石油化学新聞 5402号
- 積水樹脂・・・成長戦略さらに加速 海外展開と新技術獲得に力
積水樹脂は24年度からスタートした3年間の新中期経営計画で成長戦略を一段と加速させる。注力している「サステナビリティ貢献製品」の拡大を図るとともに、M&Aを駆使して事業や技術を獲得し、海外展開の強化や新領域の開拓につなげていく方針だ。同社初となるプレス説明会を開催し、馬場浩志社長が説明した。同社は今年創立70周年を迎える。道路標識や防音壁材、人工芝などの公共部門と集合住宅のフェンスや梱包材などの民間部門で、交通事故削減、防災・減災、国土強靭化などの社会課題の解決に貢献する製品・サービスを提供する。
- 日本触媒・・・LIB用電解質、福岡に年3000㌧新工場 28年商業運転へ
日本触媒はかねて検討していたリチウムイオン電池(LIB)の電解質に用いられるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI=製品名「イオネル」)の国内初となる量産プラントの新設について、福岡県に新たな用地を取得して新工場を建設することを決めた。28年の商業運転開始を目指し、年産3千㌧の新設備を建設する。同社はこれまで、国内グループ会社のセミコマーシャルベースのプラントでの委託生産を通じて、国内と海外へのサンプル供給を実施し、実績を積み上げてきた。また、本格量産化の計画は海外進出を含めて前広に検討。しかし、日本政府が掲げる30年までに国内で年産150㌐㍗時のLIB製造能力確立という目標に沿って、LIB関連材料の経済安全保障が重要視されるなか同社は国内初となる本格量産プラントを福岡県に設置し、需要の伸びに応える。同社にとって福岡への生産拠点進出は初めてのこととなるが、物流の利便性や自然災害に対する安全性、ビジネス拠点としての優位性などを総合的に判断し、福岡進出を決めた。既に用地は絞り込んでおり、最終的な契約に結びつける構え。
- 住友化学・・・MMAとPMMA、シンガポールで削減
- 東レリサーチセンター・・・スーパーエンプラ絶対分子量を測定 受託分析サービスを開始
<特集>いでよ!〝未来 のケミスト〟/ 夢・化学― 21 (2面)
主要化学4団体(日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会)で構成する「夢・化学―21」委員会が主催する化学のイメージアップキャンペーンである「夢・化学―21」事業は、コロナパンデミック後のライフスタイルの変化に呼応して、それぞれのイベントを進化させている。ただ、化学のたのしさ、不思議さを子どもたちに伝え、化学の有用性と学問としての重要性を中高生の生徒や保護者、広く社会に浸透させるという根本的な目的は不変だ。生活者が身近な化学に触れ、サステナブルな社会の実現に化学が不可欠であることを知る機会を増やすことが、化学の信頼向上のファーストステップであることに変わりはない。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- DIC・・・半導体製造、前工程材料を拡大 レジスト材突破口に
- クレハ・・・臓器癒着防止フィルム 30年メド事業化
クレハは新規事業として、手術後に臓器同士の癒着を防止するフィルム=写真=の開発を進める。27年に臨床試験(治験)を開始し、30年ごろの事業化を目指す。将来は同社の事業の柱に育成する計画だ。
癒着防止フィルムの素材は非公表だが、生体吸収性の高分子として実績のある複数素材を複合したもので、手術時に臓器に貼って使う。癒着防止性能に優れ、体内に吸収するまでの期間をコントロールでき、使い勝手がいいという利点がある。
- クラレ・・・PVAマイクロキャリア 来年から世界販売 35年に売上高100億円
- 東亞合成・・・LIB負極バインダー 名古屋で設備増強 26年秋から供給
- 宇部エクシモ・・・再生PP段ボール、30年度に1割目標 UBEの廃材も活用
- 信越化学工業・・・絶縁チューブ、シリコーンゴムで金属導体棒を被覆
- クラレ・・・DXで市場拡大 Ansysと協働
- 旭化成・・・アルカリ水電解 伊デノラと協業
- デンカ・・・塩ビ繊維、シンガポールに集約 大船工場を閉鎖
- 三菱ケミカルグループ・・・トリアセテート繊維、GSIクレオスに来春譲渡
- 三井化学と丹青社・・・江ノ電の車窓風景 フィルムで鮮明に
- 化学製品値上げ
・旭化成・・・メチルメタクリレート(MMA)とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を9日出荷分から1㌔㌘35円値上げする。全製品10円以上
・KHネオケム・・・20日納入分から国内販売の全製品を1㌔㌘10円以上値上げする。対象はアルデヒド、アルコール、エステル、ケトン、グルコールエーテル、ジオール、合成脂肪酸、炭化水素、機能性モノマーなど。エポキシ変性品 - ナガセケムテックス・・・エポキシ樹脂変性品を10月1日出荷分から25~50%値上げする。