石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・水素・燃料電池、欧で関連部材拡大へ

増設に続き新設検討

東レは、欧州で水素・燃料電池部材事業を拡大する。EUが水素インフラ構築などに拠出する「コロナ復興基金」を創設したことを背景に、東レが手掛ける関連部材の引き合いが活発化している。ドイツ子会社で近く完了する部材工場の増設に続き、さらに欧州で工場を新設する検討に入った。さまざまな関連素材・部材の拡販を加速させる。
欧州では水素インフラ構築といった気候変動対策を中心とするコロナ復興基金の創設に伴い、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの整備が加速している。これら再生可能エネルギー由来の電力を使って水の電気分解からグリーン水素を作る水電解装置の開発や導入が進んでいる。水素を燃料とする燃料電池車、燃料電池フォークリフト、定置用燃料電池などの増産も進む。

  • トクヤマ・・・鹿島の基盤強化加速 歯科器材とフォトクロミック材料相次ぎ設備増強
  • ポリプラスチックス・・・LCP新系列、台湾で24年前半稼働 日台で年2万5000㌧視野
  • 大日精化工業・・・3ヵ年中計、23年度営業益87億円目指す 設備投資は150億円
  • 日本化薬・・・機能材の領域を拡大 取得事業も拡販
  • 大倉工業・・・ワクチン培養用バック来年量産へ
成長軌道回帰へ 帝人の炭素繊維事業

帝人グループ執行役員 炭素繊維事業本部長 乾秀桂氏に聞く

設備稼働率 風力発電翼向けで向上 航空機向け最優先は維持
帝人の炭素繊維事業は20年度、新型コロナウイルス禍で主力用途の航空機の減産が響き、収益の悪化を余儀なくされた。米国サウスカロライナ州で立ち上げ準備中の炭素繊維新工場で生じた減損損失も計上した。そこで今後はどのような施策を打ち、成長軌道への回帰を図るのか――。炭素繊維事業本部長を務める乾秀桂帝人グループ執行役員に聞いた。
◇   ◇
―21年度の業績見通しは。
炭素繊維の需要は航空機用途を除けばコロナ前の水準に回復しているので、設備の稼働を維持することで少しでも収益貢献できるようにしたい。売上高はコロナ前の19年度には及ばないものの、20年度は上回り、損益も改善する見通しだ。
―設備の稼働状況は。

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日本原子力研究開発機構・・・ジオポリマー(GP)環境特性向上の新技術

土壌に悪影響与えず

日本原子力研究開発機構は、ジオポリマー(GP)の環境特性を高める新技術を開発した。GPはCO排出量が極めて少なくセメント代替材料として注目されるなか、土壌への影響などが意識され本格的な普及には至っていない。架橋剤など薬品の使用量を精密に調整し、植物の生育に適した値に相当するpH5~8の範囲に制御することに成功。農地にもジオポリマーによるコンクリート構造物を設置しやすくなる。今後はセメントと同じく常温硬化できるようにして、市場規模が大きい産業廃棄物処理分野での利用拡大につなげる。

  • SABIC・・・リサイクル樹脂、車両向けの新製品 PP、PC/PETで
  • DICグラフィックス・・・グラビアインキ、生分解性の国際認証 包材コンポスト化へ
  • ダイセル・・・S-アリルシステイン、機能性表示食品に サプリ向け拡販
  • ENEOSHDと日本板硝子・・・窓用太陽光発電パネルを実証へ
  • BASF・・・中国で電池材料合弁会社が発足
  • 産業技術総合研究所と日亜化学工業・・・LEDで標準光源可視光を均等放射
  • エイジング・・・PoC再生支援サービスを開始
  • テラドローン・・・空飛ぶクルマ事業に本格参入

