石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ガス化学・・・循環型メタノール普及促進

水島に 26 年稼働でデモ設備導入

三菱ガス化学は水島工場(岡山県倉敷市)でCOやバイオガスなどからの環境循環型メタノール生産をデモンストレーションする設備を導入し26年に稼働する。これで顧客に技術への理解を深めてもらい、環境循環型メタノールのグローバルな普及につなげる。国内外での事業化検討やメタノールの船舶燃料用途開拓も進め、事業の飛躍的な拡大を図る。
水島工場に建設するデモ設備はメタノール生産能力が年100㌧と小規模で、極力シンプルな構成とし反応系や蒸留・精製系などの各工程をパッケージ化する。これで将来は商用設備の建設地のニーズに合わせ設備規模を調整し、低コストでスピーディーに建設できるようにする。

帝人のアラミド事業 洋上風力発電用途に力

電力ケーブルなど獲得 再エネ分野で成長に弾み

帝人がアラミド事業で洋上風力発電関連用途の開拓に取り組んでいる。同用途を成長分野に位置づけ、拡大する需要を取り込む考えだ。
有望な用途の一つが、電力を大陸間で輸送する高電圧海底電力ケーブル「インターコネクターケーブル」の補強材(アーマー)だ。従来の金属を補強材に使った海底電力ケーブルは重く、水深1千㍍を超える深海への設置は困難だが、パラ系アラミドを補強材に使ったケーブルは軽く、敷設が容易になる。21年には欧州でパラ系アラミド補強のACケーブルが敷設された。今後、世界中で予定されている深海域での敷設プロジェクトを実現していくためには、軽量なパラ系アラミド補強の海底電力ケーブルが必要になるとみている。

  • 三菱ケミカルグループ・・・PETフィルム、製品ミックスを改善 高付加価値用29年度5割に
  • 旭化成・・・CO原料のLIB電解液 中国で10万8000㌧ 技術供与設備が稼働
  • DICと日立・・・情報科学で最適化 設備の自動運転化へ
  • 大日精化工業・・・CO原料のウレタン樹脂を量産化

THE PETROCHEMICAL PRESS

タキロンシーアイ・・・耐熱とバリア性兼備

PE系モノマテフィルム開発

タキロンシーアイは、ポリエチレン(PE)系で高い耐熱性とガスバリア性を兼備するモノマテリアル(単一素材)フィルムを新たに開発した。コア技術を駆使しPE系では難しいとされる高耐熱性を付与することに成功した。年明けから幅広い分野でサンプル提供を開始する。顧客の反応を見ながら量産化の検討に入り早期の上市を目指す。
環境意識の高まりにより、包装フィルムにはリサイクルしやすいモノマテリアル化が求められている。耐熱性が高いポリプロピレン(PP)を中心にモノマテリアルフィルムの開発が進んでいる。それに対しPEは耐熱性の低さから多層フィルムで用いられるナイロンやPETの代替が難しく、PE系のモノマテリアルフィルムは用途が限定されている。

住友化学・・・農薬とICT 2部門で攻めの展開強化

コア営業利益 それぞれで1000億円へ 

革新技術で次世代リード
住友化学は成長事業と位置付ける農薬とICTの2部門で攻めの展開を強化する。10月の全社的組織改正で、アグロ&ライフソリューション部門とICT&モビリティソリューション部門が始動。両部門でそれぞれ30年度にコア営業利益を1千億円に拡大する目標を明示した。アグロ&ライフは24年度のコア営業利益見込み600億円、ICT&モビリティは650億円が発射台となる。両部門とも革新的技術で次世代領域の市場開発を加速し、目標達成の確度は高そうだ。

  • 旭化成エレクトロニクス・・・ホールセンサー、最小最薄品を量産化 スマホなど性能向上
  • ダイセルなど5社・・・腸内環境検査で新団体 信頼性向上へ
  • 日精樹脂工業・・・竪型射出成形機 国内最大級 低床の大型機を追加
  • クラレ・・・クレーンゲームに再生PMMA板
  • 東洋紡エムシー・・・印で水処理向けRO膜販売開始
  • PSジャパン・・・ヤクルト容器にバイオPS採用
  • デンカ・・・バイオマスBOPSの発売開始

