石油化学新聞 5245号
- ADEKA・・・半導体材料に積極投資 台湾と米国で工場新設検討
- DICとセーレン・・・炭素繊維プリプレグ、世界最速硬化品を供給
- 宇部興産・・・オキセタン、3D印刷向け急増 造形物中心に用途拡大
- 東レ・・・PBT、低誘電損失の新銘柄 5Gや自動運転向け
- クレハ・・・いわきのPPS増設分がフル稼働
- 東レ・・・PET不織布を滋賀で30%増強
- 宇部エクシモ・・・高純度シリカ粒子、中空タイプを開発
- 経済産業省・・・事業適応指針制定へ 改正産業強化法 21日までパブリックコメント
<特集>社会課題の解決に向けR&D加速
技術トップに聞く化学各社の戦略〈下〉
化学各社は次世代高速移動通信システムの普及、自動車のxEV化、より健康で快適・衛生的な暮らしといった社会ニーズの変化を敏に捉え、事業成長とポートフォリオ高度化を図るための研究開発を加速させている。収益が堅調にあるなか、新たな経営戦略で研究開発資源を拡充する企業も多い。一方、気候変動問題に対して国として30年に13年比46%削減という明確なGHG(温室効果ガス)削減目標が示されるに至り、この問題や炭素循環に関する基礎研究の重要性は飛躍的に高まった。エネルギー多消費型産業である化学業界にとってこの課題は、もはや中長期的視点ではなく生き残りを賭けた短期決戦で解決の糸口だけでもつかむ必要が出てきた。地球規模の難題に果敢に挑戦する大胆なシフトチェンジが始まった。化学が実現を目指す新たな世界に期待が寄せられるとともに、社会実装に向け多方面にわたる連携がカギとなる。大転換の時代に化学の企業研究にあるべき姿とは何か。目指すべき方向は。主要化学各社の研究開発トップに話を聞いた。
旭化成
グリーンケイストリー 複数技術を最適活用
材料開発 MIで相次ぎ成果
住友化学
カーボンニュートラル 4視点でアプローチ
ターコイズ水素 炭素循環型石化を追求
三菱ケミカル
RD基盤強化 イノベーション主体に
炭素利活用資源循環 多彩な領域に関与
日鉄ケミカル&マテリアル
次世代通信材料に焦点
マリンバイオを化学原料に
帝人
環境技術 欧州の開発拠点が始動
外部競創 数年内に成果発揮へ
昭和電工
昭和電工マテリアルと23年統合へ
3つの化学を融合「作る」「混ぜる」「考える」
クラレ
イノベーション 持続可能、QOLに力
LCPフィルムなど 本格事業化へ前進
出光興産
CNX戦略 技術で全社を後押し
新規スーパーエンプラ 基礎技術の確立急ぐ
DIC
次世代になう基板技術を
結城、無機、バイオで追求
東亞合成
第4の柱づくり加速
モビリティで新たな成果
クレハ
中計延長し6課題設定
PGA事業拡大などに重点
日本触媒
事業化へ「有望テーマ」出揃う
アルカリ水電解用有機無機複合シート 欧州で評価加速
デンカ
CCUSなど環境関連技術に軸足
研究開発改革 MI活用を本格化
丸善石油化学
未利用留分 C5最優先に有効活用
〝炭素中立〟 資源投入へ絞り込み
三井化学
コンセプト&デザイン 技術深堀りし具体化
研究資源拡大 ESG関連テーマに
KHネオケム
R&D総合センター 技術的価値を創造
外部連携で業際領域へ挑戦
宇部興産
新規事業 5領域焦点に創出
CO2・廃プラ利活用など 環境貢献製品に力
三菱ガス化学
新中計 組織一本化の効果発揮
人員拡充、投資も積極化