石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

クレハ・・・シェール掘削用プラグ 北米で開発体制強化

シェア拡大、23年度黒字化へ

PGA製フラッグプラグ(イメージ図)

クレハは、北米で展開するシェールオイル・ガス掘削用のポリグリコール酸(PGA)製分解性フラックプラグ事業の現地開発体制を強化する。テキサス州ヒューストンの販売子会社にプラグの性能を試験・評価するラボを22年にも設け、顧客ニーズに合った性能やデザインを持つプラグの迅速な開発につなげる。拡販とシェア拡大を加速させ、23年度に黒字化を果たす。

エフピコ常務 小川浩嗣氏に聞く

PSPリサイクルを世界に提案

循環経済の原動力に
トレーtoトレー 世界的潮流に合致
先月中旬に開かれたオンラインカンファレンス「Circularity21」。循環型社会に関する情報交換とネットワーキングを促進する世界的なイベントとして知られる。スポンサーには化学、流通、ITなど各分野を代表するグローバル企業が数多く登場するなか、日本企業では唯一エフピコが名を連ねた。日本で定着している独自の発泡ポリスチレンシート(PSP)製食品トレーのリサイクルを発信し、欧米など世界各国が目指す循環経済の確立に資する可能性を示した。出展目的などについて小川浩嗣常務商事本部長に聞いた。

  • クラレ・・・LiB負極で黒鉛代替 バイオハードカーボン 次期中計内に商業化
  • DIC・・・新規スーパーエンプラ、スケールアップ検討 近く市場開拓開始
  • 旭有機材・・・新中計、5年で220億円投資 前中計の1.5倍に
  • ダイセル・・・バイオマスプロダクト 金沢大に産学研究拠点

<特集>社会課題の解決に向けR&D加速

技術トップに聞く化学各社の戦略〈中〉
化学各社は次世代高速移動通信システムの普及、自動車のxEV化、より健康で快適・衛生的な暮らしといった社会ニーズの変化を敏に捉え、事業成長とポートフォリオ高度化を図るための研究開発を加速させている。収益が堅調にあるなか、新たな経営戦略で研究開発資源を拡充する企業も多い。一方、気候変動問題に対して国として30年に13年比46%削減という明確なGHG(温室効果ガス)削減目標が示されるに至り、この問題や炭素循環に関する基礎研究の重要性は飛躍的に高まった。エネルギー多消費型産業である化学業界にとってこの課題は、もはや中長期的視点ではなく生き残りを賭けた短期決戦で解決の糸口だけでもつかむ必要が出てきた。地球規模の難題に果敢に挑戦する大胆なシフトチェンジが始まった。化学が実現を目指す新たな世界に期待が寄せられるとともに、社会実装に向け多方面にわたる連携がカギとなる。大転換の時代に化学の企業研究にあるべき姿とは何か。目指すべき方向は。主要化学各社の研究開発トップに話を聞いた。

高部昭久
取締役常務執行役員事業創出本部長

ダイセル
事業化力強化 シーズ探索拡大と両立
バリューチェーン 石化からバイオマスへ

井上佳美
専務執行役員研究開発本部長

日本化薬
新事業、4分野を焦点に加速
モビリティ ドローン、HUD用へ

芳仲篤也
取締役兼執行役員研究開発本部長

ADEKA
研究テーマ、環境と社会貢献重視
最先端評価・分析技術を整備

大塚信之
執行役員研究開発本部長

JNC
成長分野で新事業創出
重点3分野 着実に進め結果出す

岩崎史哲
取締役常務執行役員研究開発部門長

トクヤマ
健康と電子分野に注力
GREENプロジェクト推進

出口博之
執行役員R&B本部長

カネカ
選択と集中 成果を早期に社会実装
三つの危機へ解決策を

井口健
中央技術研究所技術戦略室長

ENEOS
MI活用、材料探索を事業化
DirectMCH水素 スケールアップへ

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・機能・複合材の成長加速 収益強化へ5ヵ年計画
  • ダウ・・・循環型PUを導入 車部品大手2社と連携
  • プリファードコンピュテーショナルケミストリー(ENEOS49%出資)・・・高速の原子レベルシミュレート提供
  • DIC・・・天然由来アスパラギン酸、SAP向け5年内に
  • テイジン・アラミド・・・CO排出量7年で3割減
  • デンカ・・・MS樹脂の増産工事シンガポールで完了
  • ダイセル・・・認知機能低下抑制にセラミドの効果確認
  • 三菱ケミカル・・・建材・商社事業、2子会社に統合
  • UBE三菱セメント・・・宇部興産と三菱マテリアルのセメント統合会社
  • 日本ソーダ工業会・・・5月のカセイソーダ出荷内訳
  • 化学製品値上げ
    ・住友化学・・・PEとPP10円以上
    ・クラレ・・・水添エラストマー

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