石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

ポリプラスチックス・・・COC 高純度化へ新触媒

ドイツの新系列に導入 耐熱性も向上、市場拡大へ

ポリプラスチックスは、ドイツで増設を進めている環状オレフィンコポリマー(COC)「トパス」の新系列(年産2万㌧)にダイセルが持つ計算科学の技術で最適化したメタロセン新触媒を導入する計画だ。より高効率に高純度な製品を製造できる見通しで、増産体制と併せて、主力とするポリオレフィンフィルム改質用や医療用の拡販につなげる。また、COCでは本来の透明性を保持しながら耐熱性を高めたポリマーの開発も進めており、今後は車載やレンズ、基板用などの拡大にも取り組む考え。

「トパス」を使用したプレフィルドシリンジやバイアル

  • 三菱ケミカル・・・MMA、米で原料設備も建設 メタノールとCO自製化
  • DIC・・・CO排出削減目標を更新 30年に50%減達成へ
  • 宇部興産・・・パワー半導体向け放熱複合材料 次期中計内に市場投入
  • リケンテクノス・・・塩ビコンパウンド タイ・越・米で増強
マテリアル事業を強化する帝人

帝人グループ常務執行役員マテリアル事業統轄 内川哲茂氏

内川哲茂氏

社会的課題解決に挑戦
複合成形材料車向け順調な拡大
帝人は、マテリアル事業領域で「将来の収益源育成(ストラテジック・フォーカス)」分野として自動車向け複合成形材料と航空機向け炭素繊維中間材料を育成し、「利益ある成長(プロフィッタブル・グロース)」分野としてアラミド繊維、ポリカーボネート(PC)樹脂、炭素繊維の自社素材で高付加価値用途の拡大・浸透を目指している。21年度で3カ年中期経営計画の2年目を迎え、マテリアル事業統轄に4月1日付で就任した内川哲茂帝人グループ常務執行役員に施策の進捗や事業戦略を聞いた。

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出光興産ユニテック・・・ジッパーテープ 国際供給体制を強化

タイ拠点を25%増強

タイ工場

出光興産完全子会社の出光ユニテックは、軟包装の主要部材の一つであるジッパーテープ「プラロック」の供給体制を強化する。タイの製造販売会社「プラロックアジア(タイランド)」(アマタシティー・チョンブリ工業団地)で生産ラインを増設し、今年9月に同子会社の生産能力を現状から25%増やす。パッケージに開閉機能を付与し内容物の飛散防止などに寄与するジッパーテープは食品向け軟包装を中心に海外では年率6%程度で需要が伸長しており、生産能力を増強し需要増を取り込む。

  • 日本化薬・・・ドローン用安全装置を年内投入 市場開拓に本腰
  • ダイセル・・・電流遮断器、欧州大手がEVに採用へ 感電や2次災害防止
  • 日本ゼオン・・・自動車用異種接着剤、事業化へ用途探索 川崎に多目的開発設備
  • 日本ゼオン・・・シート状高熱伝導放熱材料生産開始
  • DIC・・・環境無線センサー、防水機能で用途拡大 屋外や浴室向けに
  • カネカ・・・生分解性樹脂が空港買い物袋に
  • トムラソーティング・・・メキシコでインドラマとPETリサイクル
  • KBIバイオファーマ・・・急性腎疾患治療薬蘭社と商用生産契約
  • プラスチック容器包装リサイクル推進協議会・・・ウェブで3Rセミナー 資源循環促進法など解説
  • 旭硝子財団・・・ブループラネット賞 受賞者2氏を決定
  • 凸版印刷とENEOS・・・古紙原料のバイオエタノール事業化

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  • 日本化薬・・・視認・耐久性兼備遮熱フィルム 車向け投入急ぐ 金属使用せず
  • 宇部興産・・・6月CPL、据え置き
  • 石油化学工業協会・・・5月の石化製品生産実績、5月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 塩ビ工業・環境協会・・・5月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本スチレン工業会・・・2021年5月受払表
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の5月国内出荷
  • 日本プラスチック工業連盟・・・プラ原料材と在庫月数推移
  • 化学製品値上げ
    ・フタムラ化学・・・フィルム各種
    ・ランクセス・・・無機顔料を150ユーロ超
    ・川崎化成工業・・・有機酸を15~20%
    ・KHネオケム・・・酢酸エチルを15円以上
    ・三菱ケミカル・・・無水マレイン酸30円
    ・旭化成・・・ポリエチレン全製品、硝酸をキロ10円
    ・クラレファスニング・・・面ファスナーなど

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ENEOS・・・事業創出を加速

SSをプラットフォームに

ENEOSが新規事業創出を加速させている。低炭素・循環型社会を実現する過程で主力の石油製品の内需減退は避けて通れない。こうした危機感から同社は持続可能な成長に向けて大胆な事業ポートフォリオの転換を推し進めている。ここでキーワードとなるのは当然ながら環境であり、多方面にわたる連携・協業だ。
総合的なエネルギー、素材の安定供給を通じ長年培ってきた同社の技術力は先進的なニュービジネスとの親和性が高い。また、抜群の知名度と巨大な資本力はスタートアップやベンチャー企業とタッグを組むうえで有利に働く。さらに全国1万3千カ所に網羅するサービスステーション(SS)ネットワークは、地域社会とBtoC型の新規事業を推進するうえで大きな武器となる。

  • 三菱ケミカル・・・廃プラCR技術、英ムラ社から供与 23年メド事業化。 フェノール樹脂で高耐熱CFRP
  • ポリプラスチックス・・・PEK導入、来期前半に方向性 25年にも本格提案。 非ハロ難燃PBT、PCU向け新技術
  • 帝人・・・AICに参画 革新的な炭素繊維材開発へ
  • ハイケム・・・セラミック用バインダー自製 来年から
  • ダウ・・・MDI蒸留新設 北米で3割増産
  • リケンテクノス・・・バイオマスコンパウンド、TPVも戦列に。抗ウイルスフィルム、新機能加え拡販
  • エンジニアリング3社・・・3月末受注残25%増 3年連続2兆円台
  • 横河バイオフロンティア・・・ナノセルロース素材サンプル提供を開始
  • JSR・・・第4のイノベーション拠点、7月に川崎で開所

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