石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

フタムラ化学・・・活性炭フィルター増設

セロハン設備老朽化更新も

フタムラ化学は主力事業で設備投資を推進する。液体・空気浄化用の活性炭フィルターは岐阜工場(岐阜県美濃加茂市)で生産設備を増設する。年内に着工し27年の完成を目指す。セルロースフィルム(セロハン)は大垣工場(岐阜県大垣市)で老朽化した中核設備を全面更新する。昨年10月に着手済みで3月に完了する。これら積極投資で各事業の持続的な成長につなげる。

三井化学・・・フェノール最適化検討大詰め

中国の資産軽量化が焦点 他社連携も視野

大阪に残るフェノールプラント。バイオマス材料としての供給もスタートしている

三井化学が石化事業の再構築第2幕の中核課題に位置付けるフェノールの最適化で、各方面の検討が大詰めを迎えている。最大の焦点は中国での折半合弁による上海中石化三井化工有限公司(SSMC)のライトアセット化。これをクリアすれば当面の収益悪化要因に歯止めがかかることになる。
一方、国内では市原工場のフェノール設備を26年度までに停止することを決めているが、さらなる最適化と基盤強化を追求していく。基本は大阪工場のフェノールプラントを残しつつ、国内外の同業他社との事業提携を視野に入れ、能力を適正化。経済安全補償の観点から今後もフェノールサプライチェーンを堅持するための方策を練っている。これら検討はいずれも25年中に意思決定が下されそうだ。

  • 旭化成・・・富士支社、感光性絶縁材を増設 アジア新設も検討
  • 信越ポリマー・・・TPOで新規用途展開 開発テーマ グラスラン以外に力
  • 三菱ケミカルグループ・・・廃プラCR設備完成 茨城で4月商業運転開始
  • 東邦化学工業・・・上海で加圧反応設備増設 日本から化学品移管
  • ダイセル・・・xEV用など 電流遮断器を拡販 火薬技術応用で

<特集>進化する化学企 業の環境保全・ 安全活動 (2~3面)

サステナブルな社会に実現に向けて、化学各社はすべての事業活動を通じて環境への影響を最小化する取り組みを強化し、安全・安定な生産を通じて社会に必要な素材の供給に努めている。働き方の質の向上が問われる昨今、保安・防災におけるスマート化も加速しており、自主保安認定の必要要件にもなっている。90年代半ばに化学業界でレスポンシブル・ケア(RC)活動が定着して以降、主要化学各社は活動内容を充実させつつCSR(企業の社会的責任)やESGへと進化。足下はカーボンニュートラル(CN)の達成に向けた取り組みを加速させている。主要化学メーカーの進化する環境保全、安全活動をレポートする。

旭化成

  • 保安防災と労働安全 独自の取り組み展開
  • 環境安全人財育成に注力

クレハ

  • CO削減 30年度目標達成にメド
  • DX推進 経営判断を高度化

日本化薬

  • GHG排出量 30年度に46%削減へ
  • 国内は目標達成にメド

三菱ガス化学

  • 安全活動 デジタル活用を拡大
  • 危険予知システム高度化

東亞合成

  • 再生可能エネを拡大
  • 名古屋と高岡にメガソーラー 長野で小水力発電所も

トクヤマ

  • 温暖化防止やCSR経営 RCを広く深く推進
  • 化学品管理も国際化加速

日本触媒

  • 環境対応へ変革に拍車
  • 環境貢献製品の販売拡大

JNC

  • 本社組織に品質保証部
  • 事業部間の横串担う 全社活動を底上げ

THE PETROCHEMICAL PRESS

ポリプラスチックス・・・中国拡販へ現地密着 

製販技強化 ローカル顧客拡大

ポリプラスチックスは同社最大市場の中国で中国系企業を中心とした顧客層の拡大に本腰を入れる。24年春から現地での開発体制を整備・拡充、親会社ダイセルとの電動車関連拡大プロジェクトも奏功し中国系のバッテリー搭載車向けでPOMの採用が進むなど拡大は順調。POMとLCPは同国での拡販を主な目的とした新系列が稼働、南通市のコンパウンド拠点も拡充した。これらの増産体制も最大限に活用し存在感を高める。

  • 三洋化成工業・・・新規UV硬化樹脂 ARレンズに照準 ナノインプリント用
  • 三洋化成工業・・・フジッコ昆布検査に匂いセンサー採用
  • UBE・・・カプロラクタム(CPL)やポリアミド6樹脂(PA6) タイ生産縮小へ
  • 三井化学・・・メガネレンズ材料 大牟田工場で増強
  • アズビル・・・AI活用の品質ナビ
  • 東亞合成・・・カネカから受託のPVC生産を終了
  • 石油化学工業協会・・・APICタイ大会参加受け付け開始
  • クラサスケミカル・・・VAM製造技術楡林化学に供与
  • デンカ・・・電子聴診器開発 シンガポール新興企業に出資
  • エフピコ・・・超高剛OPPシート27年稼働へ ドイツ社に設備発注
  • カネカ・・・イスラエルの医療機器メーカー買収
  • 賀詞交歓会
    ・日本ソーダ工業会・・・出荷量回復を期待
    ・化成品工業協会・・・物資管理余念なく
    ・可塑剤工業会・・・国内メーカー復権
    ・カーボンブラック工業会・・・業界挙げCN対応
  • ユニチカ・・・新社長に藤井氏
    ユニチカは藤井実上席執行役員が社長に就くトップ人事を発表した。2月7日に開催する臨時株主総会での承認を経て、事業再生に向けた第三者割当増資の払い込みが完了する4月30日ごろに就任する。
    ユニチカは昨年11月、祖業の繊維事業からの撤退などを含む事業再生計画を発表。上埜修司社長をはじめとする現経営陣が退任し、官民ファンドの地方経済活性化支援機構などから取締役を受け入れる。
    藤井実(ふじい・みのる)氏 87年京都工芸繊維大学大学院繊維学研究科修了、ユニチカ入社。18年執行役員、22年上席執行役員。大阪府出身、63歳。
  • 横河電機・・・重野氏が社長昇格
    横河電機は4月1日付で重野邦正執行役常務デジタルソリューション統括本部長が代表執行役社長に昇格するトップ人事を決めた。奈良寿社長は取締役会長代表執行役に就く。
    重野邦正(しげの・くにまさ)氏 91年九州工業大学工学部卒、横河電機入社。18年執行役員、24年常務執行役員を経て同年6月から現職。岡山県出身、56歳。

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