石油化学新聞 5413号
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 新社長インタビュー 東亞合成 小淵秀範氏
利益向上は 技術・人材を強みに
海外販売比率 高付加価値品で向上
「競争力の源泉は高付加価値テーマを継続的に発掘し、立ち上げること。このサイクルを加速化、さらなる利益向上を目指す。結果、ROEやPBRの向上など企業価値向上につながる」
25年1月1日付で社長COO(最高執行責任者)に就任する。開発に長く携わり、入社当初は高吸水性樹脂の開発を、13年には研究、営業、工場、事業部の各組織から精鋭を集め、新規テーマ探索プロジェクトを結成。複数の有望テーマを発掘し、このうちリチウムイオン二次電池(LIB)負極用バインダーの開発をリードし、現在の成長ドライバーの礎を築いた。真面目な語り口ながら闘志を秘めており、社内からの信頼も厚い。
「当社は安定的に収益を上げ、新規製品を中心に設備投資もしっかりと行い、総還元性向100%と、良いかたちで前進している。だが、目標とする利益拡大が図れていない」と自己分析し、「財務強化の取り組みを加速させ、事業ポートフォリオを一段と高度化し、市場からの期待に応えていきたい」と意欲を示す。ここでは単なる縮小均衡でははなく、製造や営業、研究からコーポレート部門を含めたすべての現場の奮起による収益向上に期待を寄せる。
- セーレン・・・ 投資計画、成長分野に3年300億円 エアバッグなど増産
- 三井化学・・・千葉PP、1系列停止を検討 フェノールは大阪軸に
- 日本化薬・・・マレイミド、高周波基板用を拡大 低Df品も化審法取得
<特集>高機能化と環境 対応で成長へ/ ポリカーボネー ト (2~3面)
ポリカーボネート(PC)は透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性などを兼ね備えた汎用エンプラで、5大エンプラ市場の半分近くを占める。金属やガラス代替材料として電気電子や建築、包装、自動車、医療などさまざまな分野で使用されている。PCの市場規模は約150億㌦と推定され、今後10年間の成長率は年4~5%で推移する見通しだ。しかし、需要の半分を占める中国の景気低迷と同国メーカーの過剰な設備投資により、供給過剰の状態が続く。こうした状況下にメーカー各社、製品の差別化で収益性を向上させながら、市場拡大に向けた取り組みを加速させている。
概況
- 供給過剰で収益悪化
- 成長市場狙い差別化推進 環境製品を事業化
住化ポリカーボネート
- PCR材使用品を拡充
- 塗装レス化 豊富な意匠性樹脂で
帝人
- 高付加価値化 樹脂~加工品一貫で
- 非化石原料品 環境対応で採用拡大
三菱エンジニアリングプラスチックス
- 構造改革で収益性向上
- グループ連携 ポリマーから差別化
出光興産
- 成長継続 高付加価値品に特化
- インプラント化 競争力高める
コベストロ
- 再生グレード供給拡大
- バイオマス回収品再生 循環経済を実現
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 日本化薬・・・GHG排出、30年度に46%削減 国内、達成メド
- ADEKA・・・PP向け透明化剤 世界首位目指す 30年メド売上高7.5倍に
- 東レ・・・来期事業益1800億円 構造改革、価値創出 目標達成へ手応え
- 旭有機材・・・電材用樹脂、需要増に対応 日中で再増設検討
- PSジャパン・・・ノンハロ難燃PS、LDS工法の認証取得 アンテナ基板向け展開
- 第一工業製薬・・・反応性界面活性剤、30年度に5割増販 戦列拡充、NP系代替
- 旭化成・・・微小金属検査装置、ライセンス販売へ
- 日本ポリケム・・・PPコンパウンド、米印で車向け増設
- 住友化学・・・気相法CPL製造技術をハイケムに譲渡
- 次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)・・・バイオエタノール第2世代設備竣工
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・10月のOPP・CPP出荷実績
- トクヤマ・・・塩酸を元日出荷分から1㌔㌘15円以上値上げ