
石油化学新聞 5432号(2025.4.28)
【おことわり】5月5日号は連休のため休刊します。次号は同12日号となります。ご了承下さい。
石油化学新聞社
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 東亞合成・・・連結業績、27年営業益240億円に 開発・海外・投資回収に力
- トクヤマ・・・JSRから体外診断薬買収へ シナジーを早期顕現
- 塩化ビニール樹脂(PVC)輸出価格・・・5月印向け前月並み アンチダンピング 発動前に様子見
- 東洋紡エムシー・・・ルビジウムアジド、原子時計向け開発 6G電子機器用
東洋紡エムシーは、ほとんど時刻がくるわない正確な「原子時計」の中核素材となる「ルビジウムアジド」=写真=を開発した。次世代高速通信に対応したスマートフォンなどの電子機器に搭載できる小型原子時計の実現に重要な役割を果たす素材として30年ごろの本格実用化を目指す。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- デンカポリマー・・・冷凍食品容器に参入 PP製で高い耐寒衝撃性
- 第一工業製薬・・・UV硬化樹脂 環境対応品を5倍増販
- 理研計器・・・6成分ガス検知器、性能向上させ新発売
- アキレス・・・高分子材料、山形大とMI活用し 開発効率化技術を確立
- 三浦工業・・・新型水殺菌装置が稼働 UV―LED搭載マックスに採用 光源に日亜化学の素子
- 信越化学工業と北海道大学・・・LNP生産装置を開発 供給拡大に寄与
- 旭化成・・・水現像フレキソ樹脂版 パスタ包装に採用 ドンキ 環境対応で
- 帝人フロンティア・・・海洋分解ストロー アサヒ飲料が採用
- 東レリサーチセンター・・・極微量フッ素定量サービスを開始
- 東レ・・・テニスラケットに循環型炭素繊維
- DIC・・・暗闇で生花が発光するシステム開発
THE PETROCHEMICAL PRESS
- プラ容器・・・冷凍食品市場に商機 耐熱・耐寒衝撃性高く

中央化学はPPタルク耐寒容器や耐寒衝撃性を高めた製品を訴求。耐寒ふたとのセッ提案にも力を入れる
プラスチック食品容器メーカーは、市場が拡大している冷凍食品向けの容器に商機を見出す。大手のエフピコや中央化学は冷凍容器のラインアップを強化して拡販に注力するとともに、食品メーカーや小売店との協業に取り組む。デンカポリマーも市場開拓に向けてサンプル提供を開始した。展示会では目玉の一つとして冷凍容器を来場者にアピールしている。 冷凍食品のプラスチック容器には冷凍から電子レンジまで幅広い温度領域に対応する耐寒・耐熱性や、冷凍下の運搬時の衝撃に耐える耐寒衝撃性が求められる。素材はポリプロピレン(PP)と天然素材のタルクを配合したPPタルクが主流。これで作る容器は冷凍からレンジアップまで対応し、剛性や耐油性にも優れる。さらに耐寒衝撃性を高めた容器の開発が各社で進んでいる。
- 旭化成など日欧4社、食塩電解セル電極用貴金属 リサイクル実証開始
- ECH 製法で明暗・・・中国 プロピレン法が攻勢
- 出光興産・・・実証プラント増強 固体電解質 年産十数㌧に
- レゾナックと横浜国立大・・・半導体研究開発 連携さらに強化
- プラスチック循環利用協会・・・国内生産汎用樹脂 LCIデータ更新
- 東レエンジニアリング・・・大学院の研究支援 寄付金贈呈を企画
- 塩ビ工業・環境協会・・・3月のPVC、VCMの生産・出荷
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・3月のOPP・CPP出荷実績
- 日本化学繊維協会・・・3月の合成繊維生産・在庫量
- 化学製品値上げ
・クラレ・・・ポリビニルアルコール(PVA)樹脂とPVA系樹脂を23日出荷分から1㌔㌘30円以上(アジアパシフィック、北米、南米、中東、アフリカ向けは0・22㌦、欧州向けは0・2€)値上げする。
・KHネオケム・・・オキソ誘導品のイソ系製品を5月15日納入分から1㌔㌘15円以上値上げする。対象はイソブチルアルデヒド、イソブタノール、酢酸イソブチル、キョウワノールM(2・2・4―トリメチル―1・3―ペンタンジオールモノイソブチレート)。
・デンカ・・・2軸延伸ポリスチレンシート(BOPS)を6月1日納入分から1㌔㌘15円以上値上げする。
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新社長インタビュー・・・日清紡ケミカル 石松毅志氏
樹脂改質剤の用途拡大
断熱製品やカーボン材 市場ニーズに積極対応
「適用用途と商材の拡充を進め収益構造を強化したい」。こう抱負を語るのは日清紡ホールディングスの化学品事業会社、日清紡ケミカルの社長に3月21日付で就任した石松毅志さん。
「当社は看板事業の断熱製品と新規領域の機能化学品『カルボジライト』、ガラス状カーボン材料、燃料電池用セパレーターを手掛けるが、いずれも適用用途や顧客、商材が限られているため業績が市況変動の影響を受けやすいのが課題だ」といい、こうした状況からの脱却を目指す。
直近の24年12月期業績は売上高が3%減の110億4千万円、営業利益が18%減の6億5500万円と2期連続の減収減益だった。営業利益はピークだった22年12月期(21億8100万円)の約3分の1に沈む。25年12月期売上高は前期比27%増の140億円、営業利益は2倍の13億円を見込み巻き返しを図る。 特に力を入れるカルボジライトは、日清紡ケミカル独自開発のポリカルボジイミドをベースにした樹脂添加剤・改質剤。グローバル展開が進み、海外売上高比率は約6割に達する。
- 本州化学・・・川下製品の機能評価 事業創出へ技術獲得
- ランクセス日本・・・特殊化学品を堅守 ビジネス創出に力
- 三菱ケミカルとアクリルグッズメーカー7社・・・アクリル製品回収企画 神田明神で盛況に
回収されたアクリルスタンドなど
三菱ケミカルとアクリルグッズメーカー7社が参画するアクリルグッズ等再生利用促進協議会は17日、東京・神田明神で来場者から不要となったアクリルスタンド(アクスタ)やアクリルキーホルダー(アクキー)を回収するイベント「アクリル感謝祭」を開いた。
23年から3年連続3回目の開催となった今回は回収量が過去最大となった。神田明神の神田祭と人気テレビアニメ「薬屋のひとりごと」のコラボレーションとして実施、アクスタなどを提供した来場者の先着500人にリサイクルアクリルで製造した同アニメの限定ノベルティーが贈られた。
神田明神の売店ではリサイクルアクリルで製造した同アニメのアクスタを税込み2200円で販売している。リサイクルアクリルで製造した知的財産(IP)グッズの一般販売は国内初。
- 日鉄ケミカル&マテリアル・・・カー黒と芳香族製品 ISCC認証を取得
- アズビル京都・・・事業所内に配送拠点 今月、稼働を始めた 事業継続計画(BCP)対策の一環
- 京葉モノマー・・・火災 VCM設備停止復旧メド立たず
- 三井化学・・・福岡県大牟田市と「雨水貯留浸透施設整備等に関する基本協定」を締結
- 積水化成品工業・・・古林氏が社長昇格
積水化成品工業は、古林育将取締役専務執行役員が6月24日付で社長に昇格するトップ人事を発表した。柏原正人社長は相談役に就く。社長交代は11年ぶり。
古林育将(ふるばやし・やすのぶ)氏 92年積水化成品工業入社。18年執行役員、21年取締役常務執行役員、24年取締役専務執行役員。57歳。