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 出光ファインコンポジット・・・難燃材・エンプラ複合材・環境素材 領域拡大へ戦列拡充
  • 塩化ビニル樹脂(PVC)の12月分のアジア輸出価格
  • UBE・・・ナイロン原料カプロラクタム(CPL)のアジア大口需要家向け11月契約価格
  • 12月のベンゼンのアジア契約価格(ACP、運賃込み)
  • 財務省貿易統計・・・2024年10月石化品輸出実績、2024年10月石化品輸入実績
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年10月カセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・10月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、10月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、10月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・10月の合成繊維生産・在庫量
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカルグループ・・・錠剤・カプセル包装用のPTPシートを元日出荷分から値上げする。上げ幅は硬質塩化ビニルシートと硬質塩化ビニル・塩化ビニリデン複合シートが8%以上、無延伸ポリプロピレンシートが7%以上。
    ・タキロンシーアイ・・・粘着剤付き不燃認定化粧シートと関連製品を2月3日出荷分から10~15%値上げする。

THE PETROCHEMICAL PRESS

ダウ日本グループ・・・今年、全BUが増販増収

GXや省エネ追い風に

ダウ日本グループは24年、すべてのビジネスユニット(BU)で販売数量と売上高を前年より拡大できそうだ。GX関連をはじめ脱炭素や省エネ、安全性向上といった世界的に高まるニーズに沿った事業が牽引した。近年の円安定着は輸入販売も多い同社にとって逆風だが、医薬品用のポリエチレングルコール(PEG)や半導体製造工程用の高純度有機溶剤などの新ビジネスも拡大しており、25年以降も成長を押し上げていくと期待する。

  • 積水樹脂・・・試験施設を一新 未来支える研究基盤に
    「創来都」26年度稼働

馬場浩志社長

積水樹脂は自社の未来を支える交通関連製品などの新技術・新製品を検証・試験するための施設「創来都(そらいと)」を設置する。滋賀工場(滋賀県竜王町)にある性能確認試験走路「道夢道(どうむどう)」をリニューアルするもので、26年度に立ち上げる。
同社創立70周年記念式典の前に行ったプレス説明で馬場浩志社長は「道夢道は操業開始から30年が経過した。これからの新しい技術を獲得、構築するために新しい試験設備が必要になる」とリニューアルの背景を語った。創来都のコンセプトは製品を創出するアイデアの「深化」、都市空間の「進化」、そこで生活する人の「真価」の三つ。これらの「しんか」に結びつく製品を開発する研究基盤に位置付ける。研究施設で創出した新製品の試験を行うイノベーションエリアと、各製品の展示を行うベーシックエリアで構成し、顧客とのオープンイノベーションや社員の人材育成の場としても活用する。

  • 東ソー・・・南陽で塗料硬化剤5割増強
  • 荒川化学工業・・・水素化石油樹脂、3月メド生産回復 定修で抜本改善
  • ENEOSマテリアル・・・ハンガリーS―SBR、合弁を完全子会社化
  • リケンテクノス・・・塩ビコンパウンド、ベトナム新設備稼働
  • 日本ゼオン・・・核融合発電装置開発 米ベンチャーに出資
  • ユニチカ・・・繊維事業から撤退
  • 帝人フロンティア・・・良品計画と協業でポリエス繊維再生
  • 東北大など4者・・・ポリオレフィンMR技術を開発
  • 帝人・・・生産履歴追跡管理、蘭社に出資
  • 川崎重工と中国社・・・車載LIB再生システムを開発
  • KHネオケムとベネイノテクノロジーズ・・・糖鎖・DRP技術 相乗加速へ提携
  • 積水ハウスとブリヂストン・・・給水給湯樹脂配管の水平リサイクル開始

最近の記事一覧石油化学新聞一覧