THE PETROCHEMICAL PRESS
- 石油化学業界、経済安保念頭に構造改善
目指せグリーンケミカルパーク / 多彩な原料調達 保守・定修も共同で
石油化学業界は25年、構造改善の取り組みを確実に前進させるとともに、カーボンニュートラル(CN)の実現に向けた持続可能なコンビナートの再設計に取り組む。素材の経済安全保障を守り、環境負荷低減型の新技術を実装レベルにまで高め、環境価値が適切に認められる社会システムの整備に目配せしつつ、次世代型のグリーンケミカルインダストリーを構築する。究極のゴールはコンビナート運営に必要な機能をすべて集約した共同体、グリーンケミカルパークにありそうだ。
- 出光興産・・・重点4事業に積極投資 木藤社長 千葉全体で石化再編視野
木藤俊一社長
出光興産の木藤俊一社長は記者会見で、25年の展望について「今年は50年カーボンニュートラル(CN)社会実現に向け、当社のたどるべき道筋を本格的に見定めていく」と述べた。26年度からスタートする次期中期経営計画では「CN社会に向けた投資を本格的に進め、持続可能なビジネスモデルの確立を目指
す」考えを示した。
中期経営計画(23~25年度)では30年に向けて1兆円規模の事業構改革投資を計画し、優先するプロジェクトを絞る方針を掲げていた。今回、CNに資する新規事業としてアンモニア・eエタノール・SAF(持続可能な航空燃料)・固体電解質を重点4事業に設定すると発表した。「早い時期に需要が発生する事業を選定した。優先的に資源配分を行っていく」と強調した。
- ナフサクラッカー・・・25年定修は2基 エチレン能力 8%増の670万㌧に
2025年 新年特集号
「事業刷新、さらなる高みへ」 ~化学関連企業トップに 成長戦略を聞く~
新年特集 目次
▽2面=三菱ケミカルグループ、三井化学
▽3面=住友化学、出光興産
▽4面=ダイセル、ダウ日本
▽5面=クラレ、デンカ
▽6面=ENEOS、アズビル
▽7面=丸善石油化学、日本触媒
▽8面=日鉄ケミカル&マテリアル、タキロンシーアイ
▽9面=本州化学工業、日本エイアンドエル
▽10面=東亞合成、JNC
▽11面=東ソー、三菱ガス化学
▽12面=DIC、日本化薬
▽13面=大倉工業、アールエム東セロ
▽14面=ENEOSマテリアル、日本ゼオン
▽15面=プライムポリマー、三洋化成工業
▽16面=東レ、帝人
▽17面=ポリプラスチックス、出光ファインコンポジット
▽18面=積水化学工業、横河ソリューションサービス
▽19面=カネカ、東洋紡▽20面=UBE、KHネオケム
▽21面=JSP、積水化成品工業
▽22面=トクヤマ、クレハ
▽23面=PSジャパン、旭有機材
石油化学新聞社人事 代表取締役の異動に関するお知らせ
石油化学新聞社社長 小山桂一 就任ごあいさつ
業界照らす灯りに
このたび、石油化学新聞社社長に就任いたしました小山桂一でございます。最初に、新聞購読者の皆さまをはじめ関係者各位の永年にわたるご支援、ご厚情に感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
当社は、1954年4月に創業し、翌年の2月にプロパン・ブタンニュース、12月に石油化学新聞を創刊いたしました。業界草創期からLPガスと石油化学の両業界の歩みを取材し、広く社会に伝える役割を果たしてまいりました。創業者成冨健一郎は本当によく歩いた人でした。当時、大学ノートや資料類、書籍を包んだ風呂敷をひとつ抱えて日本全国の産声をあげたばかりの業界の皆さまを訪ね、膝を交えて親しく語り合い、業界の未来を熱く議論したと聞いております。以来70年、愛される新聞になりたいとの一念は長男成冨治が引き継ぎ、父が目指した「新聞はその時々の業界の縮図であるべき」との使命をさらに追及して今日に至っております。
私は1989年に入社して以来、経理・人事など、会社と社員を見守る立場として35年、従事してまいりました。すべての社員が健康で快適に、思う存分、業務を遂行できるよう縁の下から目を配ってきた自負があります。記者経験も営業経験もございませんが、この重責を担ったからには、今後ともさらに縁の下の力として踏ん張ると同時に、成冨治新会長のご指導のもと、畳に上がって、社業と業界発展のため全力を傾注してまいる所存でございます。
当社は創業70年に当たりスローガンとして「a torch to the future」を掲げました。業界の未来を照らす松明の一つでありたいという思いです。そして、 社員ひとりひとりが、皆さまの足元を照らし、寄り添い、この業界とともに歩んで行くのだという決意を示すものです。
今日、世界はウイズコロナの時代を忘れたかのように人々の往来が活発ですが、パンデミックはいつ起こるとも限りません。地球温暖化によると思われる気候急変も激しさを増しております。現在、国の内外を問わず、地球環境、世界経済、社会事象など、実にさまざまな問題が山積しております。そのようななかで、広範な問題解決にアプローチする素材産業の仕事に携わっているこの事実は、私にとって、もうひとつの誇るに足る縁の下の矜持となっております。
ところで、私の母の実家は東北で米穀店兼プロパン販売店を営んでいました。小学生のころ、夏休みに遊びに行くと、よく配達のトラックに乗せてもらいました。東京と東北ではテレビのチャンネルが異なり、私の見たい番組を探すのが大変でしたが、小学生でも新聞に番組欄があることくらいは知っています。しかし、居間にあった新聞をめくってもひっくり返してもテレビ欄がありません。「何で載ってないの」と伯父に聞くと「仕事の新聞だからテレビ欄はない。河北を見ろ」と言われました。後年、私が当社に就職したことを伯父に知らせると「夏休みにテレビ欄がないと言っていた新聞が、プロパン・ブタンニュースだったんだぞ」と。これが50年前の夏の私と石油化学新聞社との出会いでした。
以来、そのテレビ欄のない新聞を取り巻く環境は、目の眩むような進化を続けております。私はこれまで担当の一つとして新聞制作、社内業務のデジタル化に努めてまいりました。 この星に生まれ、育ちゆく子供たちの将来のためにも、私たちはまさしく縁の下の力持ちとして、めくってひっくり返して読まれ、愛される新聞づくりに邁進していく所存であります。 読者の皆様におかれましては、これまで同様のご指導、ご支援を賜りたくお願い申し上げます。
当社は、2024年12月25日開催の取締役会において、下記のとおり、代表取締役を異動することについて決議しましたのでお知らせ致します。
異動の内容(2024年12月25日付)
氏名 |
新役職名 |
旧役職名 |
成冨 治 |
代表取締役会長 |
代表取締役社長 |
小山 桂一 |
代表取締役社長 |
代表取締役専務 |