱性や施工性の追求により、政府の25年省エネ基準適合義務化に伴う断熱需要を取り込む。ビル(RC造)や冷凍・冷蔵倉庫といった非住宅向けは軽量、低吸水、耐久性といった特徴も生かして縦面(断熱材)と水平面(かさ上げ材など)で採用を広げ、新たな用途も積極的に開拓する。
三洋化成工業・・・SAP撤退 中国拠点 現地企業に売却検討
技術レベル停滞局面も 市場先行き混迷
南通のSAP拠点は現地新興メーカーに売却する方向で検討中
三洋化成工業は高吸水性樹脂(SAP)事業からの撤退を決めた。名古屋とマレーシアで生産を停止、中国・南通の製造拠点は現地企業に売却する方向で検討に入った。差別化技術が収益に反映されない汎用化した市場に見切りを付け、事業ポートフォリオ変革を前進させる。
SAPは78年に同社が世界に先駆けて工業化を実現した材料として知られる。紙おむつなど衛生材料の世界的な市場拡大と相まって業容を拡大させてきたが、中国での新増設ラッシュでアジア市場は供給過剰の状態に陥り、同社グループも系列停止などで需給対応を図っていた。その間も樋口章憲社長は「今年は聖域なき構造改革の道筋を付ける」と公言してきた。
- ダイセル・・・レジスト材料、応用分野を拡大 最先端に加え汎用も
- 三井化学・・・廃プラ分解油でCR 生産・販売を開始
三井化学は廃プラスチックを原料とした熱分解油(廃プラ分解油)を大阪工場(大阪府高石市)のクラッカー(エチレンプラント)へ3月13日付で投入した。4月からマスバランス方式によるケミカルリサイクル(CR)由来の誘導品(化学品、プラスチック)の生産・販売を開始する。
廃プラ分解油の調達先はC F P(広島県福山市)の岡山ケミカルリサイクル工場(岡山県笠岡市)。三井化学は同工場からファーストロットとして15㌧ローリーで廃プラ分解油を調達した。
【写真】会見に臨む(右から)CFPの福田奈美絵社長、三井化学の丸山大輔グリーンケミカル事業推進室長、花王の矢野政志購買部門特命統括補佐
- UBE・・・CPL国内生産能力6月までに4割削減
- DIC・・・液晶材料から撤退 知財は中国企業に
- 日油、つくば市・・・連携研究ラボ産総研と設立
日油は産業技術総合研究所と連携研究ラボを1日付で設立した。双方が保有する基盤技術やノウハウを融合し環境調和型の化学品製造プロセスの開発を進め、脱炭素と生活の豊かさに寄与する機能性化学品(スマート・グリーン・ケミカルズ)の創出を目指す。つくばセンター(茨城県つくば市)に設置。さまざまな専門分野の研究者が集まり、新しいプロセスや製品にかかわる研究開発を多面的に進める。【写真】沢村孝司社長(左)と石村和彦・産総研理事長
- クラレ・・・人口骨から撤退 9月生産終了
- 積水化学工業・・・フィルム型PSC倉庫の壁面に設置 実証開始
- 住友ベークライト・・・フェノール樹脂、静岡に生産集約
- カネカ・・・藤井氏が社長昇格
カネカの社長に藤井一彦副社長が1日付で就任する。田中稔社長は取締役になり、6月下旬の株主総会後に退任し特別顧問に就く。社長交代は4年ぶり。経営を強化し変革を進めるのが理由。
藤井一彦(ふじい・かずひこ)氏 85年立教大学経済学部卒、鐘淵化学工業(現カネカ)入社。12年執行役員、16年取締役常務執行役員、20年取締役副社長。東京都出身、62歳