石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

【おことわり】本号(16日付)が今年の最終号となります。年明けは1月1日付新年特大号からとなり、同号は6日付の合併号です。ご了承ください。石油化学新聞社

東ソー・・・クロル・アルカリ事業の構造改革へ

中国PVC子会社対策急ぐ

東ソーはクロル・アルカリ事業の構造改革に乗り出す。特に中国での需給緩和により損益悪化に苦しむ広州市の塩化ビニル樹脂(PVC)事業子会社の抜本的対策を急ぐ。日本から原料塩化ビニルモノマー(VCM)をアジアのPVC事業子会社に供給する現行のビジネスモデルも見直し、将来的に需要地でクロアリ製品を地産地消する施策を練る考えだ。
地産地消の検討も

三井化学・・・2事業で収益拡大牽引

差別化と市場展開で成長へ

30年度コア営業利益
モビリティで930億円、ICTで730億円創出
三井化学はモビリティとICTの二つのソリューション事業で中長期の収益拡大を牽引する。30年度のコア営業利益目標2500億円に対して、モビリティは37%を占める930億円を稼ぎ出し、ICTは29%の730億円に拡大するという目標を設定した。ともに大型の新規M&Aに頼らず、差別化された既存の製品の拡販とその延長線上にある新規開発、さらに市場に即したマーケティング戦略によるオーガニックな成長で目標達成を見込む。しかし、中国市場は機会とリスクの両面で不透明要素が強く、今後の対中国戦略の成否が目標達成のポイントとなりそうだ。

  • KHネオケム・・・生産基盤強化を加速 スマート工場化へ 品質管理も充実
  • クレハ・・・家庭用ラップトップへ 26年度に拡販戦略を始動
  • ポリプラスチックス・・・中国で4系列体制に コンパウンド25年初から稼働
  • 東レ・・・ポリエステル繊維 吸湿性付与し量産

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東レ・・・伸縮ナイロン繊維を増産

衣料向け 単一素材品開発も

東レはスポーツウエア向けなどに展開する高ストレッチ性伸縮ナイロン繊維の生産能力を24年度中に増強する。同繊維の環境配慮型の新グレードとして、リサイクルしやすいモノマテリアル(単一素材)グレードも開発した。これを使った伸縮テキスタイルを拡販する。

  • 東レ・・・高誘電率と復元性兼備 伸縮性フィルム開発
  • スギノマシン・・・カーボンナノチューブ(CNT)向けの溶剤系分散剤 高分散・低粘度を実現
  • 旭化成・・・生成AIの活用開始 用途探索や技術伝承で
  • 三菱ケミカルグループ・・・バイオエンプラがスズキ車に採用
  • カネカ・・・スタバに生分解性樹脂ストロー採用

カネカの生分解性バイオポリマー「グリーンプラネット」を用いたストローが、スターバックスコーヒージャパンが展開する日本国内のスターバックス店舗に採用された。25年1月23日から沖縄県内のスターバックスコーヒー32店舗でレギュラーのストローが先行導入され、3月以降、全国の店舗でも順次展開される。4月上旬に独自のドリンク「フラペチーノ」に使用する太い径のストローも全国の店舗に導入される。

  • ポリプラ・エボニック・・・耐溶剤分離膜、バイオ燃料用で稼働 国内大手向けに


ポリプラ・エボニックは、国内のバイオディーゼル燃料生産工場向けで耐溶剤分離膜「ピュラメム」の量産稼働を実現した。23 年にパートナー企業のRITA(東京都)との連携でバイオディーゼル燃料の国内大手であるダイセキ環境ソリューションに採用を果たし、採用前のテストで既存の分離システムに比べ大幅な生産性向上に成功し、量産化の際も高い生産性を保持した。精製能力は年間1200㌔㍑(蒸留装置の約17倍に相当)。 ピュラメムは精製工程において大半の不純物を除去でき、高品質なバイオディーゼル燃料(FAME=脂肪酸メチルエステル)を精製できる。膜分離法は燃料を高温処理する必要がなく、安全かつ安価なプロセス。蒸留システムを用いないため熱分解することなく高収率で製品化できる。【写真】分離膜による精製処理設備

  • ADEKA・・・SPAN用いて軽量電池を試作
  • 帝人とリブワーク・・・繊維強化集成材で大空間の木造住宅
  • 東洋紡と大阪大・・・PIフィルムで6G向け基板開発
  • 大日本印刷・・・高NA対応フォトマスクの提供開始

