石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東洋紡エムシー・・・海淡用RO膜を5割増強

コスト競争力で中東へ攻勢

東洋紡エムシーのRO膜が採用されたサウジアラビアの海水淡水化プラント

東洋紡エムシーは岩国サイト(山口県岩国市)で海水淡水化用の逆浸透(R
O)膜生産設備を増強する。26年に完工し、生産能力を約5割引き上げコスト競争力も大幅に高める。これでサウジアラビアをはじめとする中東などの海水淡水化プラント向けに攻勢をかけ、拡大する需要を取り込む。

  • 新中計策定した日本触媒・・・ソリューションズに本腰スぺケミ・電材建設・電池4分野を牽引役に
    「伸ばす材料整う」

    野田和宏社長

    日本触媒は25~27年度の新たな「中期経営計画2027」で改めて機能材料系のソリューションズ事業の収益拡大に本腰を入れる。前中計は世界的な経済減速で目標未達となったが、同社の野田和宏社長は「時間を要したが伸ばす材料が整ってきた」と強調。今後3年間で全社利益の過半をソリューションズで稼ぐ収益構造を確立し、事業ポートフォリオの変革を実現する。 今中計から営業利益に持分法投資損益を加えた収益を新たな指標とした。リチウムイオン電池(LIB)用電解質のイオネルの中国合弁など持分法投資事業の収益拡大を反映させる。24年度見通しは230億円。これを27年度に350億円に拡充し、このうち約53%に相当する185億円(24年度56億円)はソリューションズによる収益で稼ぐ。基礎化学品系のマテリアルズの利益は160億円(同166億円)とほぼ横ばいを想定した。

  • 三菱ケミカル・・・アンモニア分離膜開発 製造・回収用に提案
  • 積水化学グループ・・・PSCを本格普及へ 設置実証 各所でコラボ拡大
  • 日本化薬・・・エポキシ樹脂、厚狭で新系列完成 半導体用の拡大加速
  • AGC・・・DAC向け高効率CO吸収液開発

THE PETROCHEMICAL PRESS

住友化学・・・PPSU 医療機器対応品を上市

滅菌トレー向け拡販

スーパーエンプラが採用された医療機器

住友化学はスーパーエンプラの一種、ポリフェニルスルホン(PPSU)の医療機器用途に対応したグレードを上市した。高い耐薬品性や耐熱滅菌性能が求められる滅菌トレー向けなどに拡販する。
PPSUは耐薬品性や耐熱滅菌性能が極めて優れる。こうした特徴を生かし、滅菌トレーのほか内視鏡、手術支援ロボット、接液部品向けなどに売り込む。納期のリードタイムが従来素材のポリサルホン(PSU)の海外品に比べ短い点や、有機溶剤への耐性が高い点も訴求する。

  • 三菱ケミカル・・・バイオエンプラ、万博でスツールに採用 3D印刷のベース素材

    大阪・関西万博の日本政府館に設置される3Dプリンター製スツールにデュラビオが採用

    三菱ケミカルのバイオエンプラ「デュラビオ」が、大阪・関西万博で日本政府館に協賛する「双鶴」共創プロジェクトが3Dプリンターで造形したスツールのベース素材として採用された。 このスツールはデュラビオに藻類を混錬した素材を使用し、グラデーションカラーが印象的な意匠性の高いデザインを持つもので、日本政府館に約50脚設置された。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター長を務める田中浩也氏が基本設計、同大特任講師の湯浅亮平氏が詳細設計、同大SFC研究所所員の高橋昭人氏が材料設計と色彩調整を担当し、約1年をかけて完成させた。

  • トクヤマ・・・放射線防護メガネ発売 産学連携で開発 医療従事者を守れ

    レンズ、フレームともに放射線防護機能を有する

  • DIC・・・食用藻類 米に培養工場新設 持続可能な新技術導入
  • ユニチカ・・・PSC実証に採用 Jヴィレッジで

    防草シートがペロブスカイト太陽電池実証実験に採用

  • 帝人・・・アラミドと炭素繊維 欧州環境規制に準拠
  • JSRと慶応大・・・肝細胞オルガノイド培養に成功
  • 帝人・・・交換レンズ筐体にパイオポリカーボネートが採用
  • 東洋紡エムシー・・・溶剤可溶型のPPEを開発
  • クラリアント・・・高エネ効率触媒SM製造向け発売

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 旭化成・・・韓ANフル稼働継続 ABS向け需要回復
  • 環境省・・・車向け再生プラ20万㌧市場構築へ 2ワーキンググループ始動
  • エコ・ファースト推進協議会・・・環境保全へ連携強化
  • エフピコ・・・フェアに1.5万人 包装機械、人手不足を解消 食品容器 食材高騰対策に

    食品パッケージ作業の効率化も提案した

  • 石油化学工業協会・・・3月の石化製品生産実績、3月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 日本スチレン工業会・・・2025年3月受払表
  • 三洋化成工業など3社・・・駅トイレ清掃効率化 匂いセンサーで実証
  • プレマテックス・・・石英とエポキシ架橋 高耐候性の無機塗料

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 日本触媒・・・触媒売上高、今期100億円規模に 中国で顧客層拡大
  • DIC・・・レジスト用材料、シナジーで成長加速 カナダ社と知見融合
東海カーボン・・・カーボンブラック、EV化追い風に持続成長

地産地消の供給網構築 生産性高め環境負荷低減

東海カーボンは2月に発表した長期ビジョン「Vision2030」でカーボンブラック(カー黒)事業を基盤事業に位置付け、持続的な成長を図る。同事業部長を務める河部憲和執行役員に需要動向や重点施策などを聞いた。

  • 河部憲和執行役員
    カーボンブラック事業部長

    ―カー黒の需要動向はどうですか。
    24年12月期のカー黒事業の業績は前年比で増収増益を記録した。需要先の約75%はタイヤ、約20%は自動車用ゴム部品などで自動車への依存度は高い。国内の自動車生産台数の落ち込みに加え、一部主要ユーザーでの在庫調整による需要減が影響し数量は減少したが上昇した生産コストの製品価格への一部転嫁と円安が寄与した。
    25年は増収減益を見込む。減益要因は4~6月期に稼働するタイ新工場の減価償却と、現工場が停止する26年7~9月期まで現工場を稼働させるための二重のコスト負担だ。27年にはこの影響が解消され業績が上向く。
    中長期的に世界のタイヤ生産量は年率3%の成長が見込まれる。世界の自動車保有台数は約16億台、年間生産台数は1億台程度だ。年率4%で成長するとみられ、相当量の新車・交換用タイヤの需要がある。全四輪車1台当たりの人口は日米欧の2人以下に対し世界平均は約5人で、成長の余地は大きい。
    ―タイヤ産業の今後について。
    電気自動車(EV)は車重が

  • 三洋化成工業・・・カチオン界面活性剤 ヘアケア用粉末品 2年内に事業化
  • 日本ポリプロと日揮グローバル・・・CO2からPP製造日揮と調査スタート
  • 住友ゴム・・・P2Gで水素製造 白河工場に装置導入
  • KBセーレン・・・ポリエステル繊維で衣服内の温度快適に
  • 東洋エンジニアリング・・・大型PLP対応半導体実装装置発売
  • ハイケム・・・知られざる中華食材 日本市場に普及促進
  • 三井化学・・・AIモデル開発 韓国新興に出資

最近の記事一覧石油化学新聞一覧