石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日鉄ケミカル&マテリアル・・・エポキシ事業 5G 関連基板用を拡大

新樹脂も22年に量産

日鉄ケミカル&マテリアルは、エポキシ事業で5Gを見据えた高周波回路基板向けの製品開発と拡販を加速する。エポキシ樹脂の改良で誘電正接(Df)低減などを追求し、5G周辺の用途を拡大する一方、より低誘電特性が求められる用途を新開発した熱硬化性のビニル系樹脂で取り込んでいく。ビニル系樹脂は現在、セミコマーシャルプラントで生産するが、22年をメドに神戸工場(子会社の日鉄エポキシ製造で製造)で年産数百㌧規模の量産体制を整備する計画。

  • 東レ・・・PPS繊維、世界最細品開発 バグフィルター向け 中国で拡販
  • 三井化学・・・軟包材、MR実証を本格化 フィルム脱墨設備導入
  • SM新設備・・・中国で相次ぎ稼働へ 年内に5基計年産220万㌧増
  • 宇部興産・・・「UBE」に商号変更 22年4月、化学中心に成長を
  • 出光興産・・・混合プラ、再資源化実証を開始 千葉に油化装置導入
  • 宇部興産・・・合成ゴム事業を分社 10月メド
  • JSP・・・次期社長に大久保知彦氏
新社長インタビュー

三井化学東セロ 松坂繁治氏

「今年で創立92年目を迎える当社の歴史と伝統を背負う責任は重いが、未来に向かって走り、三井化学グループの中で当社が担うフィルム・シート事業を世界で戦えるようにしたい」
こう抱負を語るのは、三井化学東セロの社長に4月1日付で就任した松坂さん。
「目標達成のハードルはなかなか高いものの、三井化学グループとの連携をより一層推進しながら、包装用と産業用の双方で大胆な戦略をとる」と意気込む。
「三井化学が見直しを進める長期経営計画に歩調を合わせ、当社も創立100周年となる29年を見据えた長期計画を策定する」としており、これを戦略に落とし込む。
包装用フィルムは食品向けがメーン市場。「国内需要は安定し、昨年も新型コロナウイルス下で外食が悪くても内食が良かったため大きなダメージを受けなかったが、中長期的には人口の減少に伴い内需は減少する」とみる。「減少がゆっくりと進むなかで、知らないうちに『ゆでがえる』状態にならないように早め早めに手を打つことが大事だ」と強調する。

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日本化薬・・・マレイミド樹脂 高周波回路基板用に力

25年度10億円超へ

日本化薬は、低誘電特性を備える独自開発のマレイミド樹脂で、5G対応を見据えて拡大する高周波回路基板向けの需要を取り込んでいく。既に10㌐㌹で誘電正接(Df)が0・003の「MIR―3000」はスマートフォンや携帯基地局向けなどで拡大しており、0・002以下の「MIR―5000」も供給可能な体制にある。さらにDfを低減したタイプも顧客評価が進んでおり、25年度には同製品で低誘電のパッケージ基板向けを中心に売上高10億~15億円を目指す。

  • 三菱ケミカル・・・塗料用エポキシ、耐侯・耐水性を向上 屋内外の金属用に
  • JSP・・・新3ヵ年中計策定 6.4%超え目指す
  • トクヤマ・・・窒化ケイ素、モビリティ向け事業化 積極投資で成長加速
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・20年度収益減も下期黒字化
  • JSR・・・半導体材料、今期売上高1025億円に 成長率は市場の倍
  • エフピコ・・・食品容器、兵庫に新工場建設へ 関西の供給力強化
  • 積水化学工業など・・・GHG削減政府目標、引き上げに対応 取り組み加速
  • トクヤマデンタル・・・独自歯科充填材、鹿島工場で増設
  • プラスチック循環利用協会・・・環境負荷、削減効果を定量化 機能性包装備蓄食品

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「Vector(ベクトル)」化学企業トップは語る2021年版
今後の指針、業界分析に 好評発売中‼

