石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

クレハ・・・PVDF、LIB正極向け拡充

ドライ電極・次世代電池用も

クレハは、リチウムイオン電池(LIB)の正極用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の新グレードを拡充する。世界トップシェアを誇る3元系(ニッケル、マンガン、コバルト)正極用の新グレードに加え、中国で需要が拡大するリン酸鉄系(LFP)正極に対応したグレードを開発した。液系LIBの製造設備の乾燥工程を省ける「ドライ電極」に対応した材料、全固体電池など次世代電池向け材料の開発も進める。車載電池材料として拡大する需要を取り込み、PVDF事業の中長期的な高成長につなげる。

NBKマーケティング・・・防爆カメラ、プロセスプラントへ展開

現場のDX支援 化学プラントへの導入を 積極的に提案 北米向け の市場開拓にも着手

計器点検を自動化する防爆エリア対応カメラ

NBKマーケティング(東京都港区、岡本英一郎・代表取締役)は、IoTカメラとAIをセットで活用したアナログ計器の目視点検を自動化するサービス「LiLz Gauge(リルズゲージ)」で、石油や化学系プロセスプラント向けの展開に拍車をかける。このほど、防爆エリア対応カメラの新製品を上市し、本格的な営業活動に乗り出した。圧倒的なコストパフォーマンスと使いやすさを武器に製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援。25年度に事業規模を7億~10億円とし、27年度には20億~30億円規模を視野に入れる。

  • 帝人・・・高機能メンブレン、松山で増設を検討 半導体製造向け好調で
  • 合成ゴム国内価格・・・8~10月期、ブタジエン高騰受け 3四半期連続で上昇
  • マフテックグループ・・・アルミナ繊維、EV電池安全材に提案 遮炎材など実用化へ


マフテックグループは、結晶性アルミナ繊維「マフテック」の新規用途として、電気自動車(EV)電池周辺の安全部材への提案を推進する。マフテックの高い熱耐久性と断熱性などを生かし、電池パックに使う遮炎材、モジュールカバー、断熱保護材での実用化を目指す。遮炎材はマフテック製のブランケットをガラス繊維で挟んだサンドイッチ構造で、樹脂を含浸させて作る板状素材。電池パック内の上部に設置し、電池が発火した際に高温の炎や噴出する粒子を遮断する。含浸させる樹脂は旭化成から供給を受け、開発にこぎ着けた。【写真】電池パック内に設置した遮炎材とモジュールカバー

  • UBE・・・ウレタンシステムズ事業をランクセスから取得
  • 三井化学・・・調達プラットフォームを構築

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積水化学工業・・・モビリティ向け 新技術で環境貢献

塗料転写シート、軽量化CFRP

真空成形で転写塗装した自動車パーツの模型

・塗料転写シート、CO排出量を削減
・軽量化CFRP、スパッタリング着色
積水化学工業はモビリティ分野向けの新技術で環境対応に貢献する。多彩な技術と素材を組み合わせ、自動材の製造工程のCO排出量削減や軽量化部材の応用拡大を提案。高機能プラスチックスで社会課題の解決に答えを出す。

  • ポリプラ・エボニック・・・PEI発泡体、航空機内装用を拡大 軽量化へFST適合材

ロハフォーム

ポリプラ・エボニックは、エボニックが開発したポリエーテルイミド(PEI)をペースとする発泡体「ロハフォーム」を航空機内装コンポジット部品のコア材向けとして日本で上市した。米国航空宇宙局が定めた燃焼試験(FST=難燃発煙・毒性)に適合する高い安全性や強度、剛性などを備え、航空機内装用コンポジットに採用されるハニカムコアと比べて成形自由度も高い。大幅な軽量化(比重は0・075)を可能にし、燃費低減を支援する。

  • トクヤマ・・・カレット製造で燃転 重油・灯油を都市ガスに COを40%削減
  • ダイセル・・・機能性食品、ホップ由来の新素材 健康寿命を延長
  • 帝人フロンティア・・・阪神2軍新球場にリサイクル不織布
  • クリタック・・・PFAS除去浄水器を発売
  • 住友化学・・・CDMO子会社の事業運営を主導 出資66.6%に
  • 東洋紡エムシー・・・寝具クッション材でスポーツ団体と契約
  • 東レ・・・有明の新スポーツ施設とパートナー 協業開始
  • UBE・・・テレビ新CMに浜辺美波さん起用


