石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカル・・・鹿島クラッカー ブタン受け入れ拡大

コスト低減でENEOSから

三菱ケミカルは、鹿島コンビナート(茨城県)のナフサクラッカーで使う非ナフサ原料として、ENEOSグループの鹿島石油からブタンの受け入れを拡大する。夏場に価格が下がるブタンの使用拡大で、石化原料コストを低減する。この施策は、鹿島地区で推進中の三菱ケミカルの石油化学事業とENEOSの石油精製事業の連携強化の一環。両社は廃プラスチックを石油精製・石油化学の原料として再生利用するケミカルリサイクル(CR)の事業化も検討中で、これに必要な廃プラ油化設備の建設を近く決定する。
廃プラ油化設備も近く決定

  • 三洋化成工業・・・ペプチド農業実証へ 事業化睨み宮崎・新富町と協定
  • ADEKA・・・3ヵ年新中計、半導体材料など増産 設備投資に500億円
  • 稲畑産業・・・比で押出機2台増設 樹脂コンパウンド年産6000㌧引き上げ
  • 三菱ガス化学・・・CFプリプレグ 米国市場開拓へ
  • ネイチャーワークス・・・タイにPLA工場 24年稼働米と2拠点体制に
新中計を始動した三菱ガス化学

藤井政志社長に聞く

三菱ガス化学が21年度から3年間の新中期経営計画「GrowUP2023」を始動した。目標の一つは「環境変化に強い収益構造への転換〜事業ポートフォリオ変革〜」で、競争優位の「差異化事業」の拡大などにより23年度に過去最高の営業利益700億円(20年度445億円)を目指す。もう一つの目標は「社会的価値と経済的価値の両立〜持続可能な成長に向けて〜」で、長期的な視点で温暖化ガス排出削減などに取り組む。藤井政志社長に新中計のポイントを聞いた。
―新中計は貴社創立50周年を迎える21年度をスタート年とし、昨年4月の藤井社長就任後初の中計です。思い入れが大きいのでは。
まさにその通りで、コロナ禍で社会環境が大きく変わるなかで、この1年間、力を入れて新中計を策定してきたという自負心がある。

<特集>最終製品の拡大 を機構部品で支 援〜POM (2面)

ポリアセタール樹脂(POM)は、自動車や電気・電子機器、OA機器、雑貨といった幅広い分野で機構部品などの代表的素材として認知され、最終製品の拡大や機能向上、軽量化を背景に市場を広げている。米中貿易摩擦の影響やコロナ禍による混乱で停滞していた需要も足元は回復し、主要メーカーの生産設備はほぼフル稼働状態。ただ、電気・電子機器などでは機構部品が減少傾向にあり、新規用途の開拓は大きな課題。応用分野を広げながら事業基盤を強化し、持続的成長につなげたいところ。

旭化成
「テナック」

  • 日本と中国 2種ポリマーで差別化
  • ホモ 車載用拡販へ増産

三菱エンジニアリングプラスチックス
「ユピタール」

  • 付加価値品 国内外で顧客層拡大
  • 低VOC高剛性品 自動車向けに重点

ポリプラスチックス
「ジュラコン」

  • 中国 25年に世界規模新系列
  • 医療用強化 カーボンNへも対応

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  • カセイソーダ・・・300㌦回復 1年半ぶり 中国の輸出警戒
  • 荒川化学工業・・・水素化石油樹脂、非衛材向け拡大
  • タタールスタン社・・・S-SBR第5世代品を生産
  • 日本ソーダ工業会・・・4月のカセイソーダ出荷内訳
  • 千代田化工建設・・・米VCパートナーに
  • 千代田化工建設・・・シオノギと連携 医療品技術開発
  • DICなど4社・・・スタートアップ支援へコンテスト
  • ベンゼン6月ACP・・・25㌦安の970㌦
  • 財務省貿易統計・・・輸入ナフサ4月 12%高
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカル・・・PVAを50円以上 食品ラップ15%以上
    ・積水フーラー・・・接着剤を10%以上
    ・デンカ・・・ABSなど25円
    ・住化ポリカーボネート・・・PCを40円以上
    ・三井化学・ケマーズフロロプロダクツ・・・フッ素樹脂を15%
    ・東ソー・・・PPSなど
    ・出光ライオンコンポジット・・・オレフィン系複合材
    ・大洋塩ビ・・・PVCを12円以上
    ・新第一塩ビ・・・PVCを12円以上
    ・DIC・・・PPSを10日から PSなどスチレン系
    ・PSジャパン・・・PSを27円以上
    ・東洋スチレン・・・PS難燃グレードも
    ・信越化学工業・・・PVCを10円以上
三洋化成工業・・・世界を変える全樹脂電池

APB福井センター武生工場

5月に完成した工場の製造棟

  • 再エネ蓄電に照準
  • プロセス簡素化 年産3㌐㍗時視野
    三洋化成工業の持ち分法適用会社APBが開発した次世代リチウムイオン電池( LiB)の全樹脂電池は一般的なLiBに比べて高容量でエネルギー密度が2倍近くある。金属部材をすべて樹脂に置き換えたため軽量化でき、電池設計の自由度も高い。安全性も高く、釘を刺しても爆発や発火を起こさない。コストパフォーマンスにも優れ、製造プロセスは環境への負荷が低い。こうした特徴を持つ全樹脂電池を量産する工場が5月、福井県越前市に完成した。再生可能エネルギーや定置用蓄電池に展開し、両社二人三脚でサステナブルな世界の実現に貢献していく。APB福井センター武生工場を訪ね、世界を変えていく現場に迫った。

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宇部興産・・・合成ゴム収益改善

次期中計期間に実現 製販技一体で差別化

宇部興産はブタジエンゴム(BR)を展開する合成ゴム事業の収益改善を、10月に予定する分社化によって加速させる。製販技の一体化と迅速な意思決定で経営効率を高めると同時に、顧客ニーズに沿ったスペシャリティー化を促進し、22年度から3カ年の次期中期経営計画中にはグループの成長に貢献する事業へ再生する。当初計画したタイなどでの増産や試験専用設備への投資はペンディング状態にあり、収益改善によって早期に再投資可能な事業にしていく。

  • LiBセパレーター 乾式適す領域に力
  • 住友化学・・・GHG削減 次世代事業を創出 次期中計に布石
  • 三井化学・・・30年度目標 コア営業益2500億円 1.8兆円成長投資
  • プライムポリマー・・・PP20万㌧新設 高機能・低炭素化 市原工場
  • 東レ・・・気候変動対策へ統括委「サステナビリティ委員会」を4月に設置
  • 東レ・・・自動車関連事業 今期17%増収へ
  • 帝人・・・炭素繊維中間材 航空機の次世代エンジン部材に
  • 東ソー・・・設備投資を積極化 中計想定額を超過
  • JSP・・・車向けEPP インドで生産計画
  • ポリプラスチックス・・・COC「トパス」、PCR向け採用

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