石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・RO膜、半導体向けを高度化 下排水から超純粋製造

リユース技術も開発

東レは半導体製造用の超純水を作る逆浸透(RO)膜の高度化を進める。世界的な水不足への懸念が強まるなか、新たに下排水から超純水を直接作れる「高尿素除去RO膜」の製品化にメドを付けた。22年に発売した「高シリカ除去RO膜」の性能向上にも努める。使用済みRO膜のリユース技術も開発し、廃棄物の削減につながる技術として実用化を目指す。半導体市場の成長に伴い拡大するニーズを取り込む。

アミンチェーン強化する 東ソー TETA 新技術で増産計画

ウレタン発泡触媒 新グレードを拡販

南陽事業所のエチレンアミン設備

重金属処理剤やCO回収液も
東ソーがスペシャリティ事業の一つ、エチレンアミンからその誘導品に至る「アミンチェーン」の収益拡大策を加速させている。「エチレンアミンは高付加価値品であるハイアミンへのシフト、誘導品は第3級アミン、重金属処理剤を含め品揃えの拡充を進める」(木下雅視アミン部長)方針だ。エチレンアミンの高付加価値品シフト策として、汎用品のエチレンジアミン(EDA)を原料にハイアミンを生産する新技術を実用化し、ハイアミンの一種であるトリエチレンテトラミン(TETA)を増産する計画。南陽事業所(山口県周南市)で27年度までに新技術による設備を建設する方向で検討している。南陽事業所では二塩化エチレン(EDC)、アンモニア、カセイソーダを原料とするEDC法によってエチレンアミンを生産している。EDC法はEDAやジエチレントリアミン(DETA)といったローアミンの他に分子量の高いTETA、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ピペラジンなどの多様なハイアミンが併産される。東ソーはこれまでもEDAを原料にハイアミンを増産してきたが、従来技術では欲しいハイアミンだけを目的生産できなかった。新技術はこれを可能にするものだ。

  • 旭化成・・・炭素繊維、再生技術の実用化促進 千葉にベンチ設備
  • 日本化薬・・・包材印刷、IJ化10%目指す 顧客と協業で拡大
  • DIC・・・低誘電樹脂増産へ 新規開発品の採用進む
  • 石油化学工業協会・工藤幸四郎会長・・・保安確保へ人材育成など リスク対応強化を
  • 住友化学・・・住友ベーク保有株 GIGに一部譲渡

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  • 石化の競争力さらに強化 レゾナックの新会社始動

レゾナックの石油化学事業を担う新会社・クラサスケミカルが分割準備会社として発足した。大分コンビナートはあくなき競争力強化と構造改善を通じて国内最強クラスのコンプレックスとして業界平均を上回る安定操業を継続。グリーンケミストリーへの転換に向けて地域連携を主体とする取り組みを加速している。国内クラッカーの再編議論が大詰めを迎えるなか、来年1月の事業会社としての本格始動と2~3年後を目指す上場に向けた新会社の動向が注視される。キーマンである福田博嗣氏が石化事業の現状と今後の展望について本音で語った。

業務執行役石油化学事業部長クラサスケミカル社長 福田浩嗣氏に聞く
―石油化学を取り巻く足元の事業環境は。
上期はナフサ価格の上昇に伴う在庫評価益に加え、当社はスプレッド(原料と製品の価格差)をしっかり取れており、業績的にはまずまずの結果を残すことができた。具体的には24年1~6月期の石化事業の売上高は1559億円、前年同期比で増収増益を確保できた。ただ、需要環境は相変わらず良くない。国内の自動車生産が不安定に推移したことが主な要因だ。また、生活資材や産業資材ではピンポイントで良くなってきた分野があるという報告をポリオレフィン系事業会社から聞いているが、これが継続的に改善していくかは不透明だ。

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  • CPL・・・中国生産20%増 上期 ナイロン需要も好調
  • 東レ・・・DI事業、売上収益倍増を計画 グループ内連携強化
  • 石油化学工業協会・・・8月の石化製品生産実績、8月の汎用4樹脂の出荷実績
  • UBE・・・CPL、9月 20㌦高の1670㌦
  • ポリスチレン(PS)・・・ベンゼン軟化10月値下げへ
  • 塩ビ工業・環境協会・・・8月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年8月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・7月のカーボンブラック実績
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の8月国内出荷
  • 化学製品値上げ
    ・JNC・・・オキソ誘導品を10月1日出荷分から1㌔㌘10円以上値上げする。
    ・旭有機材・・・10月出荷分からフェノール樹脂(固形・液状)を10%以上、レジンコーテッドサンドを5%以上値上げする。

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出光興産・・・SPS、用途を拡大 

基盤強化へ非車載も力

出光興産は独自製品、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)「ザレック」の応用分野をグローバルに広げる。販売量の大半を占める車載用で電動化などに伴う需要増を取り込みながら、固有の特徴をアピールし食品周りや家電向け、さらに繊維・フィルムといった押出成形用途でも市場を広げていく。同製品はマレーシアの新系列稼働で日本との2拠点体制とし、生産能力も倍増させた。非車載用を車載用に匹敵する規模にまで拡大させ、一層の事業基盤強化と2拠点での早期フル稼働につなげる。

  • プリファードネットワークス(PFN)とENEOS・・・原子レベルシミュレーター、96元素対応の最新版
  • 日本化薬・・・自動車IF、シリンダー型増産 アジア2拠点
  • JSP・・・発泡PEシート新製品、導電・緩衝性を兼備
  • 東レ・・・自動運転公共交通、意匠がレッド・ドット賞に

    APUREのモックアップモデル

    東レとドイツ子会社トーレ・インダストリーズ・ヨーロッパ、同国最大の交通機関RMV、同国デザイン会社neomindが共同で製作した次世代自動運転公共交通のデザインコンセプト「APURE(エーピュア)」が、世界的なデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」のデザインコンセプト部門賞を受賞した。APUREに基づき実際に乗降可能な内装を中心としたモックアップモデルを製作し、24~27日にベルリン国際見本市会場で開かれる鉄道業界の世界最大級展示会「InnoTrans2024」で初披露する。

  • 旭化成・・・ヘルスケア会社新設 血液浄化事業を譲渡
  • 三洋化成・・・低反発と通気性両立 快眠枕を共同開発
  • ダウ・・・ケーブル被覆用再生樹脂を投入
  • 東レ・・・洋上産油補修技術「現場VaRTM工法」 米団体が型式承認
  • JNC・・・ミリ波制御用液晶材料開発
  • 三菱ガス化学など8社・・・JOGMECからCCS事業を受託 瀬戸内発のCOマレーシアに貯留 東新潟地域では4社
  • レゾナック・・・半導体製造向け 仮固定フィルムと剥離プロセス開発
  • 島津製作所・・・メキシコの分析計測医用機器販社が始動

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