石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

帝人・・・PC事業、再生原料品を拡充

車向け欧ELV指令対応

帝人はポリカーボネート(PC)事業でリサイクル原料を使用したグレードを拡充する。自動車部品向けに展開するPC/ABS樹脂アロイで、欧州連合(EU)の法令「ELV(廃車)指令」の改正に対応したリサイクルグレードを10月に上市した。規制強化に伴い高まるニーズを取り込む。

千葉地区コンビナート、最適化とGXが加速

グリーンな石化拠点へ 誘導品再構築 競争力確立のカギ

能力最適化検討が始まった丸善石化の第3エチレンプラント

千葉地区京葉コンビナートが供給能力の最適化とグリーンケミストリーへの移行(GX)に向けて本格的に動き出した。国内最大規模を誇る京葉エチレンの親会社である丸善石油化学と住友化学が相次いで能力最適化を表明。既に公表済みの出光興産と三井化学のナフサクラッカーの1基化(出光興産装置の停止)と合わせて、26~27年には千葉地区のクラッカーは4基から2基に集約される見込みだ。各社とも能力最適化でプラント稼働率を上げ、基礎化学品の収益基盤を立て直す。ただ、再編の最終地点はGXをまとった新しいスタイルの石油化学コンプレックスの構築に他ならない。

  • 住友化学・・・短期集中で成果上積み 収益V字回復へ
  • トクヤマ・横田浩社長・・・中計達成「計画通り」 石炭価格下落で大幅増益
  • 11月PVC・・・インド向け20㌦高 日本品への引き合い活発
  • 積水化学工業・・・30年に年間33㌧のCOをCO転換 ひたちなかで

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カネカ・・・機能性食品素材を拡充

筋肥大促進の新製品

カネカは機能性食品素材事業の新製品として、筋肥大促進効果のあるレモンマートル由来カスアリニンを近い将来に発売する計画だ。品揃えの強化で同事業の拡大を加速させる。

  • BASF INOAC ポリウレタン(BIP)・・・植物由来原料、業界初 木造住宅向け断熱材発売開始

イノアックコーポレーションのグループ会社であるBASF INOAC ポリウレタン(B IP)は、植物性由来原料を使用した木造住宅向け現場発泡ポリウレタンフォーム「フォームライトBio Meguru SL50―e」を10月から発売した。同製品は植物由来原料を10%用いた環境負荷低減型の現場発泡ウレタンシリーズの新製品。木造住宅向けウレタン断熱材で植物由来原料を用いるのは業界初となる。従来品と同等の価格帯で現行装置のままで吹付作業が行える。バイオマスマークの認定を受けている。

  • ポリプラスチックス・・・LCP、非射出用途を強化 繊維、フィルム用へ
  • 島津製作所・・・バイオ医薬支援に参入 米クロマト装置会社へ出資
  • ポリプラスチックス・・・POM、セルロース強化品開発 高機能で環境対応を訴求
  • 日本ゼオン・・・ARレンズ向けCOP、低複屈折品を開発 高耐久で画像鮮明
  • 東洋紡・・・工業用PETフィルム 資源循環スキーム構築
  • JSP・・・回収原料配合の発泡PE成形品を発売
  • 旭化成・・・偽造防止技術が機能材判定に採用 インドで
  • 三菱ケミカルグループ・・・CRトレーサビリティー実証を実施
  • 東洋紡・・・工業用PLAフィルム、PET代替へ100%植物由来品を開発
  • 三菱ケミカルグループ・・・バイオPTMGが雑貨の合皮に採用
  • トクヤマ・・・中国の衛材向け微多孔フィルム廃止

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  • DIC・・・PPSコンパウンド、付加価値で成長追求 導電・放熱・摺動に力
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・樹脂窓、CN住宅に寄与 小冊子でアピール
  • DIC・・・メッキ廃液からパラジウム回収 事業化へ検証開始
  • 三井化学・・・オールバイオで合成床材タイルで万博協賛

三井化学はオールバイオ複合材による床材タイル=写真=が2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のEXPOナショナルデーホールの床材に採用されたことを受け、必要となる床材タイル(15㌢㍍角)2万枚を万博に物品協賛する。
同床材はグループのポリオレフィン事業統合会社プライムポリマーが製造するマスバランス方式によるバイオマスポリプロピレン(PP)とセルロースマイクロファイバーのコンパウンドによるオールバイオ複合材。サステナブルな原料を用いた環境負荷低減型の製品を提供し、万博の理念実現に貢献する。