UBEは女優の浜辺美波さんを起用した新テレビCM=写真=を1日から放映開始した。化学がより良い未来への可能性を広げていくことをテーマとし、カラフルな化学モチーフが日常の生活に寄り添う姿を描く。躍動感あふれる化学モチーフに浜辺さんが驚き、地球の未来にワクワクする。テレビCM放映に合わせて、WEB動画、特設サイト、広告デザインなど新コンテンツも公開する。

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  • 塩化ビニル樹脂(PVC)10月分のアジア輸出価格・・・インド向け10㌦安 中国品流入響く
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年8月カセイソーダ出荷内訳
  • 財務省貿易統計・・・2024年8月石化品輸出実績、2024年8月石化品輸入実績
  • 日本プラスチック板協会・・・8月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、8月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、8月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・8月の合成繊維生産・在庫量
  • ウレタン原料ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)・・・中国 冷蔵庫向け需要増
  • エンジニアリング協会・・・エンジ受注高最高 前期25兆7793億円 化学海外48%増加
  • 10月のベンゼンのアジア契約価格(ACP)・・・需給緩和で975㌦ 
  • 先進的CCS参画・・・東京湾に日本触媒 伊勢は三菱ケミカル
  • 化学製品値上げ
    ・JNC・・・10日出荷分から酢酸を1㌔㌘15円以上値上げ
  • 住友化学・・・農園芸向け天然物由来製品アンバサダーに小林涼子さん起用

住友化学は農園芸用途向け天然物由来製品「Natural Products」のブランドアンバサダーに、俳優で農業に造詣が深い小林涼子さん=写真=を起用した。同社グループは農園芸向けのバイオラショナルや殺虫剤向けボタニカル製品など天然物由来製品を幅広く扱い、共通のシンボルマークを用いた統一的なブランディングを展開。「世の中に、天然のPOWERを。」をスローガンに掲げ関連製品の販売を進めている。

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東ソー・・・PPS、車向け横展開進む

来年から順次採用

東ソーはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「サスティール」で車両用を重点とした金属接合用コンパウンドの拡販を加速させる。同社は接着剤を用いずに金属とPPSとを強固に接合する技術を得意とし、昨年春に世界で初めて車両部品向け量産採用を実現した。これをステップに他の車種や部品、他の顧客への横展開が進み、25年から順次採用が広がる見通し。顧客の認知度も高まり、電動車化を背景に車両軽量化、部品一体化のニーズが高まるなか、需要増を世界で取り込む。

ENEOS・・・合成燃料、実証プラント稼働

40年メド社会実装 原料から一貫生産 コスト低減を追求

ENEOSは合成燃料の社会実装に向けて大きな一歩を踏み出した。NEDOのグリーンイノベーション(GI)基金を活用して中央技術研究所(横浜市)で建設を進めていた日本初となる原料から一貫製造する実証プラント(日量1)が6月に完成。9月3日にはファーストドロップ(最初の一滴)を採取した。10月から本格稼働に入り量産化とコスト低減に向けた技術開発を進める。
9月28日の完成式典でENEOSホールディングスの宮田知秀社長は「GI基金を活用して合成燃料に取り組むかは社内でさまざまな議論があった。こうして実証プラントまでこぎ着けたことは感無量の思いだ」と語った。課題は水素価格に大きく依存する製造コスト。資源エネルギー庁の試算によれば国内で原料達から製造まで行う場合、合成燃料の価格は1㍑約700円とされる。

  • ユニチカ・・・超耐熱PAR拡販、2品目をレンズ・添加剤に
  • 三洋化成工業・・・SAP完全撤退 中国拠点を売却 衛材技術の停滞懸念
  • クラレとダイアナ・・・PETボトル再利用 人工皮革を共同開発
  • 千代田化工建設など4者・・・植物バイオ実用化へタンパク質量産急ぐ
  • 三菱ケミカルグループ・・・関西熱化学全株式を神戸製鋼所に譲渡
  • 旭化成ファーマ・・・診断薬事業を長瀬産業に売却

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