石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

クレハ・・・シェール掘削材、今期5割増収の 100 億円に

低温鉱区向け新投入 北米シェア 30 年度 20 %確保へ

クレハは、北米で展開するシェールガス・オイル掘削用のポリグリコール酸(PGA)製分解性フラックプラグの24年度売上収益を前年度比5割増の100億円規模とする計画だ。プラグの性能が高く評価され、採用が進んでいることが背景にある。市場規模が大きい低温鉱区に対応した新グレードを25年度に本格的に市場投入することで拡販を一段と加速させ、同事業の安定的な利益成長を実現する。

住友化学・・・千葉工場 ガスタービン順調に稼働

将来の水素混焼を視野

高効率ガスタービン

CO 年24万㌧場内の約20%削減
住友化学が千葉工場に設置した高効率ガスタービン設備が年初来、順調に稼働している。従来の石油コークス(石油精製の残渣)からLNGに燃料を転換したことで、年間24万㌧のCO排出量削減を実現。千葉工場全体で発生するCOの約20%を削減する。同社では将来的に同設備を水素混焼型の設備に改造することも視野に入れ、GHG(温室効果ガス)排出量削減の取り組みを加速させる。
同設備は独シーメンスエナジー製の「SGT―800」で、ガスタービンとボイラーを併設したコンバイン・コージェネレーション設備。発電能力は45㍋㍗以上、蒸気発生量は毎時80㌧以上となっている。

  • 大阪ソーダ・・・医薬精製材 ポリマーゲルを投入 三菱ケミGと共同開発
  • 石油化学工業協会の工藤幸四郎会長・・・変革の基盤整備へ 稼働率 90%を定常点に改革を
  • 東レ・・・ナイロン繊維、伸縮性製品の増産検討 スポーツ衣料向け好調
  • ポリプラスチックス・・・POM、新技術でGHG削減 増産体制と両立
  • 主要石油学製品の生産・・・6月の石化製品生産実績

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ポリプラスチックス・・・高耐熱新樹脂開発へ

COC技術駆使 高周波、脱PFASに

ポリプラスチックスは、脂環式のポリオレフィンであるシクロオレフィンコポリマー(COC)「トパス」の技術をベースとし、脂環式の濃度を高めることで新たな高耐熱ポリマーを開発中だ。COC本来の特徴に加えてガラス転移温度(Tg)、靭性などの向上が可能になり、高周波領域や有機フッ素化合物(PFAS)規制を見据えた各種用途などへの展開が可能になる。親会社であるダイセルと連携して量産化へ取り組み、2~3年後の上市を目指す。

  • ダイセルと大阪大学産業科学研究所・・・Ag・Si複合 高信頼の接合材開発 SiCパワー半導体へ
  • 三洋化成工業・・・環境樹脂向け消臭剤、今年度事業化 27年度に売上高3億円

左から「BM―09E」「BM―09P」「RP―11」

三洋化成工業はプラスチックの溶融混錬時に混ぜ込むだけで樹脂固有の多様な臭気成分に対して高い消臭効果を発揮する消臭剤「ケシュナール」を開発した。24年度中に事業化する計画で、環境配慮型製品を数多く取り扱うインダストリアル事業本部の新製品として市場開拓に拍車をかける。27年度には売上高で3億円規模の製品に育てたい考えだ。 同製品は消臭成分をベース樹脂に高濃度に配合したマスターバッチ。ポリオレフィン系樹脂への相溶性に特に優れる。環境意識の高まりや、22年に施工されたプラスチック資源循環法が後押しとなり、バイオマス複合プラスチックやリサイクルプラスチックに対する需要が拡大している。しかし、これら環境配慮型プラスチックはバイオマス由来や分解物に由来する特有の臭気が問題となっている。開発品は特にこうした環境配慮型プラスチックの臭気問題の解消に貢献する。

  • クラレ・・・PA9T、熱対策部品用が本格化 国内外の車載用で
  • クレハ・・・航空機エンジン向けSiC繊維 パイロット設備建設へ
  • 旭化成・・・水現像フレキソ印刷樹脂版 CO削減効果 麦茶包装印刷に採用
  • 島津製作所・・・環境省ETV事業に マイクロプラ前処理装置
  • ENEOSリニューアブル・エナジー・・・日本毛織・関電と電力購入契約締結
  • 東レ・・・成長領域の今期売上収益拡大へ
  • リンレイテープ・・・油面に貼れる粘着テープを開発発売

リンレイテープは油面に貼れる粘着テープ=写真=を開発し、24日から販売を開始する。 同テープに使用されている粘着剤が鉱物油、植物油のいずれの油分を吸収する特殊な機能を持つ。大掛かりな脱脂作業を行うことなく、貼り付け後、数秒で粘着力を発現する。手切れ性にも優れ、剥離紙不使用なので現場でゴミは発生しない。 サイズは50㍉㍍×20㍍で、白と黄色の2色をラインアップ。全国の金物店や包装資材店、通販などで販売展開していく。

