石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

デンカ・・・特殊混和材を高度化

カーボンネガティブコンクリート普及後押し

LEAFを使用したカーボンネガティブコンクリート

デンカは、カーボンネガティブコンクリート(製造時のCO排出量よりもCO2吸収量のほうが多いコンクリート)のキーマテリアルである特殊混和材「LEAF」の二つの高度化技術を開発する。一つは産業廃棄物由来原料の適用で、もう一つはLEAF自体の性能向上だ。開発を促進するため、青海工場(新潟県糸魚川市)に試験設備を導入する。LEAFの高度化で同コンクリートの社会実装を後押しする。デンカは鹿島建設、竹中工務店とともに幹事を務める55者のコンソーシアム「CUCO( クーコ)」でカーボンネガティブコンクリートの開発を進めている。このプロジェクトは22年1月にNEDOのグリーンイノベーション(GI)基金事業に採択された。デンカによるLEAFの高度化技術開発はその一環だ。

新社長インタビュー JNC 浅野 進氏

収益力向上へ 軸足を成長戦略に

アグリ・ライフ ケミカル・シリコン 3事業に集中
「構造改革から成長戦略へと軸足を移す。戦略強化事業としてアグリ(肥料)、ライフケミカル(セルロース)、有機シリコンの三つを設定。それぞれで高付加価値領域への展開をグローバルに推進するために、電力事業の収益を成長投資に活用していく。全社的な収益力を高めて、再上場を議論する雰囲気を醸成していきたい」。
6月28日付で社長に就任したが、山田敬三前社長からは昨年秋ごろに打診。予感はあったという。 会社生活の7割を経営企画畑で歩んできた。ターニングポイントは96年6月の自社さ3党合意による水俣病問題の政治解決策。これに基づくチッソの再生計画のスキームを作り、11年の事業会社・JNC設立のひな型も作った。日本ポリプロやジェイカムアグリなどM&A案件にも関与。グループの表裏、強み弱みのすべてを熟知する。
18年度以降は経営企画担当役員を兼務しつつ、化学品事業部や購買物流部を担当し、直近ではジェイカムアグリの会長も務めた。18、19年度と言えば同社が営業赤字に陥った直近で最も厳しい時期。そこで重たい事業責任や思うままにはいかない苦しみ、いわゆる生きた経営を味わったという。

  • 東ソー・・・ターゲット材、Cr―Siの新製品 低TCR薄膜を形成
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・先端分野の開発加速 ディスプレイ用機能性材料 低温硬化を実現
  • 日本化薬・・・触媒事業、中国で顧客層拡大 新増設機に提案
  • 本州化学・・・27年ごろ電子材料新設備建設を計画

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デンカ・・・高速通信基板材新製品 30 年度に 300 億円創出

低誘電有機絶縁材など

デンカは、5Gなど次世代高速通信向け基板材料の三つの新製品で30年度ごろに300億円の売上高を創出する計画だ。低誘電有機絶縁材料「スネクトン」で200億円、低誘電正接球状シリカと「低α球状アルミナ」の合計で100億円を目指す。次世代高速通信の普及に伴い拡大する需要を取り込む。

KHネオケム・・・冷凍機油 原料、増強設備が始動

千葉工場で再生の狼煙

29~30年のバランスを見越した増強が完了した

CO回収装置や事務棟建て替えなど 投資も活発化
KHネオケムは、千葉工場で環境対応型エアコン向けの冷凍機油原料の供給体制を拡充した。従来比で供給能力を1・5倍とした増設工事が7月に完了。各設備は順次稼働を開始している。世界規模で需要増大が続く中、29~30年ごろまでの需要に応える供給体制を確立。自家発電ボイラーの燃料転換やCO回収装置の新設など、サステナブルな投資も活発化させている。ヒット商品を製造する工場には勢いがあるものだ。環境に優しいエアコンの冷媒と言えば、オゾン層破壊係数が低く、かつ地球温暖化係数が低いR410A、R32などを指すが、これに対応する潤滑油=冷凍機油の原料を安定供給できるのは、世界で3社、アジアではKHネオケムが唯一である。特に高圧オキソプラントを起点に製造される合成脂肪酸であるイソノナン酸(C酸)は世界トップシェアを誇る。今回の千葉工場の能力増強は先行投資的な意味合いもあり、当面の世界需要に対応する供給体制を整えた。次期増設検討は第6次中計を推進している28~30年ごろとなるであろう。

  • 三洋化成工業・・・細胞外小胞精製キット 早期収益化に拍車 診断薬研究を支援
  • ユニチカ・・・生分解性ポリエス 非金属触媒合成へ 実用化で環境負荷低減
  • 信越化学工業・・・GaN成長基板の台口径化に成功
  • 旭化成・・・スウェーデン製薬企業の買収が完了
  • 三菱ケミカルグループ・・・エラストマーなどISCC認証取得
  • ダイセル・・・環境型ルアーに酢酸セルロース
  • DICグラフィックス・・・色マネジメントで新サービスを提供
  • デンカ・・・「たまごっち」に卵殻配合ABS
  • サイエンスコとGM・・・PPAで部品統合 電池を大幅軽量化

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  • 塩化ビニール樹脂(PVC)・・・インド向け850ドルに下落 運賃安と需給緩和反映
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年7月のソーダ工業薬品需給状況、2024年7月カセイソーダ出荷内訳
  • 財務省貿易統計・・・2024年7月石化品輸出実績、2024年7月石化品輸入実績
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・7月のOPP・CPP出荷実績
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・7月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本スチレン工業会・・・2024年7月受払表
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年7月のPSP出荷実績
  • 日本プラスチック板協会・・・2月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、2月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、2月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の7月国内出荷
  • 日本化学繊維協会・・・7月の合成繊維生産・在庫量

 

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  • ダイセル・・・マイクロプラント、3製品実装で実用化 レジスト材は一貫導入
  • クラレ・・・液状ゴム増強検討 鹿島、差別化品好調
  • ADEKA・・・電池材の事業化促進 半導体や環境材拡大
  • 帝人フロンティア・・・ウール代替素材 タイで増設完了
  • 旭化成ホームズ・・・基礎工事サブコン米フロリダで買収
  • 横河電機・・・電池電極膜厚さ計 省エネ軽量品開発
  • 三井・ダウポリケミカル・・・バイオEVAとLDPEを発売
  • カネカなど・・・廿日市市で生分解性樹脂を使用 資源循環モデル実証
  • 東ソーなど・・・CO分離回収 NEDOに採択
  • 三井化学・・・トナー用バインダー樹脂事業から撤退
  • 三菱ケミカルグループなど・・・ラボ機器間の通信規格普及
  • AGC・・・台湾に10月開設 半導体・電材向け技術サービス拠点

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