石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東ソー・・・エチレンアミン、高付加価値品シフト加速

新技術でTETA増産

東ソーはエチレンアミン事業で高付加価値品へのシフトを加速させる。汎用品のエチレンジアミン(EDA)を原料に高付加価値製品のハイアミンを生産する新技術を実用化し、ハイアミンの一種であるトリエチレンテトラミン(TETA)を増産する。南陽事業所(周南市)で27年度までに新技術による設備を建設する計画だ。需給緩和でEDAの採算性が大きく悪化するなか、採算性の高いTETAの増産と拡販で収益改善につなげる。

旭化成・・・変革の道筋付ける 25年度過去最高益を視野

次期中計で成長軌道確実に

旭化成は22~24年度の中期経営計画の最終年度に事業ポートフォリオ変革の道筋を付け、次期中計で成長軌道を取り戻す。3領域経営でヘルスケアと住宅は戦略を変更せず高成長とキャッシュ創出を追求。利益成長で課題を残すマテリアル領域は石化系基盤事業を含め構造改革の方向性を示す。工藤幸四郎社長は20日の経営説明会で「不断の生産性向上と大胆な変革は旭化成のアイデンティティーとして定着している」と強調し、基盤固めの後に25~27年度の次期中計で過去最高益更新を含めた利益成長に意欲を示した。

  • 住友化学・・・ライセンスビジネス、海外展開さらに強化 世界的大手と協業
  • 日本化薬・・・光学フィルム、車載の新規用途拡大 中国EVに採用進展
  • 石油化学工業協会・岩田圭一会長・・・環境価値見える化を 連携・協業 「好ましく新たな機会」
  • 日本化学工業協会・福田信夫会長・・・「化学の社会的認知を」 次期会長は岩田氏

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住友化学・・・温調素材で複合長繊維

国内3社で冷感衣料 世界市場へ展開

住友化学は独自製品である固体ポリマー型温度調節素材「コンフォーマー」で複合長繊維化を実現した。これにより、商品企画会社のリベルタと冷感プリント技術を持つユタックスの国内3社共同で衣服自体が温度をコントロールするクーリングウエア(冷感衣料)を開発。6月下旬から全国発売する。温調材料として従来までのシート状蓄熱断熱材や短繊維による高級布団の中綿などに加え、世界のアパレル市場に用途展開が拡大する。

  • 三洋化成工業・・・機能性タンパク質、治験で安全性確認 半月板再生用目指す
  • 長瀬産業・・・生分解SAPで紙おむつ リブドゥと共同で製品化へ
  • ダウ・・・POE、車両用レザーを開発 中国EV用で承認
  • 東レ・・・半導体用 モールド離型フィルム PFASフリーを実現
  • 積水化学工業・・・自動車塗装用転写シート CO2削減品を開発

塗料転写シートを使用したモック

積水化学工業は、自動車塗装工程でのCO2削減に貢献する「塗料転写シート」を開発した。テープ製造などで培った材料設計・配合・成膜技術を活用したもので、26年の上市を計画する。塗料転写シートは塗料をシート化し、塗装工程を通さず転写により塗装を実現する。積水化学の独自技術で膜化した塗料(塗料層)を転写フィルムと支持フィルムで挟みこんでいる。塗料層の厚みは通常塗装と同じ数十㍃㍍で、さまざまな塗料が適用できる。開発品の塗料層は自動車外装で実績のある熱硬化塗料をアレンジしたもので、新車塗料と同等の硬化条件で自動車外装スペックを満たした。シートはロール状態で保管できる。

  • 積水マテリアルソリューションズ・・・建設現場向け堆積管理システム提供
  • 東宝化成とネクアス・・・海洋生分解バイオプラ透明板を開発
  • 三菱ケミカルグループ・・・植物由来PCDが風力発電材原料に
  • 三菱ケミカルグループ・・・ホンダ二輪車にバイオエンプラ
  • 東レ・・・サニブラウン選手と高機能ウエアを開発

高機能ウエアを着用するサニブラウン選手

東レは陸上競技短距離走トップアスリートのサニブラウン・ハキーム選手と高機能ウエアを共同開発した。アイテムはシャツ、パンツ、タイツで、サニブラウン選手が練習や国内レースで着用する。プーマ・ジャパンが公式オンラインストアと一部店舗で6月15日に発売する。 東レはサニブラウン選手から日常の練習やレースの悩み、アスリートが求める動きやすさや着心地、汗対策や紫外線対策といったニーズを吸い上げ、これらに最大限に対応した高機能ウエアの開発にこぎ着けた。素材には東レの軽量性やストレッチ、吸汗・吸水速乾、遮熱性、筋振動抑制といった特徴を持つ複数の高機能素材を使用した。サニブラウン選手は商品発表会で「これまでにない着用感がある」と高く評価した。