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住友化学・・・ホンダと環境価値訴求

再生PP材 EVフロントグリルに

住友化学と本田技研工業(ホンダ)はサステナブル素材の環境価値訴求でコラボレーションする。ホンダが今秋発売を予定する電気自動車(EV)「N―VANe:(エヌバン・イー)」。そのフロントグリル部分に住友化学のマテリアルリサイクル(MR)技術で得られたバンパー用ポリプロピレン(PP)の再生材料「ノーブレンMeguri(めぐり)」が採用された。

  • 発泡スチロール協会(JEPSA)・・・廃EPS有効利用率昨年は92%の高水準
  • 日本繊維産業連盟の日覺昭廣会長・・・特定技能制度に繊維業追加 外国人材確保に期待
  • 石油化学工業協会・・・6月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 千代田化工建設など・・・喜界島を脱カーボン構想実現へ包括連携
  • 三菱商事とネステ・・・再生可能化学品供給へ戦略提携
  • 日本発、国際規格に 少ないサンプルで生体認証精度高く
  • 化学製品値上げ
    ・ダウ・ケミカル日本・・・プロピレン系グリコールエーテル溶剤を8月1日納入分から値上げする。上げ幅は工業用グレードが1㌔㌘35円、電子材料グレードが45円。
    ・住友ベークライト・・・医薬品包装用フィルム・シートを9月1日出荷分から値上げする。上げ幅は硬質塩化ビニル単層シートと高防湿塩化ビニリデン複合シートが7%以上、ポリプロピレン単層シートと工業用共押出多層フィルム・シートが8%以上。

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ダイセル・・・xEV市場 グループ挙げ拡大

30 年度までに 200 億円増収

ダイセルは成長を続ける電動車(xEV)関連市場をグループ挙げて取り込むため、4月に発足したxEV市場拡販推進プロジェクトを中心に取り組みを加速させる。30年度までに売上高200億円規模の拡大を目指す。電流遮断装置やポリフェニレンサルファイド(PPS)をはじめとするポリプラスチックスのエンプラを中心に展開し、LIB負極材用のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)やバインダーといった新たな商材も加え拡大を加速させる。

東レ・・・車関連 売上収益4500億円に

今期7%増めざす

次世代の自動運転車をイメージしたコンセプトカー「TEEWAVE CX1plus」

東レは24年度の自動車関連事業売上収益を前年度比7%増の4500億円とする目標を設定した。23年度は半導体不足の解消による自動車生産回復に加え、電気自動車などエコカーへの商材採用拡大で10%の増収を果たしており、24年度も過去最高を更新する。
24年度売上収益目標の事業部門別内訳は繊維1500億円(前年度比5%増)、樹脂1590億円(10%増)、フィルム450億円(10%増)、複合材料600億円(横ばい)、関係会社・その他360億円(13%増)と設定した。

  • 群栄化学工業・・・フェノール樹脂繊維溶剤回収用3割増強
  • ポリプラスチックス・・・微粉末やPEK 新規事業が成果
  • 室蘭工業大学など・・・バイオマス燃焼灰消毒剤利用へ研究
  • レゾナック・・・廃プラ由来アンモニア タグボートに燃料供給

レゾナックは横浜港本牧ふ頭で日本郵船の商用アンモニア燃料タグボート(A―Tug)に使用済みプラスチックをケミカルリサイクル(CR)して製造する低炭素アンモニア「ECOANN(エコアン)」を供給した。CR由来のアンモニアを燃料利用するのは世界初。日本郵船のA―Tugも商用のアンモニア燃料船としては世界第1号で、8月下旬に竣工が予定されている。 給油は横浜市港湾局の協力の下、タンクローリーからフレキシブルホースを用いて船舶に燃料を供給するトラック・ツー・シップ方式で安全、円滑に行われた。供給に向け日本郵船、JERA、レゾナックと関係機関が協議を重ね、安全な運用方法の確立や港湾地区への安全な輸送・受け入れ体制を構築してきた。【写真】横浜港本牧ふ頭で日本郵船の商用アンモニア燃料タグボートに「エコアン」を供給した

  • エフピコ・・・トレー・容器再生リテールPと提携
  • 三菱ガス化学・・・核酸医薬CDMO参入へHSSと提携
  • ENEOS・・・輸入SAFをJALに供給
  • 日揮ホールディングス・・・ガス発酵研究開発 神戸市に拠点新設 来年末竣工
  • レゾナックHD・・・台湾のHD資産譲渡特別利益84億円超に
  • 大阪ソーダ・・・アリルクロライド設備が全面復旧
  • 東海カーボン・・・製鉄用黒鉛電極生産能力を削減 日本とドイツで
  • 大倉工業・・・医療機器製造業 本社工場を登録

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