  • 国産ナフサ9月・・・7万6900円に下落
  • 伊藤忠商事や旭化成・・・再生材とCNFで3D印刷用樹脂開発
  • 古河電工・・・北米空調市場向けPEフォーム開発
  • 化学製品値上げ
    ・旭化成・・・硝酸を1日出荷分から1㌔㌘6円値上げする。
    ・東ソー・・・塩酸を12月1日出荷分から1㌔㌘10円以上値上げする。
  • 財務省貿易統計・・・2024年9月石化品輸出実績、2024年9月石化品輸入実績
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・2ヵ月連続マイナスPVC国内出荷
  • 日本プラスチック板協会・・・9月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、9月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、9月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・9月の合成繊維生産・在庫量

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住友化学・・・PES事業を強化

パウダー向け 付加価値追求 ペレット数量拡大

住友化学はポリエーテルサルホン(PES)「スミカエクセルPES」の成長加速へ、主力のパウダー用途を分離膜や炭素繊維強化樹脂(CFRP)向けに市場を広げながらペレット用途で量的拡大を進める。足元で成長を牽引する分離膜用は人工透析膜向けの世界展開や応用分野の拡大に拍車を掛ける。ペレット用途は光通信関連や車載モーター周りなど、成長分野の取り込みに注力する。

  • 東亞合成・・・新社長に小淵氏 技術と人材 競争力ある会社に
    東亞合成の社長COOに25年元日付で就任する小淵秀範副社長は会見で「当社の強みである技術と人材を強化し、競争力のある会社を目指していく」と抱負を語った。小淵氏は入社以降、製品開発を主とする事業部に在籍。13年には赤字で苦しんでいたアクリル事業を立て直す強化プロジェクトのリーダーを務め、現在の成長ドライバーであるリチウムイオン電池(LIB)負極用バインダーを事業化した。「プロジェクトの開発手法と内容は、その後に続く他のプロジェクトにも引き継がれ多くの成果を出している。高付加価値テーマを次々と立ち上げ企業価値を高めることが私の使命だ」と強調した。23~25年の中期経営計画は「基本方針やPBR改善に向けた取り組みを継続していくが、事業環境は刻一刻と変化している」とし、今後は「柔軟に優先順位を入れ替え、限りある経営資源を最適に投下していく」意向だ。
    小淵秀範(こぶち・ひでのり)氏 88年明治大学大学院工学研究科工業化学専攻修了、東亞合成化学工業(現東亞合成)入社。18年執行役員、23年取締役、24年副社長。山口県出身、60歳。
  • 日本ゼオン・・・COP成長へ自信 28年完成の新設備機軸に
  • 東ソー・・・パワー半導体向けGaN薄膜成形材料を生産開始

東ソーは次世代パワー半導体の材料として注目される窒化ガリウム(GaN)のスパッタリングターゲット材(薄膜形成材料)=写真=の製造を開始した。子会社の東ソー・スペシャリティマテリアル(山形市)の工場に製造設備を8月までに導入し9月に商業運転を始めた。ターゲット材事業の柱の一つに育成する。
現在のGaNを使ったパワー半導体は、化学的気相成長(CVD)法でGaNをシリコン基板の上に成膜した「GaN・オン・シリコン」が主流。CVD法は高結晶性のGaN薄膜が得られる半面、原料利用効率が低いうえ、原料に高価な高純度アンモニアを大量に使うことが難点だ。成膜に1千度C以上の高温が必要なためアンモニアをリサイクルできず、その除害装置が必要となり設備コストも高くなる。大面積基板への成膜が困難なことも課題とされる。

  • 出光興産・・・全固体電池向け電解質 年産数百㌧計画 27年完工
  • 東洋紡・・・宇都宮 MLCC向け離型フィルム増設完了
  • 信越化学工業・・・電解・塩ビ、米新ライン稼働 エチレンなど増設も
  • 三井化学・・・祭り×マテリアル オープンラボで提案
  • 信越ポリマー・・・ラップフィルム事業会社を吸収
  • 横河電機・・・バッチプラント向け製造管理パッケージ
  • TOPPAN・・・ちとせグループとバイオ品開発促進

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