石油化学新聞

デンカ・・・アクリル系接着剤 新製品投入で拡大図る

30 年度売上高2倍強に

デンカは、2液常温硬化型のアクリル系接着剤「ハードロック」事業を新製品開発・投入によって拡大する。同事業の売上高は現在30億円強で、30年度に2倍強に引き上げる計画だ。
新製品として従来品より耐熱性を高めた「DEAシリーズ」を開発中。サンプル提供を進め、27年の上市を目指す。耐熱性が求められる車載電池やモーター用途などにおけるエポキシ系接着剤などからの代替を狙う。

  • トクヤマ・・・ICケミカル、さらなる成長戦略へ 先端重点に変化対応
  • 石油化学工業協会・工藤幸四郎会長・・・国際競争、「強い誘導品にあり」グリーン化で優位性
  • 理研計器・・・移動式メンテ車、災害時のガス点検など

    移動メンテナンス車「REM1」

    理研計器は、災害発生時に被災地の一時的な仮拠点となりポータブルガス検知器を現地で点検可能なメンテナンス車両「REM1(レム・ワン)」を整備した。より迅速なガスインフラ復旧支援を実現る。
    ワンボックスカーをベースに、脱着式シートやテーブルを装備。エンジン停止中も稼働する空調機器を設置するなど、有事の際に長時間社内で過ごす作業者の快適性も追求した。

  • MMAで顧客と協働し用途開拓 三菱ケミカルグループ
    執行役EVP 黒川聡氏に聞く
     三菱ケミカルグループはメチルメタクリレート(MMA)部門で川下の誘導品技術やノウハウを生かした需要の創出に取り組む。MMAの生産能力で世界ナンバーワンの地位を維持しながら、中国やインドなどの顧客との協働により用途開拓を促進し、需給バランスの改善につなげる考えだ。黒川聡執行役エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)MMA&デリバティブズ所管に事業戦略を聞いた。
    ◇   ◇ ―25年度から始動する3年間の新中期経営計画でのMMAの事業戦略は。
    一言で言えばメタクリレーツを選ばれる素材、勝ち残れる素材にすることだ。メタクリル樹脂(PMMA)は優れた透明性や質感などにより昔から「プラスチックの女王」と呼ばれ、成形加工性や生体適合性なども良であることが評価され、さまざな用途に使われている。リサイクルもしやすく、循環型社会に寄与する。PMMAを使った人工大理石は触れると温かみがあって人の心を豊かにできる。こうしたメタクリレーツのさらなる需要創出によって(過剰な)MMAの供給に需要が早く追いつけるようにしたい。その具体的な施策として、顧客と組んで当社の川下の技術やノウハウを提供する。当社のコーティングレジンなどMMA誘導品のシェアは世界ナンバーワンではないが、技術には自信がある。そこで技術やノウハウを顧客と共有をすることでメタクリレーツの裾野を広げられ、GDPより高い成長率で需要を伸ばせるとみている。
    ―顧客との協業で特に重点を置く国は。 中国は当社のパートナーになってもらえる顧客が最も多いとみている。同国は新しい用途の開発力が圧倒的に強いためだ。例えば高速道路や鉄道施設の壁面用の遮音板にはものすごい量のPMMAが使われるようになった。
  • 石油化学工業協会・・・2月の石化製品生産実績

<特集>存在感増す化学企業の電子・情報材料

エレクトロニクス分野は化学産業にとって重要な市場領域の一つだ。化学企業の多くは同分野を保有する材料や技術力、知見を生かせる領域に位置づけ、最終製品の高機能化・多様化や普及促進に寄与する電子・情報材料を継続的に開発しており、各社の存在感は増している。デジタル化やAI活用の促進、通信の高速化、自動車の電動化などを背景に高い市場成長が見込まれるなか、電子・情報材料事業の拡大に取り組む各社の戦略を追った。

トクヤマ

  • 放熱材、樹脂フィラー用に注力
  • 窒化物ラインアップを拡充

クラレ

  • PA9T、3拠点で世界へ展開
  • 電気・電子用 DDR、車載が牽引

東レ

  • PI、有機EL向けが勢い
  • パワー半導体用途も拡大

ダイセル

  • レジスト用ポリマー、最先端半導体用に力
  • 機能フィルム、拡販へ亀岡を改造

丸善石油化学

  • レジスト用ポリマー、EUV用試作設備新設
  • 先端Arf向け50%増強

積水化学工業

  • AI関連で採用拡大
  • 顧客との密接な関係構築

日本化薬

  • 半導体関連、積極投資で市場拡大
  • 色素材料 デジタル化を支援

東洋紡

  • 離型フィルム、MLCC用で攻勢へ
  • 新設備稼働 トップの地位強固に

帝人

  • 絶縁放熱シート、事業化狙い開発推進
  • パワー半導体部品向けなど

THE PETROCHEMICAL PRESS

DIC・・・低誘電樹脂、高周波基板用に力

ケミトロニクス牽引

DICは新設したケミトロニクス事業本部で、成長への牽引役の一つに高周波対応の低誘電樹脂を掲げ、積極的な経営資源投入により拡販を加速させる。エポキシ樹脂の基板用で蓄積したノウハウを生かし、活性エステル樹脂やビスマレイミド樹脂(BMI)、ビニル樹脂を中心に高周波基板で求められる誘電正接(Df)などを満たした材料を開発し提案していく。高周波対応として導体のロス低減でも顧客を支援し、採用促進につなげる。

  • 東レ・・・中空糸膜、分離精度を向上 食品精製向け開発
  • SKマテリアルズJNC・・・青色ドーパント軸に有機EL協業多角化
  • サイエンスコ・・・パーフロロエラストマー 界面活性剤フリー
  • 日本芳香族工業会・・・2025年BTX需要見通し
  • トクヤマ・・・水素化Mg添加剤で石油燃料の消費削減
  • 三井化学インディア・・・技術支援拠点を開設
  • 環境省・・・車向け再生プラ市場構築へ産官学で会合 年度内に計画策定
  • ハイケム・・・低誘電樹脂の原料 中国新興と供給強化
  • 石油化学工業協会・・・エチレン換算輸出入実績
  • 住友化学・・・無線通信新興韓国社を買収
  • 新ケミカル商事・・・上田氏が社長昇格
    新ケミカル商事は4月1日付で上田幸二郎代表取締役副社長執行役員が社長に昇格する。油嶋武晴社長は代表取締役会長に就任する。
    上田幸二郎(うえだ・こうじろう)氏 九州大学経済学部卒。21年取締役管理本部長として新ケミカル商事入社、22年代表取締役副社長。管理本部長、建材事業本部長、アグリ事業部長などを務めた。北九州市出身、66歳。

 

  • 化学製品値上げ
    ・レゾナック・・・塩素化ポリエチレンを4月1日納入分から粉末状で1㌔㌘45円以上、シート状で55円以上値上げする。
    ・東洋紡・・・包装用フィルムを5月1日出荷分から3%以上値上げする

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