石油化学新聞社は4月に新書籍「Vector(ベクトル)―化学関連企業トップは語る2021年版」を発売します。2021年版では、弊社の石油化学新聞・新年号で毎年行っている化学関連企業のトップインタビューを19〜21年の3年分収載。各社の企業紹介や研究開発部門トップのインタビューも併せて掲載しています。また、巻頭には19年ノーベル化学賞を受賞された旭化成の吉野彰名誉フェローの特別インタビューも掲載。内容の一層の充実を図っています。激動の時代に各社トップが何を考え、実行に移してきたのか。自社をどのように変え、導こうとしているのか。今後の事業活動の指針となることはもちろん業界動向の分析、社員研修、リクルート、学生の企業研究など幅広いシーンで活用していただけるものと考えております。

【体裁・価格】A4判約270㌻・定価3300円(税込み、送料別)
【申し込み先】こちらから

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  • 合成ゴム・・・アジアで高止まり 品薄感反映 国内は新値に移行
  • 塩ビ工業・環境協会・・・塩ビ樹脂窓の端材、社内で3割再利用
  • 国産ナフサ価格・・・1~3月
  • ベンゼン・・・5月ACP
  • 財務省貿易統計・・・2021年3月石化品輸入実績、2021年3月石化品輸出実績
  • 日本ソーダ工業会・・・2021年3月と2020年度のカセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・3月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、3月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、3月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本プラスチック工業連盟・・・プラ原材料と製品の在庫月数推移
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・PVBを国内外で PVBフィルムなど
    ・DIC・・・有機顔料を100~900円
    ・KHネオケム・・・酢酸ブチルなど
    ・三菱ケミカル・・・樹脂改質剤20円以上
    ・三井・ダウポリケミカル・・・EVA樹脂12日から
    ・三井化学・・・EOと誘導品 アンモニア系製品
    ・東ソー・・・TPUを10日から 臭素と誘導品
    ・タキロンシーアイ・・・プラ板とアルミ合板
    ・JSP・・・XPSを20%・

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新話題とその人 新たな収益源の創出に取り組む

宇部エクシモ社長 髙橋俊充氏

「当社は将来に向けた事業基盤刷新、再生を基本方針に19年度から3カ年中計『リジェネレート19―21』を推進中だ。コロナ禍のなか20年度は前年度並みの収益確保を目指してスタートし、売上高は商流の混乱もあり減少したが、営業利益は固定費削減などが奏功し前年度を上回ることができた。中計の数値目標達成は難しい状況だが、基本方針については既存事業の強靭化、ポートフォリオの組み換え、品質保証体制などの内部統制強化が進み、手応えを感じる」同社は宇部興産が全額出資するグループ企業で、独自性の高い加工技術をベースにユニークな製品を市場に投入している。その一つで、大きな収益源であるFRP製の光通信関連資材は国内需要の一巡などで停滞している。中計では光通信関連資材に代わる収益源の育成に取り組み、事業の選択と集中も進めてきた。日本と中国(無錫)のグループ企業で生産する光通信関連資材は「岐阜工場の設備を減損処理する一方、中国では通信の高速大容量化に伴う需要増を見据え、増速化により増産体制を整備した。既に中国需要は拡大基調にあり、これを最大限に取り込む」。また、ポリプロピレン(PP)ベースのコンクリート補強用繊維「シムロック」と漁業用ロープ原糸「ダンライン」は将来性を考慮し撤退する。

  • 日本触媒・・・創業81年目の挑戦 ソリューションズ強化 30年度に売上高過半
  • 日本ゼオン・・・10年間で3500億円投資 新規事業で600億円創出
  • JSR・・・今期S-SBR、10%増販見込む エラストマー損益改善
  • 信越化学工業・・・北米塩ビ事業が好調 1~3月利益最高に
  • 三菱ケミカル・・・PC製販合弁株式 シノペックに譲渡

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