石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

UBE・・・コンポジット、5拠点で能力増強へ

環境対応品など拡販

UBEは、ポリアミド樹脂(PA)のコンパウンドを中心としたコンポジット事業で世界5拠点体制を背景にグローバル展開を加速する。タイで増設した4号機は今年度下期から商業生産を開始する。さらに25年度からの次期中期計画では5拠点で生産能力増強を計画しており、周辺市場のニーズに沿った拡大策を進める。特に欧州と日本は環境貢献型材料を、タイと米国はスペシャリティ化を念頭に置いた拡販に注力していく考え。

東亞合成・・・川崎フロンティエンスR&Dセンター本格稼働 を開始

「研究団地」に社外の知 交流と共創で新たな成果を

オープンラボ施設

東亞合成が川崎市殿町の国際戦略拠点キングスカイフロントに新設した川崎フロンティエンスR&Dセンターが本格稼働を開始した。メディカルケア材料や、自動車向け次世代材料、セルロースナノファイバーなど、同社の今後を担う「第4の柱」候補の早期事業化を後押しする研究開発を、外部連携による知の融合を含めて活発化させる。

光硬化試験用イエロールーム

20日に現地で開催された開所式には、同社幹部のほか、川崎市関係者やこのエリアに進出している企業や研究機関の代表者などが多数参列した。その顔触れは、国立医薬品食品衛生研究所長、慶應義塾大学特任教授、近隣企業ではAGC、島津製作所、花王、SBカワスミ、ペプチドリームなど、名だたるバイオテック系の頭脳が集結。キングスカイフロントの新たな住民となった東亞合成に歓迎の意を表していた。

  • JNC・・・液晶材料、高速通信用途へ横展開 次世代向け最新材料で
  • クラレ・・・飲料水浄化用再生炭、米の増設を年内決定
  • 三洋化成工業・・・水溶・油溶両立の多金属対応防錆剤を開発

    水溶性では難しかった銅も防錆(左)する

    三洋化成工業は水溶性と油溶性を両立し、鉄以外の多くの金属にも対応する防錆剤「サンヒビターNo.70」を開発した。既に金属加工油2社で採用、国内20~30件にサンプル供給を開始した。ニーズを捕捉し、本格事業化に踏み切る。海外販売も視野に入れる。 同製品は得意の界面制御技術で親水性と疎水性のバランスを緻密に調整し、水溶性と油溶性を両立した。

  • 住友化学・・・共創へ千葉の新研究棟始動

    ガラス張りの吹き抜け空間を増やし研究者が交流できる

    住友化学は千葉工場(千葉県袖ケ浦市)で建設した新研究施設「Innovation Center MEGURU」の報道陣向け内覧会を開催した。異分野の研究者同士の共創文化を育む仕掛けを披露した。
    新研究棟は石油化学関連技術をベースとする環境負荷低減技術に関わる研究組織などを集約した。6月末に開所したが、設備の移設などを経て25年初頭までに研究者約400人体制で本格稼働する。

2024年 夏季特集号 新価値を提供する化学 各社の戦略製品・技術

▽2面=UBE、日本化薬
▽3面=KHネオケム、ENEOS
▽4面=三洋化成工業、トクヤマ
▽5面=丸善石油化学、住友化学
▽6面=三菱ガス化学、ユニチカ
▽7面=クラレ、本州化学工業
▽8面=旭化成、日本触媒
▽9面=クレハ、帝人
▽10面=ダイセル、東亞合成
▽11面=東洋紡、日本ゼオン

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