石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日清紡ケミカル・・・樹脂改質剤、徳島で5割増強へ

粘・接着剤向け需要増

日清紡ケミカルは、徳島事業所(徳島市)で樹脂改質剤「カルボジライト」の生産設備を増強し、28年までに生産能力を約5割引き上げる。水性架橋剤の大型受注獲得などに伴う需要増に対応する。有望な市長市場での拡販も進め、事業拡大を加速させる。
カルボジライトは日清紡ケミカル独自開発のポリカルボジイミドをベースにした樹脂添加剤・改質剤。売上高は30億円程度とみられ、海外売上高比率は約6割に達する。
用途は多岐にわたり、欧州を中心に展開する生分解性樹脂向け耐久性向上剤や、環境負荷の少ない自動車用水性塗料向け改質剤などがある。水性架橋剤は粘・接着剤用途でグローバル企業から大型受注を獲得しており、その出荷が25年から本格的に始まる。

  • 出光興産千葉事業所・・・CNXセンター化を推進 相次ぎ大型投資案件実施

    リチウム固体電池、SAF、ケミカルリサイクル、統合研究所の建設予定地

出光興産が千葉事業所(千葉県市原市)で事業再編によって生じた土地を活用し、カーボンニュートラルトランスフォーメーション(CNX)センター化を進めている。今後複数の大型投資案件を相次ぎ実行に移す。
同事業所では全固体電池用電解質の小型実証設備を増強中で、これに続く大型パイロット装置の建設を25年度半ばには決定する。
主要原料である硫化リチウムの量産設備を原料である硫化水素を生産する石油精製の脱硫装置に隣接して建設するなど、27~28年の全固体電池の商業化に備える。使用済みプラスチックの油化設備の建設は順調に進み、エタノールから持続可能な航空燃料(SAF)を製造する装置の建設予定地を確保するなど、出光が進めるCNXセンター構想実現の実行段階に入った。
出光は事業構造改革を進めるなか、23年度にCNに向けて「ブルーアンモニア」「e―メタノール」「SAF」「リチウム固体電解質」に優先的に投資・資源配分することを決めた。

  • アジアのフェノール・・・新増設計画に失速感 25年119万㌧予定も40万㌧か
  • デンカ・・・PVCテープ生産再編、千葉とベトナムで品目すみ分け
  • クラレ・・・高機能PA、ノナンジアミン軸に 西条中心に開発強化 
  • 日本ポリプロ・・・メタロセンPP、生産を2拠点化へ 水島に加え五井も
  • 日本化薬・・・クリーナー、中国拡販へ体制強化 電子分野の用途拡大

<特集>安定供給と経済 安保を堅持する アルコールケト ン(2面)

アルコールケトンは幅広い産業や生活に不可欠な中間素材である。中国の過剰能力で市況が低迷するなか、国内市場は低位安定で推移。今後、石化産供給網再構築の影響を受ける可能性はあるが、引き続き国内需要への安定供給と経済安全保障を堅持する必要がある。東日本大震災やコロナ禍で国内市場が海外玉に蹂躙された過去を忘れてはならない。

オキソアルコール(オクタノール / ブタノール)

  • 内需、底を脱し増販に期待
  • 安定供給維持、固定費価格戦略がカギ

アセトン / MIBK

  • アジア市況 24年央から弱含みに
  • フェノール2社2基体制へ

IPA

  • 内需、12万㌧強で今年も安定
  • トラブル撲滅へ 安定供給を堅持

MEK

  • 定修や不調 24年生産20万㌧割れ
  • 内需は10万㌧弱に回復

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • JNC・・・有機シリコーン攻勢  先端分野から汎用まで
  • クラレ・・・ランドセル用人工皮革、漁網由来再生材を使用
  • 中国プラ貿易・・・輸入減・輸出増続く
  • 帝人フロンティア・・・ポリエス繊維再生、EXILEとタッグ

    重村幸弘取締役執行役員(左)とEXILEのケンチさん

帝人フロンティアは、人気グループEXILEなどが所属する芸能事務所LDH JAPANとポリエステル繊維製品リサイクルの社会実装促進に向けて協力するプロジェクトを開始する。
プロジェクトの柱は3本。一つ目はLDHが主催する小学4~6年生を対象としたフットサル大会EXILE CUPに25年シーズンから帝人フロンティアがオフィシャルスポンサーとして参加し、リサイクルポリエステル繊維を使った記念品の提供や使用済み衣料品のテスト回収を実施し、参加する児童に向け循環型リサイクルの必要性などの理解浸透を進める。

  • GIC・・・車プラ再生PJ 欧州でスタート
  • 横河電機・・・データ統合・可視化 ソリューション発売
  • 三菱ケミカルグループ・・・フォーラム開催、経済循環主題に
  • 東レリサーチ・・・熱可塑複合母材結晶構造を可視化
  • 旭化成ホームズ・・・THEグローバルとマンション共同開発UAEで国際化学五輪
  • UAEで国際化学五輪…日本代表4人が決定
  • 日本触媒・・・球状微粒子値上げ 400円以上
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2025年2月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・1月のカーボンブラック実績

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  • デュポン・スタイロ・・・XPSで鋼矢板塞閉 工期短縮、コスト低減。防蟻性XPS、認知広げ全国拡販
  • 帝人・・・炭素繊維、強度・弾性率と価格競争力両立
  • 積水化学工業・・・半導体向けUVテープ、次期増強を検討 アジア展開強化
  • 帝人・・・環境配慮型製品 新ブランド展開
  • ダイセル・・・化粧品改良剤に酢酸セルロース真球粒子
  • 東レ・・・高透明・遮熱性フィルム 建物や車の窓に
  • 旭化成・・・次世代宇宙輸送で ISCと包括連携
  • 三菱ガス化学・・・バイオ化学品開発 米新興企業に出資
  • 東レ愛媛工場・・・マスバランス方式でアクリル短繊維量産
  • 日本化薬・・・ドローン用安全装置 水上でも有効性確認
  • 旭化成・・・ポリウレ原料工場 中国南通で移転完了
  • JFEエンジニアリング・・・周南アンモニア導管 基本設計業務を受注
  • クラレ・・・銅張積層板生産 26年6月に終了

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