石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日鉄ケミカル&マテリアル・・・エポキシと ビニル系樹脂 高周波基板用を拡大

新系列含め増産へ

日鉄ケミカル&マテリアルは、通信の高速化に伴って急拡大が見込まれる高周波回路基板向けの拡大を加速する。エポキシ樹脂の誘電正接(Df)を可能な限り低減して5G周辺の基板向けなどを拡大しながら、より低Df化が求められる領域を新開発のビニル系樹脂などで取り込んでいく。さらなる低Df化のニーズを見据えて新たな熱硬化性樹脂の開発も進んでおり、年内にはサンプルワークを開始したい考え。

新社長インタビュー ENEOS NUC 岩崎務氏

潜在能力発揮 成長へ確かな足取り

「自分と会社のポテンシャルを信じて、働くことを通じて幸せになってほしい」。4月1日の社長就任時にこうスピーチし、従業員を鼓窑した。自身は昨年4月から副社長として経営に直接関与していたが、社外取締役としては16年程前から同社に関わってきた。当然、厳しい状況にあった過去も熟知している。
「会社をより良くする実際の工夫を考え出すことができるのは現場を知る従業員。大きな方向性を示し、皆が潜在能力を存分に発揮できるような環境を作ることが私の仕事だ」と明言し、トップダウンではなく逆ピラミッド型のサーバントリーダーシップで経営に臨む。

  • デンカ 今井俊夫社長・・・持続的な成長に自信 スペシャリティー戦略投資を継続
  • 三洋化成工業 樋口章憲社長・・・高機能材料3年で100億円投資 次代に寄与する製品を
  • 横河電機 奈良寿社長・・・リスク吸収し成長へ 脱ロシアも新事業機会睨む
  • 日本触媒・・・新社長に野田和宏取締役常務執行役員が昇格

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  • 積水化学工業・・・超純水用パイプ供給強化、半導体向け需要好調 台湾で増設検討
  • ダイセル・・・セイフティ、大幅増益へ事業再編 生産統廃合や品種統合
  • エフピコ・・・マレーシア社を買収 東南アジア市場に進出
  • 旭化成・・・POMホモポリマー、強度向上し差別化 新銘柄も来年投入
  • 三菱ケミカルホールディングス・・・生分解性樹脂バリア包材を開発、コーヒー豆向け展開
  • ユニチカ・・・重縮合ポリマー、開発と製造受託開始 幅広く協業も
  • クレハ・・・PFAS、米新興企業と吸着技術共同開発へ
  • ポリプラ・エボニック・・・PA12、バスバー向け拡販 国内EV用へ新製品
  • 帝人フロンティア・・・ユニホーム向け生地で2新製品
  • 東レ・・・UAE海水淡水化向けにRO膜受注 世界最大規模

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  • エピクロルヒドリン(ECH)・・・世界で需給タイト 年内は価格高止まり 国内も上げ圧力
  • オリン・・・エポキシ、米で不可抗力宣言 独工場は停止継続
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・事業益最高の253億円 前期、化学品が牽引
  • KHネオケム・・・価格是正、順調に 値差確保 安定供給へ全力
  • 千代田化工建設・・・資機材高騰に対応 欧エネ案件を開拓
  • JSR・・・ABS増収増益2期連続目指す
  • 信越化学工業・・・米国塩ビ事業が好調
  • 日本ソーダ工業会・・・2022年3月と2021年度のカセイソーダ出荷内訳
  • カーボンブラック協会・・・3月のカーボンブラック実績
  • ベンゼン5月ACP・・・15㌦安の1180㌦ 円建ては最高値更新
  • 化学製品値上げ
    ・昭和電工・・・アンモニア48円以上
    ・デンカ・・・ABSなど30円以上
    ・PSジャパン・・・PSを47円以上
    ・DIC・・・PSなど45円以上
    ・東洋スチレン・・・PSを46円以上
    ・旭化成・・・アルミペースト
    ・DICマテリアル・・・不飽和ポリエスなど
    ・クラレ・・・ポリエス短繊維。人工皮革を6~10%
    ・クボタケミックス・・・塩ビ管を20%以上
    ・東ソー・・・重金属処理剤
    ・住友精化・・・シリンダーガス

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2022化学品動向 この人に聞く PAN系炭素繊維

東レ取締役専務執行役員 複合材料事業本部長 吉永 稔氏

―21年の市場を振り返って下さい。
PAN系炭素繊維の世界需要は、新型コロナウイルスの影響で一時大きく落ち込んだ20年の9万㌧前後から2ケタ増え12万㌧規模となった。コロナ前の19年も上回り過去最高を記録した。
航空機用途は低迷が目立つものの、量的にはそれほど多くない。風力発電の風車翼や圧力容器といった産業用途、自転車フレーム、ゴルフシャフト、釣り竿といったスポーツ用途は好調に推移した。
カーボンニュートラルの流れを受け、再生可能エネルギーである風力発電の増設が進むなか、特に風車翼向け需要は大きく拡大した。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で作った風車翼の補修方法や検査方法といった技術が実証されたことも需要急増の背景にある。子会社ゾルテックが手掛けるラージトウ炭素繊維の風車翼向け販売も好調だ。炭素繊維の需給バランスはメーカーによって異なるようだが、当社グループではタイトな状況にある。

  • デンカ・・・ヘルスウエア、26年度に売上高倍増 ウイルス製剤拡販
  • クラレ・・・ポバールフィルム、光学用増設 24年央 年産2.9億平方㍍に
  • デンカ・・・球状シリカを増設 シンガポール 半導体向け好調
  • 三井化学とマイクロ波化学・・・CF製造、エネ消費を半減 基盤技術を確立
  • AGC・・・電解・塩ビ増設に1000億円超を投資 タイ
  • ハイケム・・・中国製半導体材料 日本向け販売開始
  • 出光興産・・・先進マテリアルカンパニー新設
  • 旭化成・・・地域社会作り支援へ 社内ベンチャー発足
  • 東亞合成・・・水素ステーション製造直結型を開設 徳島

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