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化学品、市況底上げ急務

相次ぐ買い負け 日本のみ陥没価格

自動車や電気・電子製品の需要増に伴う世界的な需給タイト化を背景に多くの化学品の価格が上昇するなか、世界の主要市場で日本だけが価格改定に取り残され、陥没した価格体系を続けている。原材料の世界的な取り合いでも買い負けし、必要な原材料を調達できないケースが増えてきた。最終製品を含め日本の競争力を維持するためにも、商流全体で国内価格の底上げが急務で、商習慣の見直しなどを含めた対応が望まれる。

  • 中国、CPL生産30%増 1~6月ナイロン需要好調
  • 日本プラスチック工業連盟・・・プラ輸出69%増
  • ベンゼン9月ACP・・・85㌦安の980㌦
  • 財務省貿易統計・・・2021年7月石化品輸出実績、2021年7月石化品輸入実績
  • 日本ソーダ工業会・・・7月のカセイソーダ出荷内訳
  • 日本スチレン工業会・・・2021年7月受払表
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・7月のOPP・CPP出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・三菱ケミカル・・・PVAを30円以上
    ・デンカ・・・PVAを35円
    ・東ソー・・・塩酸を5円以上
    ・昭和電工・・・グリシンを50円以上
    ・サン・トックス・・・PPフィルムを200円
    ・三井化学東セロ・・・ポリオレフィルム
    ・KHネオケム・・・酢酸ブチルを30円以上
    ・旭化成・・・水添スチレンTPE、変性PPEを40円、アジピン酸を20円、アルミペースト
    ・トクヤマ・・・塩酸を6円以上
    ・PSジャパン・・・PSを12円以上
    ・DIC・・・スチレン系12円以上
    ・東洋スチレン・・・PSを10月から
    ・クラレ・・・水添エラストマー
    ・ユニチカ・・・包装用フィルム、スパンボンド不織布
    ・東洋紡・・・ポリエステル不織布
    ・三井化学SKCポリウレタン・・・TDIを20円以上
    ・DICグラフィックス・・・オフセット用インキ

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  • ダウ・・・PE事業、製品・用途開発に力 技術駆使、特殊品を訴求
  • 住友化学・・・半導体レジスト増強 最先端工程向け2.5倍
  • 住友化学・・・千葉のEPDM停止、23年3月に販売終了
  • ダイセル・・・レジスト用ポリマー、新井工場核に成長加速
  • ADEKA・・・光酸発生剤を倍増設 先端半導体製造用
  • カネカ・・・乳製品事業拡大へヨーグルトを刷新
  • 旭化成・・・水ケ崎発電所を改修 CO2年1万㌧削減へ

1950年竣工の水ケ崎発電所。25年4月再稼働の予定で出力を1万9千㌔㍗に引き上げる

旭化成は宮崎県高千穂町に保有する流れ込み式の水ケ崎発電所(1950年竣工、認可出力1万8千㌔㍗)の大規模改修工事に乗り出す。水車や発電機の高効率化で出力を1万9千㌔㍗に5%強高めるとともに、年間約1万㌧のCO排出量削減を目指す。
22年10月着工、25年4月の再稼働を予定する。同工事は18年11月に決定した五ヶ瀬川発電所(25年竣工、1万3500㌔㍗)、19年8月の馬見原発電所(26年竣工、5千㌔㍗)に次ぐ3カ所目の水力発電所のリニューアル。同社は日向を含む延岡地区に9カ所の水力発電所(最大出力合計5万6380㌔㍗)を所有し、4カ所の火力発電所と併せて同地区内で使用する電力の約90%を自給している。

  • トクヤマなど5社・・・水素燃料内航船導入へ共同検討
  • 山梨県と東レなど7社・・・水電解で水素製造実証へコンソ設立
  • 横河電機・・・世界最小級デジタル変換・転送ユニット
  • 三菱ケミカル・・・三重事業所のエポキシ固体生産ストップ
  • 三菱ケミカルとJSR・・・「量子技術による新産業創出協議会(Q―STAR)」に参画
  • 出光ユニテック・・・次期社長に諸藤茂樹氏を内定

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