石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

JNC・・・セルロース系 液クロマト剤拡充に力 水俣で造粒槽新設

バイオ医薬品向けに需要増大

水俣製造所のセルファイン新造粒設備

JNCはセルロース系液体クロマトグラフィー用充填剤「セルファイン」の拡充に全力を注ぐ。バイオ医薬品の開発・製造用途での需要増大に対応し、水俣製造所で造粒槽新設による増産体制を確立。多種の精製用途に対応した供給体制を整えた。ライフケミカル事業の中核から同社を代表する製品へ成長を図る。

新社長インタビュー 日本ポリプロ 飯島要氏

PP材、社会課題に適切な解 来期から5ヵ年新中計始動

「日本のポリプロピレン(PP)事業のリーディングカンパニーとして収益をしっかりと上げながら、さまざまな社会課題に対して当社の材料で適切な解を提供することでお客様に選ばれる会社であり続けたい」こう抱負を語るのは、日本ポリプロの社長に4月1日付で就任した飯島要さん。同社は三菱ケミカルグループの日本ポリケムが65%、JNCグループのJNC石油化学が35%出資するPP事業会社である。
社会課題の一つはカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーだ。「材料の提供を通じてカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー社会の実現に大きく貢献することで一層の発展を図る」と意気込む。
その一環で、市場回収したポストコンシューマー材料を原料に使用したマテリアルリサイクルPPを開発中。「特に自動車メーカーからの要望の高まりに対応する」もので、自動車の内外装材などでの実用化を目指す。マスバランス方式により、三菱ケミカルグループが24年度中完工を目指して建設中の廃プラスチックの油化設備から得られる原料を使用したケミカルリサイクルPPは25年度中に生産・販売を開始する。

  • 三菱ケミカルグループ・・・エポキシ樹脂、複合硬化物をCR 可溶剤分解法新技術
  • 三井化学・・・PP、系列停止で検討開始 能力調整と高機能化へ
  • 日本化薬・・・環境エネルギー 社外連携も強化 新事業創出を加速
  • DIC・・・研究開発 IT活用の最大化へ 人材育成も推進
  • 東レ・・・メタ系アラミド繊維増設 韓で2・5倍に増強
  • 住友化学・・・千葉で環境技術新研究棟が竣工

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タキロン ポリマー・・・PMP材、透明性強みに拡販加速

食品や半導体装置へ

タキロンシーアイ子会社のタキロンポリマーは、ポリメチルペンテン(PMP)切削材料のラインアップに3㍉㍍と5㍉㍍の透明プレートを加えた。他の樹脂では両立が難しい耐熱性、耐スチーム性、耐薬品性を兼ね備えた透明材料として食品や半導体、分析装置分野に拡販する。

PMPの耐熱温度は120度Cとポリカーボネート(PC)と同等で、さらに沸騰水中でも加水分解しないためスチーム減菌に対応できる。

撥水性の比較。PMPには水滴が残らない

三井化学橋本修社長に聞く 24年度は順調スタート B&GM 利益300億円で成長へ

グリーン化を競争力に

25年度のコア営業利益目標の見直しを進めている三井化学。成長3領域であるICT、モビリティ、ライフ&ヘルスケア(L&H)への積極展開と石油化学(B&GM)事業の再構築による強靭化という基本戦略に変更はなく、むしろ加速させる構えだ。同社の橋本修社長に足元の状況と今後の展望を聞いた。
◇   ◇
――足元の経営環境はいかがですか。
24年度の計画に対して第1四半期は順調に進捗している。自動車業界の問題は当社にとって大きなインパクトにはなっておらず、ICT分野もロジックを中心に回復軌道を辿ってきた。L&HでMR(メガネレンズモノマー)は在庫調整が進み、農薬は新興国を中心に需要が伸びており、第3の柱づくりが今後のポイントになる。石化事業は依然、厳しいが想定範囲内にある。

  • ダイセル・・・酢酸セルロース微粒子 ECHA規制に対応品 コスメ向け拡大
  • UBE・・・環境製品ブランド 第1弾に複合材2品目 木質、再生CF系
  • 出光興産・・・有機EL、蛍光青色で新材料 SKマテJNCと
  • 旭化成・・・医療機器用POM拡充 中粘度のホモ投入
  • 三菱ケミカルグループ・・・高機能PCが英社光るスマホに採用
  • 日本ゼオン・・・細胞培養用COPプレートで新製品

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環境協会・・・マスバランス製品、認定基準にISCC

来期から本格運用

環境負荷の少ない製品を認定するエコマーク制度の手続き簡素化へ、マスバランス方式の原材料を使用した製品の認定判断基準にISCC PLUS認証を活用する方向で検討が始まった。日本環境協会は検討委員会を設け議論を進め、25年度にはマスバランス方式製品の認定を本格化させる。ISCC PLUS認証を判断基準に取り込み、エコマーク認定時の調査を簡略化する。

  • UBE・・・CPL6月、30高の1730㌦ 値差635㌦止まり
  • 子ども化学実験ショー・・・8月3日~4日 東京・科学技術館
  • 新化学技術推進協会・・・住友化学などにGSC賞を授与
  • 高分子学会・・・東ソーの接着剤に高分子学会技術賞
  • 旭硝子財団・・・英大教授など2件に ブループラネット賞
  • 財務省貿易統計・・・2024年5月石化品輸出実績、2024年5月石化品輸入実績
  • 塩ビ工業・環境協会・・・5月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本スチレン工業・・・2024年5月受払表
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・5月のOPP・CPP出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・KHネオケム・・・酢酸ブチル30円以上
    ・クラレ・・・人工皮革10%
    ・サンティックOPSを20円以上
  • ISCC認証取得
    ・帝人・・・ドイツ産炭素繊維
    ・デンカ・・・千葉のスチレン製品
    ・東洋ステンレス・・・五井と君津工場

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エポキシ国内メーカー 低誘電の新樹脂拡大

高周波 基板用 製品開発の重点領域に

国内のエポキシ樹脂メーカーは、蓄積した技術や基板向けの採用実績を生かして高周波基板向けにも市場を広げるため、低誘電特性などを備えた新規熱硬化性樹脂の開発と販売に本腰を入れている。通信システムの高速化に伴う5G、6G市場向けの需要増を見据えたもので、エポキシ樹脂事業の延長として製品開発や供給体制の整備に取り組み事業拡大へつなげる考え。

  • クラレ・・・活性炭 米国軸に拡大 活性炭 米国軸に拡大
  • セーレン・・・営業利益、6期連続最高更新へ 車用合成皮革が牽引
  • DIC・・・脱PFAS界面活性剤 フッ素系並み物性に 次世代品の開発加速
  • エフピコ・・・カーボンオフセット、23年度に前倒し達成
  • 大日精化工業・・・新研究棟建設を計画
  • 日本ゼオン・・・インクビットに出資
  • 出光興産・・・有機廃棄物堆肥化 カナダ新興に出資
  • 東洋エンジニアリングとSCGケミカルズ・・・混合廃プラ油化技術開発で協業
  • IHI・・・シンガポールでSAF合成検証製造装置を提供
  • 帝人フロンティア・・・アニマルフリー衣料 伊社と合弁販社設立
  • 大日本印刷・・・経口剤向け吸湿包材
  • ADEKA・・・電材と環境材 2本部に再編
  • 経済産業省・・・組織改革、新興育成やGX推進

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