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UBE・・・スペシャリティ事業 営業益700億円超に

30年度目標

化学など4分野
UBEはスペシャリティ事業を中核とする企業グループの実現に向けポリイミド(PI)、分離膜、セラミックス(窒化ケイ素)、Cケミカルの4事業を重点に成長戦略を加速させる。24年度までの3カ年中計で当初計画を大きく上回る1900億円超の経営資源を投入し、その約55%(当初計画は1620億円の50%)をスペシャリティ事業の拡大に充てる。拡大投資の中心が4事業であり、泉原雅人社長は「30年度にはスペシャリティ事業の営業利益を700億円以上に引き上げ、全社営業利益の7割以上を確保できる体制にしたい」考え。

  • 石油化学工業協会・・・4月の石化製品生産実績、4月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 経済産業省素材産業課・・・主要石化製品の各社別生産能力
  • 塩ビ工業・環境協会・・・4月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 塩ビ工業・環境協会・・・VEC新会長にカネカ藤井社長 塩ビの優位性PR
  • 日本化学工業協会・・・3賞の受賞者決定
    表彰式は24日に東京・丸の内のパレスホテル東京で行う。受賞者は次の通り。
    〔安全表彰〕▽安全最優秀賞=レゾナック彦根川瀬事業所▽安全優秀賞=東レ岐阜工場▽花王豊橋事業場▽旭化成建材建材生産センターネオマフォーム工場▽JNCファイバーズ守山工場、JNCフィルター守山事業所▽安全優秀特別賞(研究所)=サンアロマー研究開発本部〔技術賞〕▽総合賞=東レ「複合紡糸技術『NANODESIGN(ナノデザイン)』の開発と工業化」▽技術特別賞=日本ゼオン「シクロペンタノン新製造法の開発と5員環ケミカルビジネスの構築」▽環境技術賞=日本ペイントマリン「次世代型加水分解船底防汚塗料『FASTAR』の開発」〔RC賞〕▽RC大賞=旭化成延岡支社「『安全な設備づくり』に向けた機械安全活動の推進」▽RC審査員特別賞=花王SCM部門「安全・安心の醸成に向けた地域社会とのリスクコミュニケーション」、三菱ガス化学・山北工場「地域に根差し共生する取り組み~継続的なコミュニケーションと貢献~」▽RC優秀賞=三井化学サンアロイ「工場基盤の更なる強化を目指した全社員による活動」、DIC化学物質取扱管理改善ワーキンググループ「化学物質取扱い管理体制の改善」
  • UBE・・・CPL5月 20㌦安の1700㌦
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・PVA繊維など10%
    ・日本ゼオン・・・合成ゴム各種
    ・旭化成・・・BRとSBR
    ・DIC・・・可塑剤6月から
    ・日本ポリマ・・・フェノール樹脂など
    ・デンカ・・・ABSなど20円以上
    ・三菱ケミカルグループ・・・共押出多層フィルム
    ・信越ポリマー・・・業務用塩ビラップ

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日鉄ケミカル&マテリアル・・・難燃エポキシ、車載ECU向け力

日韓2拠点で拡販

日鉄ケミカル&マテリアルは機能樹脂事業の主力、非ハロゲン系難燃エポキシ樹脂を車載電子制御ユニット(ECU)向けを中心に拡販する。同製品は耐熱性を高めた新グレードも投入し、セラミック基板の一部代替を含め国内外で採用を伸ばしてきた。千葉工場で生産するほかエポキシ樹脂の世界的大手である韓国の国都化学へも生産委託しており、2拠点でBCPにも対応しながら需要増を取り込む。

  • 三菱ケミカルグループ・・・事業構造を明確化 成長戦略推進、新経営ビジョン予告
  • 東ソー・・・スペシャリティ営業利益 30年度1000億円必達
  • カネカ・・・海外事業を拡大
  • タキロンシーアイ・・・高付加価値化を加速 M&Aに3ヵ年400億
  • 日本化学工業協会・・・再生品確認登録制試験運用スタート
  • デンカ・・・5G向け 低誘電有機絶縁材 千葉新設に70億円
  • 日本化薬・・・ファインケミカル事業、半導体やデジタル印刷インクに重点
  • 荒川化学・・・中計見直し、営業利益35億円に
  • ダウ・・・水と自然保護に焦点 気候変動目標を拡大
  • UBE・・・9ヵ年、DXに220億円投資
  • 長瀬産業・・・機能性色素事業 グループで統合

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