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  • 日本エイアンドエル・・・ラテックス、用途広げ成長持続 新規市場に注力
  • 芳香族・・・PX値差200㌦割れ ガソリン需要不振が響く
  • AGC・・・イオン交換膜、プラント省電力化 食塩電解向け攻勢

AGCが食塩電解プラント向けイオン交換膜の新グレード「ファアブルー・フレミオンF―9060」=写真=で攻勢に出ている。新グレードは電解プラントの電力コスト低減とCO排出量削減に貢献するイオン交換膜として高く評価され採用が進み、3年後には同社の主力製品になる見通しだ。新グレードはイオンをより通しやすい構造を持つAGCの新規フッ素系ポリマーを採用し、電解プラントでの電解電圧を現在の主力品種「同F―9010」に比べ約40㍉㌾㌾(1~2%)低減させる。これでカセイソーダ生産量1㌧当たりの消費電力を約28㌔㍗時、CO排出量を約12㌔㌘削減できる。電力コストが上昇するなかこうした特徴が際立ち、世界中で採用されるケースが増えてるという。今後も拡販を加速させる。

  • 石油化学工業協会・・・「石油化学工業の現状」24年版発行
    石油化学工業協会は石油化学産業に関する基礎データをまとめた冊子「石油化学工業の現状2024」(A4判63㌻)=写真=を発行した。


同冊子は1961年からほぼ毎年発行され、「日本の石油化学コンビナートの現況図」や各種統計は広範な製造業のサプライチェーンの川上に位置する化学産業の構図把握のための資料として産学官の各方面で活用されている。日本の石化産業の再編状況や石化協会会員企業の国内外での主要石化製品の生産品目についても解説している。
1部700円(送料別)で頒布する。申し込みは石化協会ホームページ「刊行物案内」に掲載の刊行物申し込みフォームから。

  • 三井化学と萩原工業・・・ブルーシート再生、品質向上へ連携
  • 出光興産など3社・・・次世代バイオ燃料、建設現場で実証開始
  • 日本ゼオン・・・実験データ連携へ秘密経産技術実証
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の11月国内出荷
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年11月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・10月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカルグループ・・・酢酸ビニルモノマー(VAM)を1月20日出荷分から1㌔㌘25円値上げする。

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  • 日本化薬・・・半導体関連材を拡販 増産・品揃え拡充
  • 日本エイアンドエル・・・ABS、米国で現地供給 委託で来年早々
  • 大倉工業・・・福田次期社長 抱負を語る
    成長へ軸足 経営ビジョン達成が使命 社員と絆、ともに未来を創造

神田進社長(右)と福田英司次期社長

大倉工業は来年1月の新体制発足を前に、神田進社長と福田英司次期社長(現取締役専務執行役員)が取材に応じた。福田次期社長は「神田社長と思いを共有し幹部の一人として経営ビジョン『Next10(2030)』を策定した。この6年間で作り上げた土台と基盤をベースに、次の6年間は成長に軸足を移していく。経営ビジョンで掲げた数値目標をいかに達成させるかが私の最大のミッションだ」と抱負を語った。 同社は18年に社長に就任した神田社長の肝いりで、将来の羅針盤となる経営ビジョンを策定。その後の6年間はコロナ禍やウクライナ問題、米中対立など先行き不透明な状況が続くなか、収益力を向上させるための土台作りと基盤強化を行ってきた。25年からスタートする3年間の新中期経営計画では成長ステージに移行する。トップと経営体制を刷新してギアチェンジを図り、事業領域拡大による成長をスピードアップさせる構えだ。

  • タキロンシーアイ・・・成長戦略を加速、伊藤忠の人材活用 苦手克服、攻勢へ
  • 独ランクセス・・・リン酸鉄、LIB向け事業課 ドイツに試験設備
  • リケンテクノス・・・塩ビ食品ラップ 小巻品の販売好調
  • KHネオケム・・・汎用溶剤5品目 来年末メド撤退
  • アキレス・・・ガラス基板上にめっき膜高密着 新技術
  • 日本触媒・・・北大発脂質ナノ粒子新興を完全子会社化
  • 住友ベークライト・・・子会社ソフテックが西部樹脂を4月合併
  • 東北大と住友ベークライト・・・次世代半導体用素材 東北大に共創研究所

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